23 ごあいさつです!
いい子のお約束したサーヤです!気を取り直してご挨拶です!でもぉ
うぅ。いざとなると緊張します…
なかなか勇気が出なくて固まってたらクゥが頭をぽんぽん。
フゥは手を繋いでくれて、モモとスイは足にぴとってしてくれました。
みんな、にこってしてくれます。
うん!がんばるね!
もふもふさん達と仲良くなるためにご挨拶!
気をつけ!せーのっ
「は、はじめまちて!さーにゃ…や!でしゅ!よろちくおにぇがいちましゅ」
よ、良し、言えた!にへら~
ハッ!おじぎしなきゃ。気をつけ!礼!ぺこりっ
「きゅるるるる~」
しーん…
…なぜここで。うりゅりゅ~
ぴゅぴゅぴゅ『あっあっ サーヤなかないで』
きゅきゅきゅ『だ、だいじょうぶ!じょうずにいえたよ!』
泣きそうになったのに気づいたモモとスイが一生懸命慰めてくれます。でも
「うにゅ~」
泣いちゃう~
『サーヤ、大丈夫よ。顔上げて。ほら。』
フゥが頭なでなでしてくれて
『そうだぞ。ちゃんと皆さんに顔みてもらわないとな』
クゥがまた頭をぽんぽんしてくれました。
「あい」
がんばる。
わたしが顔を上げたのを見て
『突然すみません。あなたがこの森を治める方ですか?』
クゥがひときわ大きな白いわんちゃんに声をかけます
『そうだ。我がこの森の主だ』
白いおっきなわんちゃん、えらいわんちゃんだったの?
「ふわぁ~あ」
かっこいい~
ぴゅいきゅい『『サーヤ、きらきら…』』
『しっ!今は静かにしましょう』
はっ!フゥに注意されちゃいました。お口チャック!
三人でお口にお手てです。
『お、…私達は怪しいものではありません。私は空の妖精クゥと申します』
おお!クゥが『おれ』を『私』って言い直してる!
『私は風の妖精フゥと申します。この子達は双子のドラゴンでスイとモモです』
きゅ!『スイでしゅ!』
ぴゅ!『モモでしゅ!』
みんなもご挨拶です。そしてクゥは私たちを守るように前に出て話します。
クゥがんばって!
『訳あって人間たちに会う可能性を避けたかった為、探索したところ、こちらの清らかな土地とあなたの強い魔力を感じ、お邪魔させて頂きました。』
おークゥがなんだかかっこいい!!
『うむ。その理由を聞いても?』
白いわんちゃんも、目をそらさずクゥとお話ししてくれます。あれ?そういえば、わんちゃん普通にお話してるね?
『私たちは偶然この子たちを保護したのですが、少々特別な子で、今はまだ人間に会わせたくはなかったのです。そのため下手な場所に降りる訳にはいきませんでした』
『うむ。正しい判断だったようだな』
クゥの話にわんちゃんは大きく頷いてくれました。
『それと、お気づきとは思いますが、この子がお腹を空かせてまして、早急に安全な土地で食料と水を探さねばならず、清らかなこちらの土地にお邪魔させていただいたのです。出来たらこの子の為に木の実など少し分けて頂けませんか?ご迷惑にならないようすぐに出発しますので』
クゥがお腹を減らした私のためにお願いしてくれました。そしたらみんなまで
『私からもお願いします』
きゅいぴゅい『『おねがいしましゅ』』
って、お願いしてくれました。私もしなきゃ!
「よろちくおにぇがいちましゅ」
みんなと一緒にお願いします。すると
『頭をおあげ下さい。愛し子様。そしてお伴の方々も』
『『え?』』
「ふえ?」
ぴゅきゅ『『いま?』』
さっきより優しい声でわんちゃんはたしかに言いました。
『愛し子様』って…