社交界の毒婦とよばれる私~素敵な辺境伯令息に腕を折られたので、責任とってもらいます~ (外部サイトで読む

来須みかん

 私は昔から空気を読むのがうまかった。だから、悲劇のヒロインになりたい異母妹マリンの望み通り、悪役を演じている。そうしないと、マリンを溺愛している父に食事を抜かれてしまうから。
 今日のマリンのお目当ては、バルゴア辺境伯の令息リオだ。
 はいはい、私が頭からワインをぶっかけてあげるから、あなたたちはさっさとくっついてイチャイチャしなさいよ……と思っていたら、バルゴア令息に捕まれた私の手首がゴギッと鈍い音を出す。
 悲鳴をあげるバルゴア令息。
「叔父さん、叔母さん! や、やばい!」
「えっ何やらかしたのよ、リオ!?」
 そんな会話を聞いたのを最後に、あまりの痛みに私は気を失ってしまった。

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