私の名前はアン。職業は魔法についての研究職兼ライター。
貴族の私が働く必要はないが、知的好奇心が高じて仕事になってしまった。
そんなある日、私はお父様に呼び出される。
「魔法学校に、生徒として、入学してもらう」
「私二十六歳ですよ!?」
魔法学校とは、十六歳から十八歳の魔力に目覚めた子供が通う三年制の教育機関だ。
「お前は十代の頃、病気のせいで学校に通わせてやれなかった」
『成長止め』──それは私が学校に通えなかった理由である先天性の病。二十六歳の私だが、見た目は十六歳ほど。体力に至っては十歳程度だ。
「入学式は明日だ。家に呼べるような友達が三人出来るまで、帰って来なくて良いからな」
若い執事の少年・コリンは体力に不安のある私の警護を担当することになっていた。
結局、お父様には逆らえない。
こうなったら手っ取り早く友達を作ってお父様を満足させ、途中退学してやる!
そのため、二十六歳であること、貴族の身分を隠し、あくまで〝普通の十六歳の女の子〟として魔法学校へ入学することに。
しかし、元男子校の魔法学校に女子は少数で、入学した私を待っていたのは──到底理解し難い十六歳の少年たちだった!
生意気で横柄なデリック、アンニュイな男の子・ノア、ぶっきらぼうなマーク。
年の功もあり、魔法知識の専門家である私は、正にチートレベルだけど──二十六歳であることを隠さなければ、友達はできない。
そう思い込んでいたのだが……?
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