第3章の第118話 どうしようもない問題45 8月(8)特許申請
★彡
【マイアミの公共職業安定所』Public Employment Services In Miami(パブリック エンプロイメント サービス イン マイアミ)】
【ミシマさんに関わった年、3月下旬】
【いきなり荒れるヨシュディアエ】
――それはヨシュディアエさんの言葉だった
『いったいどーゆう事ォ!? ちゃんと説明して!?』
『………………???』
『フゥ、フゥ、フゥ、フゥ』
【――その日、私は、いったい何の事なのか一切わからず、混乱の極みにあったんだ】
【いきなりヨシュディアエさん(彼女)が狂い出してきて、『開口一番』、そう言ってきたからだ】
【ただならない、雰囲気だったって事は、今でも覚えている】
『……ハッキリ言って、その口で……』
『……』
【ポイントなってくるのは、もちろん】
『そのフルスさんの事務所のところで、いったい何があっていたってゆーの!? 『一から全部、最初からすべて』、その口で言ってくれるわよねぇ!?
ちっともこっちは、何も伝わってこないし、わからないんだしさ――!?』
『……ッ』
『今すぐにそれを全部言って!! 一からすべて、その詳細をまとめてくれる!? ここにいるあたしにもわかりやすく!?』
【――正直に言って、無理だ】
【無理だ……無理だ……無理だ……】
【今から、一から全部、最初からすべてを、その詳細をすべてまとめてくれる人は、そもいないから、無理なんだ……】
【いきなり言われて、君たちは、それをできるか!? 否だ!!】
【そんな事は、やる前から、誰にだってわかってる!!】
【ヨシュディアエさんは、対応に追われ、慌てていたんだ……その前後間が、まったくと言っていいほどわからないからだ……ッッ】
【しかも、私は、その当日中に、その急な対応を求められてきたんだ!! 他ならないこの人に!?】
【ここから、私の人生は、大きく狂い出していったのだった……――】
『……やっぱり、ヨーシキワーカ君でも無理そうね……』
『……』
『期待してたんだけどなぁ……ちょっとは……!? こっちも……!?』
『……』
『そんな子には、こちらからは、一切その求人を出せませんッ!!!』
彼女は、その俯かせながら……。
『……安心して、こっちからは送り出せないからね……なーんにも……』
『……ッ』
その彼女は、その顔を上げると……。
ウルウル
と瞳を潤ませていたものだった。
きっと誰かに言われたのだろう。
私の落ち度である。
『さよなら……もう、その顔をここには見せなくてもいいわ……。……一生(いっしょう)――』
『……ッ』
【そうして私は、その日の用を済ませたのだった……】
☆彡
過去から現在に返り、エメラルティさんは、こう語る。
うろ覚え程度だが、だいたいがこんなものだったと思う。
「――そして、ヨーシキワーカさんは、自宅に帰り、そのお父さんにこう言われた事があったそうよ」
★彡
――それは、父からの一言だった。うろ覚え程度だが、だいたいがこんなものだった。
『――女の花の人生は短いからな……そんなお前とは付き合えないって事だ』
『……』
『……彼女を、その先に行かせてやれ!
男のお前は、技術屋として腕を積んだら、まだ、どうにかなるものだからな……。
女は老けたら、途中で老けたらそれまでだからな……。女の花の人生は意外と短いものだからだ……』
『………………』
この時、ヨーシキワーカは、こう考えたものだった。
仕業は、グル関係で、イリヤマ、ライセン、ミシマ、ヨシュディアエさんが共謀したものだと。
そして、ワザと人を陥れて、ゆくゆくは、その、月見エビバーガーオーロラソース社に引き戻そうとする手口だった。
この流れで最も近いのは、そう、まるで、あの月見エビバーガーオーロラソース社時代に努めているときに、聞いた事のある、あの例の男。
エリュトロンコリフォグラミーのような流れだった。
だから、私は、こう言ってしまったのだ。
『……それは、ミシマさんみたいな人がいいって事!?』
『そうだな……! そう、職安の中のあの娘がハッキリ言ってた』
『……ッ』
『そんなお前さんとは付き合えないって事だ。無理にでもな。……まぁ、早い話が、早く一人前になれって事だ』
『……一人前に……』
『バカと天才は、紙一重の底辺の差だからな』
『………………』
一人前とは、何なのか、この時の私には、よくわからなかった……。
やり方が、その卑怯だからだ。
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――過去から現在に返り、エメラルティさん、こう語る。
「――お父さんの言葉は、正しいわ!
女の子の花の人生は短い……もの。そんなには長く待っていられないわ。
それにこの時、ヨーシキワーカさんには、有罪判決が下されていたもの。
自分にも、その飛び火、し兼ねないから、ヨシュディアエさんのこの時の判断能力は、何よりも正しく、その逃げていたの」
「……」
「途中になって、逃げた女と、付き合う道理は、最初から何もないわ」
「あははは、だよね」
「でも、そんな彼女を推しても、職安の一職員の立場として、それを無理にでもなんでも、知ろうとする、気概があっていた訳よ――」
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【マイアミの公共職業安定所』Public Employment Services In Miami(パブリック エンプロイメント サービス イン マイアミ)】
【ミシマさんに関わった年、3月】
『――あのね、ヨーシキワーカ君。ミシマさんのところで何があったのかわからないけど、
ここがこーゆうものを持ってない? 紙みたいなものなんだけども……ミシマさんが言うには!?』
『……』
(あれ? 何で、私、もうミシマさんの所を、クビになったのに……。そんなものがいるんだ!?)
『確か、フルスさんの所の事務所で、その置いてあった用紙に何かを書きなぐっていたみたいなんだけども……。
今、それを持ってるんじゃない?』
『……』
(持ってる訳ないわ)
『ハァ……『使えない』わねぇ……。やっぱり今、持ってきてないか……。こっちも気になってて、一度、見てみたいんだけどなぁ……それを!?』
『……』
無言のままのヨーシキワーカ。
それを見てヨシュディアエさんは、なんだか、ガクッ、とくるものがあったのだった。
『……う~ん……どうしようかなこれ……う~ん……そうだわ!』
ヨシュディアエさんは、手を、ポン、と叩いて。
こう、ミシマさんから請け負っていたものと、
イリヤマ先生伝いに、月見エビバーガーオーロラソース社からの掃除の点検箇所を聞き出すのだった。
『ヨーシキワーカ君が持ってるそのノートに、あの昔の会社の20か所以上の掃除箇所が書かれてあるんじゃないの!?
もしくは、それを書いてきてくれさえすればさーねぇ?
ってある訳ないか……。掃除が20か所以上もあるだなんて、そんなに上手い話……』
『……』
☆彡
――過去から現在に返り、エメラルティさんは、こう語る。
「――その日、ヨーシキワーカさんは、自宅に帰り、
夜1人の時、リフィル用紙に、掃除の点検個所20か所以上を、書き記したというわ」
「……」
「けどね、この時、ヨーシキワーカさんは、『盛大なミス』を犯していたの……!
先週の時点で、合同会社三電工を、『クビ』になっている以上、
フルスさんの所のメモ用紙も含め、
月見エビバーガーオーロラソース社の掃除の点検個所を、『何も報せる必要がない』、という事よ!」
これには、アユミちゃんも。
「どーゆう事!?」
「話の流れから推察するに、イリヤマ先生にメールを送った事が、『そもそもの原因』で、
それを見て笑った、あくどい感じのイリヤマ先生伝いから、
月見エビバーガーオーロラソース社、職安、ミシマさんの所と繋がってしまったのよ。
その話の流れで、他所の会社さんまで、及んでいってしまった……。
……これは、わかるわよね!?」
「うん……」
「まぁね……」
「会社には、『守秘義務』、というものがあり、昔、そこで雇用されていた人達は、キチンと護らないといけないような決まりごとがあるの!
法令順守に則ってね。
今回の場合は、
この掃除の点検箇所20か所以上も含め、『公害してはならない』、とする取り決めか、否か!?」
あっ……
そう、ここで逸早く、勘付く大人達がいたわ。
「そう、ただの掃除に、ただの点検個所に、そんな公害を犯すような、法廷措置はないの!!
つまり、この時点で、ヨーシキワーカさんは、『無罪』となり、
代わりに、責められるのは――誰か!? さぁ、言ってみて!!」
これには、少年少女達も明るく朗らかに言ったものだわ。
「イリヤマ先生!」
「だよね!」
「グット!! その通りよ!!
まともな人であれば、そこは大らかに取り決めていくものよ!
イリヤマ先生には、初めから、人を蹴落とすだけで、それがなかったって事!」
「……」
「さらに言えば、伝言ゲーム伝いで、それを知ってしまった人達がいて、
それが、職安の受付担当窓口ヨシュディアエさんだったの。
彼女は、こう思ったハズよ?
ホントに、掃除箇所が20か所以上もあるのかどうか!? それを確かめて見たくもなった。
それが問題作り!!」
「……」
「フツーにものを考えてみて! 職安の職員の人が、それを知りたいと思ってみても、決してダメで、
人にものを頼む形で、唆してはならないのよ!
つまり、この時点で、ヨシュディアエさんは、『公害を犯した』って事よ!」
とこれには、アユミちゃんも、スバル君も、その顔を見合わせて。
「イリヤマ先生に続き、ヨシュディアエさんも……?」
「その公害を、犯していた……」
「グット! それが、守秘義務なのよ!」
「「うん」」
と頷き得るクリスティさん、サファイアリーさんがいたものだった。
エメラルティさんは、こう語る。
「さらに、この時、ヨシュディアエさんが望んだものは、
ミシマさんから、請け負っていた品物の前確認と!
あの日のイリヤマ先生に送ったメール内容で、月見エビバーガーオーロラソース社の20か所以上の点検箇所の洗い出しだったからよ!
そうした責任の被を、追う事になっていくのは――誰!?」
「それは、唆したイリヤマ先生から始まり、ヨシュディアエさん伝いで、
ミシマさんにも、それが届いているだろうから、
その流れで、弟さんにも及んでいた……!?」
「でも、騙し打ちな感じで、被を被りかせたい相手は――ヨーシキワーカさんだった!?」
あっ
と一同勘付く事になる。
「グット! 御明察!
その日、ヨーシキワーカさんは、唆されるがまま、何も知らずに、何も気づかずに、ヨシュディアエさんを、『疑う事もなく』、自宅へ帰り、
そのリフィル用紙に、記憶がある内に、書き出した訳よ!
昔の会社の掃除の点検個所をね!」
これには、アヤネさんも、ミノルさんも。
「なんて、バカな人……」
「いや、気づけないだろう……、……大抵はどの人も……?」
「……」
これにはアヤネさんも、小さい声で、「言われてみれば、確かに……」と、小さくも頷いたものだった。
これが、現実論である。
ミノルさんは、アヤネさんは、こう吐き捨てたものだった。
「そもそも、掃除レベルの、点検個所なんだぞ!?」
「……ッ。何だって、そんなものがいるのよ!?」
これには、エメラルティさんを推しても、返答には困るもので……。
「それが、問題だとする為には、れっきとした『証拠の品』がいるのよ!
これには、後々騙される事になっていった弟君がいて、
自宅のコピーを使い、それを、月見エビバーガーオーロラソース社などに持ち込んでいったそうよ。
その流れで、ミシマさん、職業訓練校の2人の講師達の目にも耳にも止まる事になった。
で、いくらか、月見エビバーガーオーロラソース社を通して、礼金として、そのお金をもらっていたらしいわ」
「……」
「……」
これには、元ホテルの経営者様でもある、ミノルさんも、アヤネさんも、憤慨しそうだった。
掃除で、お金を払ってしまったからだ。憤慨ものである。
「後は、夕飯の時、ちょっとしたものを、買っていたみたいね……」
「ねぇ……それってさあ、イリヤマ先生達の、作戦『勝ち』じゃないの?」
「あ……」
そう、この時点では、イリヤマ先生達の作戦勝ちである。
私も含め、ヨシュディアエさんも、弟も、騙されていたものだった。
まさしく、悪魔の頭脳である。
ここまで、考えていたのだ、あの先生は。
「そうね……。正しくは、ここで、『無視』を決め込めば、『一番良かった』のかも知れないわね……」
「それじゃ、『何もわからん』だろうが!! あっ!」
「まさか……!?」
「そうか……。これか……!
イリヤマ先生が、その騒ぎを起こしてしまっていた、後だから、
その責任を取らせるためにも、メンツと建前で、いくらか、こーゆう事が必要だったんだか……!
なるほどなぁ!」
「……」
そこには、妙に納得してしまう、ミノルさんがいたのだった。
エメラルティさんは、説明をこう補足する。
「頭の固い技術屋なんかは、自分が偉いとふんぞり返っている講師達は、職安の女の人達も含め、
それがわかんないから、これだけの騒ぎを起こしていた訳よ!?」
「……」
「……」
そこには、頭をかく仕草のミノルさんがいて、呆れ顔のアヤネさんがいたのだった。
「『フツーは、そのわかんないのが普通』なのよ!
それが、無理にでもなんでも、その知ろうとするから、あの手この手で、唆し回って、突きまくって、あの人の作品が、一生の傷物になったのよ!?
これは、わかるわよね?」
「……」
それが、ハッキングまで受ける経緯と経緯だった。
「……そして、まんまとイリヤマ先生達の目論見通り、打算的な考え方で、
月見エビバーガーオーロラソース社に、恩を売った形で、肩入れしていた訳よ!」
「………………」
そこには、幾ばくか、その考えさせる想いだった。
――とここで、アユミちゃんから、こんな疑問点の声が挙がるものだったわ。
「――でも何でさぁ、そんな掃除の点検個所が……。1年も経過した後に、出てきたんだろうねぇ?」
「う~ん……」
これには、幾ばくか、そのスバル君の懐疑的な疑問ももっともで、
あたしは、こう答えたわ。
「ハァ……正直、呆れ返っていて、当人すらものが呆れて言えないそうよ?」
「「……」」
((だろうねぇ……(そうかも……))
もっともである。
彼女の説明は、こう続く。
「掃除してた人が、2人の内、1人抜けてるからね……。
1週間に1回の掃除のペースが、
2週間に1回の掃除のペースに落ち込んでいて……。ヒドイ時には、2、3週間に1回のペースに落ち込んだだったんだとか……!?
さらに長い時間を要しているものだから、
あっちとしても、原因究明がわからず、その糸口として、その人に、ものを頼ってきていた訳よ!?」
これには、聡いアヤネさんも。
「その相手が、たまたま、問題行動の多い、イリヤマ先生だったと!?」
フハハハハハッ、問題だぁあ!!!
「もういいところ、オチしかないわね……」
「ヒドイ、出オチだこれ……いったい、誰のせいなの?」
「う~ん……考えられる線は、主にこの2つ!
1つは、全員パート作業員さんで、キチンとした責任が持てる正社員さんが、『いなかった』事!
もう1つは、年長者のキーシストマ先輩を、その月見エビバーガーオーロラソース社が、『責任をもって育てていなかった』って事
これは、『常に動きっぱなしの仕事関係』だから、『人にものを教える道理が持てない』事と、『同義』であるという事よ!」
「つまり……」
「キーシストマ先輩も、裁判沙汰になれば、逆転無罪、になるという事!?」
「法令順守に則ればね……」
「……」
そこには、ハトが豆鉄砲を喰らったような面持ちがあったわ。
そして、珍しくも意味深なシャルロットさんが、こう言ってきて。
「――フフフッ、これは、ホントに、『いい話』ですねぇ……」
「そうじゃのう。フツーはその法令順守も、なーんも知らんのじゃから……。後々責められていくのは、そのキーシストマじゃからのう……!」
そこには、意味深な目を向けるシャルロットに、Lがおったわ。
「……」「……」
わらわは、こう話を続ける。
「……時に、エメラルティよ。そのキーシストマには、人を育てる能力があったのか? 訪ねたいのじゃがな?」
とここで、スバル君が。
「あっ! エメラルティさん!」
「はい?」
「そのアンドロメダ王女様が、そのキーシストマには、人を育てる能力があったのか? って尋ねたいみたいなんだけども……?」
「う~ん……不躾な質問ね……」
「……」
「……」
「まぁ、いいわ。
あの人は、ヨーシキワーカさんが入社した後、自分からその楽になろうと思って、手抜きをし始めていった動機と経緯があるからよ。
だから、その途中になってから、段々とその浮き彫りになって行って、
箱洗いの中と廊下を行き来するだけの、楽な持ち運びになっていったそうよ!
これには、その中の方で、一緒に苦労していた人たちもいて、大層毛嫌いしていたそうよ」
「じゃろうなぁ……」
「また、ヨーシキワーカさんよりも、10年以上も在籍していて、大ベテランの人だから、そこにいるだけで偉いから、
モノを言えた立場だったのよ! 彼はね!」
「なるほどのぅ……」
「また、人を育てる能力は、ヨーシキワーカさんや、後輩の人達に、放り出していて、
厳密になって考えてみれば、あの人には、人を育てる能力がなかったわけよ……」
「ハッキリ、言ってくれるのう……」
「人はねぇ……。歳を取ってくれば、頭でその考えようとしてきて、その楽になろうと思ってみんなして、仕事をできるだけ省いて、
また、他所の人に任せて、人を育ててさせていた訳よ……。
まぁ、言ってみれば、責任転嫁であり、後々、それは、お前のせいだろう、と気持ちよくもその罵ろうとしていた訳よ!
年長者であるほど、永くその会社内にいて、そーゆう現場などを、隠れて見ていただろうしね。
これは、ヨーシキワーカさんも、その例外ではないわ」
「……」
「……」「……」
これには質問者のアンドロメダ王女様も、シャルロットさんも、Lちゃんも、その全部言ってくれた感じでなので、
気持ちよくもその、何も言えなかった、という。
「また、単純にその人の能力不足せいではなく、
その労働環境に、そのものに、問題があるんじゃないのかしら?
常に動きっぱなしの職場環境だったいうし……。
そーゆう環境下にいれば、自然、人を育てようなんて気は、そうそう、起きないと思うわよ?」
「あ……」
「この場合、能力不足とは、この場合、3時間も前倒しされていた中で、そうした環境下の中で、適応し、
その内の1つに、後輩を育てるという能力が、あったか否かって事よ!?
あたしは、少なくともそう思うけど……?」
「……」
一同、何も言えず……。
これには、アンドロメダ王女様も……。
「この娘子と結婚する輩は、大層その気苦労しそうじゃのう……合理的な頭の持ち主じゃし……」
「あぁ、これは、スバル……」
「んっ?」
「アユミちゃんが、その……そうならないように気をつけてね……?」
僕は、そんなLからの心配性を受けて、「あい……」としか言いようがなかったんだ。
この勝負、エメラルティさんの勝ちである。
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【マイアミの公共職業安定所』Public Employment Services In Miami(パブリック エンプロイメント サービス イン マイアミ)】
【ミシマさんに関わった年、3月】
【昔の会社の掃除箇所とそのフルスさんの事務所での用紙を見せる】
『――なにこれ……?』
『フルスさんの事務所に言ったやつ』
『これって、絵じゃなかね……何の絵ね!? しかも、こんなに文字がびっしり……ここに書かれてあるだなんて!?』
(えっ!? えっ!? 何でこうなってると!? ミシマさんから聞いてた話と全然違う!?
ひょっとして偽物なんじゃ!?)
ヨシュディアエ(あたし)は、ヨーシキワーカ君を、疑ってかかるのだった。
だけど、杞憂となってしまう。
『ちょっと前に、家の父(ダット)と弟に言われて、その時の反省文を書いたんだけども……ダメ?』
『えーと……これ、まさか原本……なんじゃ……!?』
それは、一番マズいわ。
でも、彼からの返答によって、
『ううん、コピーの方だよ』
『なんね!? コピーねぇ……ハァ……』
メチャ、心配して損した気分だったわ……。
『……?』
(きっと、この子は、それに気づいてないんだろうな? まぁ、取り敢えずは見て上げるか)
あたしは、彼から、差し出されたそのプリント用紙を受け取り。
『えーと何なに……』
時系列表。
0123456789
XABCDEFGHI
22BA年3月23日(火曜日)。
朝の出来事、ミシマさんとの3日目、ブロイラーの屋上。
その後、22BA年3月25日(木曜日)
フルスさんの事務所に行った。
今回学んだこと。
外注周りの請負会社にできる事は、その会社から受けた補強修理に従うだけ。
自分たちの目から見て、風に煽られて、活線が傷つき、
工場全体の電力がストップしても……。
未然に手を出して、修理してはいけない。
なぜ!?
予期しえない二次災害の危険性。
もしも仮に、ヨーシキワーカ君が善行で修理しても、
そのお金は、勝手にやった事だから、儲けにはならず。
危険と損を負うだけ……(呆れ×2人)。
もし、ヨーシキワーカ君の不始末で、ヨーシキワーカ君が死ぬばかりか、
その設備修理費として、当社が大損害を被り、周りから信用を失うからね。
人の命を預かる会社としては、根がまっすぐな子でも、君は恐い子としか思われないよ。
それはどの現場では同じ事が言えるよね。
(恐れ知らず、先を見通していない子……?!)
だから次からは、周りに迷惑をかけない。
1人で悩まず、君が、この人なら話してもいいと、大丈夫と思う人に話しなさい。
ミシマさん、フルスさん、さらに、父・母・弟の意見を取り入れつつ、綺麗にまとめたもの。
――それを認めたヨシュディアエ(あたし)は。
『……なにこれ、ミミズが張ったみたいな絵が描かれてるけど?』
『あっ! それ電気だよ』
『電気ね……へっへぇ……ミミズなのね。こっちの方がしっかりしてるわね』
『いや、そっちのしっかりしてる方がブロイラーの屋上の方で、そっちの裏面を描いたのは、ミシマさん本人なんだけども……』
そっちのミミズが張ったようなものを書いたのは、ミシマさん本人が描いた絵である。
『えっ!? そうなの!? へっへぇ~! 達筆だったのね! やっぱりミシマさんって、さすがよねー! うんっ!』
『……』
(さっき、ミミズって言ったじゃん……)
何? この能力基準? 思わず、私は、嘆息してしまうのだった。
『ハァ……』
で、私は、もう1つのノートを見せるのだった。
それは、昔の会社の掃除箇所だった。
これには、ヨシュディアエさんも。
『ナニコレ?』
『前に言ってた、昔の会社の掃除箇所だよ。……30あるよ』
『えっ!? 嘘まさか……!?』
それをじっくり見ると、細々すれば、30か所近くはあった。
『って、これ少ないわよ。ズルじゃないのコレ?』
『何とでも言えば?』
『フ~ン……へぇ~そう、ここがこうなってたのね……うん、だいたいわかったわ。はい、ありがと!』
私は、そのノートを手に取り、ヨシュディアエさんが一人言を零すのだった。
『フヒヒヒヒ、後でまた、ミシマさんにコッソリ教えなきゃね!?』
お金~♪ 米ドル~♪
ヨシュディアエさんの目が、お金になっていた。
これには、さしものヨーシキワーカ(私)も。
『ッ!?』
『うん? どうしたの?』
『いっいやぁ……』
(完全に、どうなってんだこれ……!?』
『ウッフフフ、またね~!』
とヨシュディアエさんは、満面の笑顔で、その手を振ってたんだ。……メチャ怪しい……。
『……後はこれ、どうしようかな~? う~ん……』
『……』
(その意図は、わからないが……。おそらくは、昔の会社からの案内だろう。
だが、この時から私は、このヨシュディアエさん達に、カモられるようにして、騙されていた訳だ。
何も知らない、無知だったものだから。
会社の守秘義務というものを、守らずに……。掃除も、守秘義務に入るものなんだろうか……?)
☆彡
――過去から現在に返り、エメラルティさんは、こう語る。
「――用を済ませたヨシュディアエはね。
ミシマさんを通して、それが弟君を介して、こんな事が会っていたらしいわ」
★彡
【マイアミの公共職業安定所』Public Employment Services In Miami(パブリック エンプロイメント サービス イン マイアミ)】
【ミシマさんに関わった年、3月】
【(続)昔の会社の掃除箇所とそのフルスさんの事務所での用紙を見せる】
――それは、ヨーシキワーカが家族団らんの集まる場にいて、
弟の方が、兄には直接告げず、父や母に話した話だった。
ただし、この時、伝わっていたのは、イリヤマ先生を通じたものなので、先に掃除の点検箇所の20か所だった。
「あっ! 今日お兄ちゃんがね。向こうの方にあるハローワークの方に行って、
そこで、ノートを先に見せてきたんじゃない!?
何で、さっきにあっちの方にそれを見せると!?
何でこっちの方に、先に連絡を回していたとに、あそこの先生達は『何も知らない』って言うのにさ!?
ちょっとそれを、20だか30だかに増えて、その掃除の点検箇所がどこだか、見せに着てって言ってきたとぞ!?
どこにあると!? その点検箇所のノート!?」
これには、父を推しても、訳が分からず……。
『お……お前……、いきなり何、俺に言ってんだ!?
それ、あいつの所に行って、それ、聞いてくるもんだろ!?』
『あれ? そうやったと……俺はてっきり、こうやれと、その上の人達から言われてて……?!』←直接、本人にそれを聞かない弟君
『……』
(アホ子だな……こいつ……そいつ等に、いいように利用されてるって、わからんのか?)
で、母が。
『で、何で今更、そんな掃除のものが必要とね? あの会社が?』
『え? 俺は、こうやれ……って言われていて』
これには、父も母も、その顔を見合わせて。
『……』『……』
『どう思う? 母(マム)?」
『どう思うって……これ? どうなってと……?』
『さあ……? ミシマさん達の方から、そのお兄ちゃんが前に行っていたあの学校の先生達を通じて、その兄貴の問題だから、
周りの方からも言って利かせられてて、『試す』ように、この問題を通してやれって、言われてて……
あのミシマさんも同じように、それをやれって』
『……?』『……?』
☆彡
――過去から現在に返り、愚直にも、シャルロットさんが、こう言うものだったわ。
「――掃除で?」
「うん……」
「その守秘義務を、お前が護っていないから、それが問題だと?」
「うん……」
「ハァ~……呆れて、もうものが言えませんね……」
ハハッ……
ともう空笑いしかない……。
「で、その弟君は騙されて、自宅のコピー機を使い、
月見エビバーガーオーロラソース社、
職業訓練校の講師達、
ミシマさんにも、それとなく、同じものを、見せびらかして回っていたんですね?」
これには、エメラルティさんを推しても。
「……そうよ」
シャルロットさんは、こう続けて言ってきて。
「で、もしかしたら、お勤めの所の人達にも言っていて、周っていて、そのものを見せびらかしていたら……。
今度は、逆に、してやられて行く事になっていくのは――」
これには、アユミちゃんも。
そこには、幾ばくか慌てて、幻滅してしまうスバル君がいて。
「その弟君!?」
「……ッ。……あぁ……」
これには、笑って答える感じのエメラルティさんがいて。
「はい(YES)!」
「………………」
幻滅ものだった……。
エメラルティさんは、こう正当論を解いていくものだった。
「ヨーシキワーカさん曰く、黙っていれば、1番良かったそうよ!
もしくは、その動かなければ、良かった!
その弟君も、その話が来たら、『無視』を決め込めば、良かったのよ!
どうにも、その最初の辺りから、その不自然な騒ぎだったでしょ!?」
これには、スバル君も、アユミちゃんも。
「まぁ、確かに……」
「ねぇ?」
「うん……」
とここで、大人の正当論を説いていくのは、シャルロットさんだったんだ。
「でも、それじゃあ、何の解決の糸口にも、なりませんよね?」
「う~ん……。まぁ、大人の一般論を持ち出していけば……、
『――他の人達には、その迷惑をかけないようにしつつ』
『自分と職安とその昔の会社の人達の中での預かりなのもので、守秘義務を護りつつ、その黙っていれば、早期解決だったんだと思うわ』
『普通はそのわかんないだから、周りの人達はその……』
『時間の経過だけを、ただ、黙って待ってさえいれば、『勝ち』!』
――だったんだと思うわ」
「……」
「けど、決して、そうは事が運ばなかった……。
これだけの騒ぎを落とした以上、そのメンツと建前を取るためにも、大人の責任として、
頑なに受け入れない人がいてね。
それがお父さんとお母さんと、ヨーシキワーカさん達の周りの親族だった訳」
「……」
「だから、こんな事をならないようにする為には、
問題行動造りのそもそも原因である、
2人いて、そのどちらか片方が、昔の会社に行ってきて、騒ぎの原因となる、持ち込みを止めさせないと、後々、マネする人が続出するという事よ!」
「ミシマさんだね……」
「うん……」
「ミシマファイアー!」
「だから、1年経過した時点で、『ブラックカード』もの。
絶対に、お互いに仲直りも、よりを戻す関係も、修復関係も、絶対に不可能――という事よ!」
「1年で……?」
「うん、1年でね……」
1年間で、修復不可能問題である。
「じゃあ、1年がダメなら……?」
「せいぜい、半年間の間が、勝負でしょうね……」
「半年間……」
「それでも、レッドカードなんだけども……ね」
修復不可能なのは、1年を過ぎた時点で、ブラックカード。
それでも、修復関係の余地の望みがあるのは、半年間の間だけで、それでもレッドカードという扱いだった。
――とここで、珍しくもシャルロットさんが、こう声を掛けてきて。
「――でも、これは、大人の問題ですから、
あたし達、プロトニアにしてもそうなんですけど……も。
他所の星の住人達や、そうした環境下の人達にも、その謝りにいかないといけませんよ?
それが、期限内の『半年間の間』……」
ここで、未来のプロトニアを目指す少年は、「半年間……」と呟いたものだった。その手指を、段々と宛がっていくような動作を取り。
それを横目で見ていたには、アユミちゃん、「……」。
Lちゃんは、「クスリ」と笑い。
アンドロメダ王女様は、「フフッ」と笑っていたものだった。
「……」
少年は、その宛がっていた手指を下に降ろし、次には、こう言うものだった。
「……シャルロットさん、そこん処をわかりやすく教えてくれる?」
「もちろんいいですよ、スバル君」
「……」
「星と星とを繋ぐような、星間での交易と貿易で、その経済の観点で、ものを考えてみるんです」
「星と星とを繋ぐような、星間での交易と貿易で、その経済の観点で、ものを考える……」
「はい。例えば、過去にそーゆう事が会っていて、
不始末の原因を、やり残していたまま、だったとしましょうか?」
「ふむふむ」
「で、ヨーシキワーカさんみたいな人がいて、逆転無罪を勝ち取ったと、仮に仮定しましょうか?」
「うん」
「で、その場合、Aのヨーシキワーカさんは救われますが……。
Bの星のミシマさんやヨシュディアエさん。
Cの星のイリヤマ先生やライセン先生。
Dの星の月見エビバーガーオーロラソース社は、
周りの星々の、その観点から見て、どう思われるでしょうか?
信用できますか? 信用できませんか?」
「できないね」
「仰る通りです、その通りですよスバル君!
問題行動造りを持ち込んでいったのは、あくまでも、Cの星のイリヤマ先生やライセン先生たち。
特殊詐欺などを受け負い、依頼する形で動いていたのは、Bの星のミシマさんやヨシュディアエさんたち。
職安は、そもそも特殊詐欺を請け負う様な所ではなく、請け負いも、ハッキングの依頼もするのは、御法度ですからね!
まぁ、厳重注意をし、減給処分ものの連帯責任の法的措置を取るべきでしょうね。
で、解雇処分は、確定事項でしょうね」
「……」
「ですが、星々を繋ぐような、星間での交易と摩擦では、その経済的観点では、それ以上で、
国民によるTV報道を通じて、全国民が目にすることになるので、
おおよその被害は、それ以上!!
経済貿易摩擦が起こり、ほとんどの人達が、そのDの星に、寄り付きにくくなるという、悪循環が生じてしまいます。
さて、この場合、どちらがその責任を取るべきなんでしょうか!?」
「それは、Aは考えられないから、逆転無罪だし……。
それ以外のBとCが、その責任の是非を問われるよね?」
「正解です」
「……」
「これは、星1つ単位で、決して、物事の道理を考えるのではなく、
プリズム視点とスペクトル視点を持って、全体の道理を考える必要がある、という事です。
勉強になりましたね? スバル君」
「うん」
とここで、エメラルティさんが、こう進言してきて。
「その通りよ! スバル君に、シャルロットさん!」
「!」「!」
「ヨーシキワーカさん曰く、職安や、その月見エビバーガーオーロラソース社の面子と建前を、立てない……といけない以上、
その掃除の点検個所20か所は、『教える必要があった』! という事よ!」
これには、シャルロットさんも、スバル君も。
「やはり……」
「つまり……」
「うん、そう、『1番堅実』で、『1番確実』だったのは、
職安の方から、『封書』を出してもらい、かつ『来所のハガキ』さえ、申請してくれれば……。
あの人ならば、それに素直に、答えていたと思うわ!
で、その昔の会社さんに謝りに行き、それを教えていた、と思うし……ね」
「……」「……」
「でも、そうは決して、事が上手くは運ばなかった……。
特殊詐欺連中は、言葉の端々で、
プログラム上のやり取りで言えば、AとBを橋を繋げていたのに、
そこに余計な、CDEの悪意のプログラムが介す事によって、裏口入金よろしく、不正にも、売り上げ支出が流れていくような、
プログラム改ざんをでっち上げようと目論んでいた訳よ!」
「あっ!」
「そっか! 『橋渡しの改ざんプログラム』なんだわこれ!?」
――そこに行きついたのは、他ならない、アユミちゃんだったわ。
すごいわ、よくぞその橋渡しの改ざんプログラムに気が付いたわね。
偉いえらい。
「――そう、その通りよ! スバル君にアユミちゃん!」
「……」
「横から、悪ガキ達が騒いできたものだから、ツギハギ、ツギハギになっていって、
身内関係を使って、調整調整を利かして、
自分達を上の方に立てて、ヨーシキワーカさんを、下に落とそうとしていた訳よ。
そうして、そのお金を少し恵んでとばかりに、こんな悪態のやり口なんかを、平気でその何年間も、やり続けていて、やり通していた訳よ!」
「なるほど、すぐにその、動かなければ……、『いずれはそうなっていた可能性も、視野に入れないといけません』ねぇ!?」
「あたしも、そう思うわ」
待つ事も、大事である、という事だった。
★彡
【ミシマさんに関わった年、3月下旬から4月上旬】
【ミシマさんに、その証拠の品と言える紙を、渡してはいけない、元々を正せば、それは、フルスさんのもの】
――私は、今日、この日も、職業安定所に訪れていた。
対応に当たっていたのは、当時の私の担当者ヨシュディアエさんだった。
『――ヨーシキワーカ君、前に見せた、ブロイラーの所の紙を、今持ってる!?
あっ、見せなくてもいいわ!!
急いでそれを閉まって!! 他の誰かに、その紙を見られちゃったら、非情にマズいから!!』
演技ぶるヨシュディアエさん。それはいきなりの反応だった。
『フゥ……危なかったわねェ……』
『……?』
(あの紙が何なんだ……?)
そこには、演技者のヨシュディアエさんが、いたものだった。
彼女は、こう語る。
『ヨーシキワーカ君、フルスさんの所で書いたその紙を、大っぴらに、他の人達に見せびらかしたりしちゃダメよ!?
それでヨーシキワーカ君の信頼が失っていくんだからね!!
ねっ!? わかるでしょ!?』
それの意味する処が。
『……』
『あんな事がすぐにあった後だから……ね!?』
『……』
ヨーシキワーカ(私)は、コクリ、と頷き得るのだった。
『よしっ! 後は、ミシマさんの所にその用紙を返さない(?)と!?
そうだわ! その紙は『元々』、『フルスさん』って言う人の『電気保安管理事務所』の所に置いてあった『白い用紙』なのよね!?
黙って、それを持ち出したようなものだから悪いから……。
ミシマさん『伝い(?)』にそれを、キチンと、それを返さないとダメよ!?
ここに、こう封筒の中に、その紙を入れちゃってね!?
後はそれを、自分は外に出て出かけているから、中にいる奥様にでも見せれば、
後は勝手にミシマさんが返ってきた後、わかってくれるはずだわ!?』
『……』
(あぁ、なるほどな……そうやって、ミシマさんにやられる訳か……。
裏で、糸を引いているのは、イリヤマ先生にライセン先生だな。
元々、その白い紙は、フルスさんのものなんだから、フルスさんに、直接返すのが筋なんだろうな……!
が、どうせ周りから、妨害に合い、それも阻められる。
さらに言えば、フルスさんの事務所・もしくは自宅にも、騒ぎが起こり、それも盗まれる線か……。
どちらにしろ、奪われれば、負け!
何も証拠が残っていない……からだ……。
相手の所に、この場合は、ミシマさんの所に渡れば、ゲームオーバ……。
なら、『コピーでも取るべき』だな!
1年間は、秘密の場所に移動して、それで隠してから、
その1年後に、自宅のどこかに隠しておけば、まぁ、大丈夫だろう!)
私が、そんな事を考えていると、ヨシュディアエさんから、こうした申し出が掛かってきて。
『後は、そのフルスさんっていう人の事務所のところに、『その顔を覗かせちゃ絶対にダメ』だからね!!
相手の人に、『なんだか余計な心配や不安事を与えてしまって』、
こっちとしても、あんな事があった後だからか、
またしても、あんな1週間みたいな事を起こって、また頭の中で、訳がわからなくなってしまうんだからね!?
後々、おいおい、困った感じに、またなってしまっても、こっちはもう知らないわよ!?』
『……』
(ハァ……それで困るのは、実は、ヨシュディアエさんとミシマさんではないだろうか!?
そうやって、今のうちに釘を差しておくわけか……。
一番嫌がる手は、そのフルスさんって言う人のところに会いに行って、その紙を、直接返しに行く事なんだけど……)
『……』
『……』
(この様子、何かあるな……。『位置情報ソリューション』か?)
【『位置情報ソリューション』】
【・NEC 位置情報分析ソリューション】
【Iot技術を利用して、人や物、オフィス環境などの情報をリアルタイムに可視化し、コミュニケーションの円滑化や業務効率化を支援します】
【・Canon RDID 位置情報ソリューション】
【RFIDリーダが自動的に人や物に取りつけたRFIDタグの情報を読み取り、位置をマッピングします】
【・TDKの屋内位置即位ソリューション、『VENUE』】
【GPS/GNSSの電波が届かない屋内の環境において、人や物の場所を正確に表示できます】
【・国際航業のPatt Plus】
【屋内外をシームレスに物や人の位置を高精度・リアルタイムで特定するセンシング技術と】
【パソコンやスマホ・タブレットでご利用頂けるWebアプリがセットになったクラウドサービスです】
【・日立ソリューションズのGeo Mation 屋内位置把握ソリューション】
【GPSの利用が難しい屋内や地下で、人や物の位置を低価格な機器&設備工事なしで、把握できます】
【この中では、もっとも導入がし易いでしょう】
【位置情報には、GPS、Wi-Fi、ビーコン、RFID、超音波、地磁気、UWB等があります】
【これが、ハッキング伝いの人を介して、上から特別に卸してもらった特殊なモニターなどを使って】
【私の位置情報が、赤い矢印として映っていた訳だ】
【もちろん、頭の上の人工衛星によるスターリンクや、国家機密物や、裏流通のもの、軍事産業のものもあるので、世界が敵に見えていた理由(わけ)だ】
【下手に、密会場所には、近寄れないわ……監視されまくり――】
『――後は、その紙を近くのコンビニなんかで、それは『何枚もコピー』を取ったりしちゃダメよ!?
周りの人達に、ヨーシキワーカ君が何だかおかしな人に思われちゃうんだからね?』
『……』
(コピーか……それぐらいなら、まぁ、大丈夫だろう。いくつか隠し持っておくか……。
いやぁ、ワザとコピーを取り、机の上にでも、取ってください、と言わんばかりに、置いといてやるか?
身内同士ならば、差し当たって問題ないだろう)
『……後は、そうねぇ……そうだわ!
この後で2人して、それを、『どこか遠くの山奥』の方に持っていて、『埋めて隠さない』!?
ミシマさんとか、誰もいない時を見計らってね!?
その手にスコップとか、その紙を入れる木箱なんかをこっそり持っていってね!?』
(あんた、何言ってんの……!? メチャ怪しい…)
「……」
「……」
睨み合いを続ける両者、ヨシュディアエさんとヨーシキワーカ。
この時、ヨーシキワーカは、心の内でこーゆう事を、その対処方法を考えていたものだった。
(……まぁ、そうだな……1人で隠しに行くなら、まぁいいとして、
山奥に行って、『スコップ』と『木箱』と、後は『備長炭』と『レジ袋等』で、『厳重に保管』でもしといてやるか……)
だが、そうはさせじと、ヨシュディアエさんは、こんな事を言ってきたものだった。
『それか……うん……。
今日の晩御飯の夜、家族みんなが揃ってるときに、
その灰皿の上で、その紙に火をつけて、燃やしちゃうとかは!?
それぐらいでなら、いくらかはミシマさんも大丈夫でしょう!?』
『……』
(いや、あんな紙1つ、何なの!? 掃除の点検個所ですよ?)
☆彡
――過去から現在に返り、エメラルティさんはこう語る。
「――その日のうちに、ヨーシキワーカさんは1人で動いてね。コピーを取ってたそうよ」
「コピー取ってたんだ……」
「ええ、しかもそれを、机の上に堂々と何枚も置いていたらしいわ。
どうぞ、取ってください、と言わんばかりにね……」
★彡
【ミシマさんに関わった年、3月】
【(続)ミシマさんに、その証拠の品と言える紙を、返してはいけない、元々は、フルスさんのもの】
――その後、私は、近くのコンビニで、その紙のコピーを取り、堂々とマウスの上に置いたのだった。これを目撃したうちの弟は。
『――あれ何だこれ!? 何でこんなにあるんだ!?』
と訝しげんだものだ。
『フッ……』
――さらに、夕飯を食べ終わった後でも、私がちっとも、その紙を燃やす素振りは微塵もなかった事から、
『――あれ? 聞いてなかったのかなお兄ちゃん!? 何かあの女の人が言っていたように、怪しい感じがないぞ……どうなってんだこれ!?』
パクパク、モグモグ
『……』
と完全に私の弟は、騙されていた事になる。
私は、母の手料理に舌鼓を打っていたものだった。
まぁ、無視を決め込んでいたものである。
相手の嫌がらせが、落ち着くその日まで。
☆彡
――過去から現在に返り、エメラルティさんは、こう語る。
「――ヨーシキワーカさんが、仰られるには、
騙し屋のミシマさん、イリヤマ先生やライセン先生の策略で、相中にヨシュディアエさんを入れることによって、
好意的な関係と誤認!?
高嶺の花と勘違いしたものだったから、弟君にとっては、お兄さんの勝負の大一番だから、その恋愛関係を成就させようと動いていたものらしいわ。
……けどね、傍目から見れば、そんな女は幾らか怪しいもので……あり、
言葉巧みに、弟君は騙されたまま、闇子同然として、遣わされていたものだったらしいわ」
「……」
「ヨーシキワーカさんを推しても、ヨシュディアエさんを通して、いくらかその怪しくも思えてきて……。
1人で、その『ブロイラーの紙の原本』を隠したそうよ。
危険なのは、ミシマさんを通して、1年間限りだけ。
つまり、その1年間の間、その原本を隠し通すことができれば、ヨーシキワーカさんの勝ちだった訳よ。
それから1年後、ヨーシキワーカさんは、隠していた原本を、家のどこかに隠し直した訳よ」
「……」
『ここなら、大丈夫そうかな?』
――隠し直したのは、砥石の下……だったという。
「――その後、領収書が見つかった年、2月か3月ぐらいの寒い時期、
再び、住居不法侵入してきたミシマさんに見つかり、証拠の品を抑えたとして、
その急み足で、職安の方に向かい、盛大にバカをみたらしいわ。
そこにいたのは、待ち構えていた職安の人達。
どうやら、それを持ち込んできたのは、ミシマさん本人ではなくて、その長男君の方だったらしいわ……。
人の噂話を、聞いていけばね……」
これには、アヤネさんも、アユミちゃんも、スバル君も。
「ミシマさんだけじゃなくて、『長男君』も、人ん家に黙って、『住居不法侵入するような悪い子』だった訳か……」
「最低ね、その子……」
「うん……」
「だいたい、昔から、悪い子みたいでね。『高校生の時』に、『耳にピアス』を付けていた子で、
お父さんのミシマさんの後ろに付いていって、夜に帰ってくるのが、どうやら遅い子だったそうよ。
これには、ヨシュディアエさんも黙認していて、
『お父さんのミシマさんと同じく』
『その息子君もどうやら、いくらかその頭が悪そうな連中と、つるんで回り、夜の街や、夜の繁華街などを出歩いた感じながら』
『闊歩した勢いで、どうやら、その悪どい連中といくらかつるんでいたらしいの……』」
これには、少年少女達も、驚くものだった。
「なっ!?」
「耳にピアス、高校生の時に既に……!?」
コクリ
と頷き得るエメラルティさん。
「そうした中で、ふとした拍子に、こんな疑問の声が挙がる!
『どうすれば楽にお金が手に入るのか!?』
――と、そして、その頃、TV報道を通じて、特殊詐欺被害などが挙げられていた。
身内関係グループの中で、人の噂話を取り次いでいきながら、ふとした拍子に、そーゆうトカゲの尾を踏んでしまう。
ふとした拍子に、公衆電話などを使えば、そうした足取りなんかが、追えないような事を察してしまう。
ふとした拍子に、犯人連中たちは、人の伝手、取り次いで周っていきながらすれば、そうした自分達の足取りなんかを、足跡なんかを追えなくなってしまう事がわかってしまった。
ふとした拍子に、国会議員の裏金疑惑などが挙がっていて、自分の知り合いに、職安のヨシュディアエさんがいた事を思い出し、
それを、知り合い関係に仄めかしてしまった……」
とこれには、聡いアヤネさんも、ミノルさんも。
「そうやって、段々と必要な条件が、カードが揃っていってしまったわけね」
「ああ……」
何か、目に浮かぶようだ。
「ええ、同じ工業高等学校在学中の、電気屋仲間繋がりでね……」
「……工業高等学校在学中の時、同じ電気屋仲間繋がり……」
「そして、ふとした拍子に、お父さんのミシマさんに付いていきながら、
そうした仕事先や、身内仲間関係繋がりで、犯人探しゲームや、どうしようもない問題の経緯を、その耳にしてしまっていたの。
そして、そこには、必要な機材が揃っていて、ピアコムや、位置情報システムや、ハッキング等のおおまかな必要なものが揃っていた」
「……で、ちょっとだけ、そのやってみたいと思った訳か?」
「ええ、確証はないけど恐らくね……」
「……」
「続けて」
「うん。周りからも、ふとした拍子に唆し合って、みんな、その一蓮托生みたいなもんだから、
軽はずみな行動で、その半分面白がって、ついついやってしまっていた……。
その目的のほとんどが、お前の問題に見せかけながら、
ふとした拍子に、誰かが、他人の住居内に、住居不法侵入したあげく、
そこで、未来の街創造館よろしく、『土地の権利書』や『担保』等を頂戴していたそうよ。
後々、いい金になるからね」
「え……」
「マジぃ……」
「お前の問題だろ!? で、公衆電話や、ハッキングなどで取り次いで周っていた赤の他人の電話番号などを介しつつ、
いったい誰が犯人なのかわからないようにしつつ、
そうした足跡なんかを追えないようにして、逐一揉み消して回っていた。
偽電話詐欺で、変声器などを使い、身代金要求をしつつ、
コピーを取り、公認の印を押しつつ、横流しすることもできる……。
だから、お金目当てだったそうよ。
その土地を安く買い叩いて、いい金の手取りになっていくからね。
もちろん、たった1人ではできない事だから、知り合い関係を取り次いで周って、
いくらか口を噤んで回るような、悪のグループの1人だったってだけよ?
だから、そんなやり方を知っていたからこそ、こんなあくどい事を、平気で、2,3年間以上続けていく事が、その悪の内情が見え隠れしていた訳よ」
「……」
「お父さんのミシマさんをお手本にしつつ、
その悪の片棒を担いでいたヨシュディアエさんを、強力な後ろ盾にしつつ、隠れ蓑の中で、コッソリと隠れて、そんな事をしでかしていたような、
知られざる、特殊詐欺グループ関係が、その身内内に、ひっそりと隠れ忍んでいただけよ。
次の悪の芽が、育とうとしていたって訳。
その責任を取る事になるのは、お父さんのミシマさんになるし、
何なら、そのお父さんのお爺ちゃんなんかは、孫に甘い子だからね……。
そうやって、知られざる中、育って行った訳よ」
☆彡
――過去から現在に返り、エメラルティさんは、こう語る。
「――話を戻すわ。
ヨシュディアエさん通して、ヨーシキワーカさんに対し、昔の会社の内情の事や、ここ最近の出来事。
そう、どうしようもない問題の渦中における出来事なんかを、そのノートなんかにいくらか書くよう、言っていた節があっていたのよ。
実は、ここには、裏の狙いがあってね。
証拠を揉み消していくためには、どうすれば良いか!?
自分達のその手を汚さず、できれば、そのヨーシキワーカさんを、おかしくなった様にさせて、発狂させたがっていた訳よ。
傍目から見れば、そのヨーシキワーカさんが、おかしい、とさせてね。
それが、裏の狙いだった……。
そう、その家族内に、とんでもない火種を残すような、出来事なんかを持ち込もうとしていた線があっていた訳。
いわゆる、敵を騙すためには、まず味方から、というものよ――」
★彡
【騙されたまま、兄貴の持ち物を、勝手に物色する弟】
――ヨーシキワーカは、家族団らんの場にいて、座敷みたいな次の間にいた弟君は、
幾つもの置かれた段ボールの中から、そこに収められていたいくつものノートを手に取るものだった。
「……」
(何で、こんな段ボールの中(ところ)にこんなものが入っているんだ……!?)
【――それは、前日、ヨーシキワーカが父から言われていたものであり、
その父を通して、誰かが、そこに置くように、事前に前もって、誘導されて扇動されて、置いてあったものである……可能性があるのである】
(まぁ、何でもいいか……!)
兄貴の持ち物の中から、ノートを手に取る弟。怪しくも、こう声を上げるものだった。
『あれ――ッ!? こんなに書いてある!? へぇ~……これをあの会社の方に持っていけば……!?』
ピキッ
『……』
人知れず怒っていたヨーシキワーカが、そこにいたのだった。
その後、私の弟は、私のノートからコピーを取り、勝手に昔の会社へ持ち込むのだった。
ここに関わってくるのが、ヨシュディアエさんとミシマさんの傀儡の案内の手引きだ。
目的は、情報とお金の対等対価だった。
だが、よくよく考えてみれば、それは掃除の場所と技術的なものである。
そこには、反感の思いのヨーシキワーカがいたのだった。
☆彡
過去から現在に返り、エメラルティさんは、こう語る。
「――あの弟君はねぇ、この時、騙されたまま、お兄さんの持ち物を、勝手に物色して、コピーしてから持ち込んでいた訳よ。
先に手柄を挙げた方が、勝ち、という先入観に囚われてね!?」
「先に手柄を挙げた方の勝ち……!?」
「そうやって、周りから評価を得る、という訳よ!」
「なるほど……」
「で、反対にヨーシキワーカさんには、何の応対も、連絡もなしで、無視を決め込んでいたものだったそうよ。
こーゆう事が度重なっていけば、目に見えた形で、そのおかしくもなっていたのは、
ヨーシキワーカさんになっていたんだからね」
「何が何でも、ヨーシキワーカさんが、おかしい、として発狂させたがっていた訳か……」
「できる弟君を囲んで、わいのわいの騒いで、人を持ち上げる様な会話をしつつ、
その裏で、ヨーシキワーカさんには、ヒソヒソ話なんて言っていれば……。
段々とささくれてきて、慌てて騒いで、取り乱していって、豹変したみたいに、おかしくもなっていくからね……。
……そうなってしまえば、もうこっちのもの。
職安のヨシュディアエさんを通して、正式に人を蹴落とす感じで、昔の会社さんや、どこか低い所に案内する事だってできる!!
これが、真の狙い……だったわけよ」
「……」
それが、ヨシュディアエさんの本性である。
そうして、段々と、証拠を揉み消しやすく、する事ができるのである
「――でも、そうはならなかった……」
とこれには、聡いアヤネさんも。
「途中で、その酷いやり方に、勘づいてしまったから?」
「ええ、ヨーシキワーカさん曰く、『初めから掃除ですよ』と意味深にも、繋がるような話に持っていきたかったからよ」
★彡
【ミシマさんに関わった年、5月から6月】
【職業訓練校のキムラ先生に、『パイレン・パスカル・クリーンアップ』とか『アトミック・クーロン・クリーンアップ』を見せたもの】
【『水圧試験のマニュアルペーパー作りの作成』なんかは、キムラ先生からの教えだった】
――その日、ヨーシキワーカは、職業訓練校に訪れていたものだった。
そこで出会ったのは、キムラ先生だった。
うろ覚え程度で、あんまり覚えていないが、だいたいがこんなものだった。
『――あれ? ヨーシキワーカさん,どうしたんですか!?』
【――ヨーシキワーカの相談事に乗ってくれたのは、電気設備技術科のキムラ先生だった】
【ヨーシキワーカは、その人に、手書きのノートを見せて】
【そこには、『パイレン・パスカル・クリーンアップ』とか『アトミック・クーロン・クリーンアップ』とかの掃除方法を記載されていたものだった】
『――へぇ~……。今でもその、お家の方で自宅の方で、キチンと勉強をされていたんですね?』
『……はい』
コクリ
と頷き得るヨーシキワーカがいたものだった。
『うう~ん……そうだなぁ……。
そうですねぇ……、ここで1つ、アドバイスを指してあげるならば……!?』
『……!』
【それは、耳より情報なものだった】
『このアトミック・クーロン・クリーンアップなんかは、その俺のここの教職員としての立場から見れば、
一度、配管の中を水浸しにしてから、微弱な電流を送ってやり、
配管の中のスケールを浮かしてから取るような、技術なんかに似ていますね?』
『……!』
【――それは、以前、誰かが既に通った事のある道だった。だが……】
『いや――凄いですね。これをヨーシキワーカさん1人で!?』
『うん……』
『なるほど……そうだったんですね……。
いやぁおかしいなぁと思ったんですよ……。
ここから、その出されるような課題の中には、この方法なんかがなくて……ですね』
『……』
ない。
『以前から、その方法なんかが、どこかであるなぁ……と思ってたんですよねぇ!?
いやぁ、すごいなぁ……1人でこの方法に辿り着けるだなんて!?』
『……』
1人で辿り着いた。
いや、違う、掃除の方法だったんだと、その気づいてほしくて、それを書いたんだ。
『う~ん……そうだなぁ……。これと似た所で、どこかのウェーブグローバルで、それをチラッとみたな!』
『!』
『ここに1つ、アドバイスをしてあげて、その1つ付け加えて差し上げるならば、
ここに、その『水圧試験のマニュアルペーパー作りの作成』なんかを、推して挙げますよ!』
☆彡
――過去から現在に返り、エメラルティさんは、こう語る。
「――そのキムラ先生を通して、『水圧試験のマニュアルペーパー作りの作成』をした方が、そのよろしいんじゃないかと言われた事が会ってたそうよ」
「へぇ~」
「そして、この時に、キムラ先生は、こんな『意味深な言葉』を残していたそうよ。
これは、もしかしたら、『特許申請』になるんじゃないかと……!?」
「特許申請……!?」
「いくらか、金になる……っという事よ!」
「掃除でも?」
「そうよーっ! 箒や塵取りや、高圧洗浄機なんかも立派な『商品登録商法』されてるでしょ!?
あれは、『特許商法』に基づくものであり、
最初の開発者さんなんかは、特許庁に申請することで、
向こう50年間の間は、手元にお金が転がり込んでくる、流れになっているからよ!」
「へぇ~」
「そして、そのキムラ先生は、同じ職業訓練校の中にいたから、その話が――イリヤマ先生とライセン先生の2人のどちらかの耳に入り、
いくらか、そうしたお金になるんじゃないかと思い、
また、弟さんを遣わせて、お兄さんの持ち物を、また、物色して、コピー物を持ち込んでいた訳よ。
さあ、この場合!? 先に特許商法に基づいて、お金になるのは、いったい、誰、なのでしょうか!?」
う~ん……
とここで、一同、その頭をひねるものだったわ。
フフフ、頑張ってね。
とここで、アユミちゃんが、スバル君が。
「お兄さんはないね……」
「うん……」
そして、秀才アユミちゃんが、こう考えたものだったわ。
「じゃあ、考えられるのは、イリヤマ先生、ライセン先生、ミシマさん、ヨシュディアエさん、そして、弟君じゃない?」
「正解!」
あぁ、やっぱりね……。
とそれは、わかっていた事でもあった……。
「ハッキリ言って、騙された方が悪いのよ!! 騙す方が1番悪くても、騙されていた方も悪いの!!」
プンプン
とエメラルティさんは、怒っていたものだった。
彼女は、こう告げる。
「アイデアなんて、そんなにすぐ、ポンポンと出ないものよ?
つまり、最終的に、騙されるようにして裏切られていき、
あの弟君なんかも騙されていたんだから、お兄さんの特許物なんかを持ち去られたまま、職業訓練校のものになる訳よ!?
……初めから、そうなるとわかっていたような流れだった訳よ!」
「……」
そうなって、当たり前であった。
つまり、あの弟君は、そこまで先読みできないというものだった……。
最後に笑ったのは、職業訓練校の中の、悪い一部の人達講師陣なのであった……。
★彡
【職業訓練校時代、10月】
【横からハッキングをして、盗作物の特許】
――ドクターイリヤマは、直接、設備管理科に着てこう語る。
『あーっお前等、良く聞けーっ!』
『!』
『!』
それは、いきなりの課外授業だった。
『実はな、俺が前に受け持っていた生徒さんの1人がいて、その生徒さんが本校を出て行った先で、特許を取得したんだ!!
もちろん、その子1人の力だけじゃなく、
その『会社の中の身内の周りの中で取得した』得難いものなんだ!!』
『特許だってよ! スゲーーッ!』
『誰なんだろうな!?』
『さあ、誰なんだろうな!?』
『ここを出ていった人か……スゲェな!』
『そんな人がいるんだ……!?』
とここで、コバヤシさんが。
『その人は先生が、前に受け持っていた教え子さんなんですか!?』
と尋ねると。
『あぁ、そうだな! 俺が受け持った生徒達は、何人もいるが……。際立った才能を持った生徒達は数えるほどしかない……俺の自慢だ!』
『俺達もなれるかな?』
『フフッ、だったら今よりも、もっと勉強に打ち込まないとな。今のままじゃ、ここを出て行った後、相当厳しいぞ!?』
『……』
『……俺はこれから、『その生徒さんに代わって(?)』『この特許を出願してくる』! お前達はここでおとなしくしているんだぞ!』
『……は~い……』
『……おっそうだ! 将来、お前達もそうなって、俺を喜ばせてくれよ!』
『……』
そして、出て行った先の事だった。
ドクターイリヤマが、廊下にいて、設備管理科の2人の生徒が駆け寄っていたんだ。
『あのイリヤマ先生』
『何だァ!? お前達は!?』
『さっきの特許の話って、どーゆう事なんですか!?』
『何だそんな事か……』
『普通じゃ、絶対に盗れませんよね!? いったいどうやったんですか!?』
『そんな事か……そんなもん、自分達でそれで良く調べてみろ!!』
『……』『……』
『その生徒さんも、俺が出てきたら、『それぐらいでいい(?)』って言ってたしな! 向こうの会社の人もな』
【――その言葉には、1つ語弊があったという】
【普通、会社の中で、商標登録に基ずくものは、秘密裏に極秘裏に勧めるものである】
【つまり、普通は、バレない】
【しかも、ここで、なぜか、横やりな感じで、ハーバード大学姉妹校の職業訓練校、ドクターイリヤマが、なぜか、自慢気に謡うものだった】
【それは、『完全に盗作物』だった……】
☆彡
――過去から現在に返り、アユミちゃんが、それに逸早く勘づいたものだった。
「――あれ!? これって盗作じゃない!?」
そして、アヤネさんが、スバル君が、ミノルさんが、続々とその声を上げるものだった。
「何で、学校の先生が、その会社の中で頑張って取ったものなのに、その先生が特許申請するのよ!」
「まさか、それって……」
「あぁ、ハッキングして横から盗ったものだろうな!」
その真実の事実に、行き着くのだった。
それに対して、エメラルティさんは、こう語ろうとしていて、
その時、サファイアリーさんが、代わりに告げるものだった。
「あの学校にはね……」
「ちょいまち、エメラルティ」
「!」
「その話の続きは、あたしが言うわ」
「……」
「もしも、この話がバレた時、その後、あなたは、まだ必要とされてる娘だからね」
「……お姉ちゃん……」
★
【職業訓練校7月】
【今も本校で人知れず眠っている特許】
――ドクターイリヤマは、こう語るのだった。
『あー今、全国各地にある本校を拠点にして、誠に心苦しい限りだが……。
未だ使い道のわからない『特許申請願書』が多数寄せられてきている?!
それは、志半ばで折れていった、そうした生徒さん達からの夢の名残だ! 潰えていったな……!
どの全国各地からも、そうした応援のメッセージが集まり、『この懐暖かく』、寄せられてきたものなのだ。
痛く感みいる!』
続いて、ドクターライセンが。
『この本校には、未だ使い道のよくわからない、そうした『特許申請の話』があって、今もひっそりとこの本校のどこかで、眠っているのです。
その『元の持ち主さん達の手を離れてしまった』ね……。
それでいくらかは、本校の間でも、どうにかして差し上げようと、
このままではもったいないでしょうから、どの教師さん達の間にとってもどうにか奮い立ち、
この本校を『間に通して』、周りの会社間との間で、役立てさせてもらっているわけです。
その元の持ち主さんには、誠に申し訳ない限りなんですがね……『志半ばで強引に奪われてしまって』いて……!?』
フンッ
【――とそこには、鼻息を鳴らすドクターイリヤマの姿があったのだった】
【完全に、それは、著作権侵害ものの盗作物である】
☆彡
――過去から現在に返り、サファイアリーさんは、こう啖呵を切るものだった
「――ヨーシキワーカさんも、その話を聴いていて、初見では、あれ何かおかしいぞ……!? と思っていたらしいわ」
そこへ、アヤネさんが。
「つまり、『本人の許諾なく』、『半ば強引に奪われてしまった』訳ね!
その会社の旧パソコンや、ホログラム映像出力装置付きマウスから、
その職員さんのITアドレス番号か、何かを使って!?
盗作物ものの犯罪だわ……これ!?」
それに対して、サファイアリーさんは、こう切り返して。
「ええそうよ……!」
彼女は落ち込み加減から、段々とその顔を上げていき、こう言わしめるものだった。
「……ヨーシキワーカさんも、身に覚えがある事で、なんだか不思議で不自然だったから……、
掃除の特許の話を急に考え付いてしまった訳よ!」
「「「「「そ、掃除!?」」」」」
「うん、掃除!
『パイレン・パスカル・クリーンアップ』と『アトミック・クーロン・クリーンアップ』ね! どちらも掃除よ!」
「ハァ……なんともしょうもない……」
これには、ガッカリ加減の王女様がいたのだった……。
だが、この時は気づかない、これの有用性を。
この時、妙に勘が働いていた人がいて、それは、シャルロットさんだった。
(妙に、勘の起点が効く方ですね……)
彼女が、ふとそんな疑問を抱いている中、
サファイアリーさんは、こう語っていたものだった。
「『パイレン・パスカル・クリーンアップ』は、配管内に水をため、耐圧試験を通しつつ、バルブを閉めたり緩めたり繰り返してする、管内の掃除の仕方。
『『アトミック・クーロン・クリーンアップ』は、微弱な電気を通すことで、配管・タンク、貯水槽などで有効で、窯泥の除去ができる。
下手に大きな力は、会社の機械を、いつか壊してしまうからね。
人の手が、届き難いところで有効な手段よ」
とここで、ミノルさんが、こう進言してきて。
「――フムゥ……。どうにも懐疑的だな?!」
「あの、懐疑的とは……?」
「うむ、そのドクターイリヤマを怒らせて、そうした犯罪行為に進ませた要因だ!! ……動機はそもそも何なのですか!?」
「あぁ、動機ね、簡単よそんな事は――」
★彡
【職業訓練校時代、7月か8月】
【そもそもの動機!?】
【給水配管の時の授業風景、教科書などの書物を、30ページ分ほど飛ばし飛ばししていき、大事な要点だけを見せる自慢気の先生】
それは、ドクターイリヤマ氏が、受け持っていた給水配管の時の授業風景だった。
『――であるかして、よしっ、ここ等辺で、30ページ先の187ページぐらいのものを開け。そこに書いてあるものが重要だ。
他のもんを、ズラズラと並びたてて見るよりも、大事な所だけのものを見た方が、俄然いいからな!
そんなものは、後でお前達で、調べておけ!!』
☆彡
――過去から現在に返り、サファイアリーさんは、こう語る。
「――イリヤマ先生の授業はね。『飛ばし飛ばしで早い事で有名』なのよ! 30ページ分は、楽に飛ばしていて……。
飛ばした先は、後で自分達が、自宅にでも帰った時にでも、見ろ、というものだったの。
ここ等辺は、『ミシマさんと反りが合う』かしらね!?」
とこれには、ミノルさんも、アユミちゃんも。
「なるほど……」
「それは何で!?」
「経験者か否かよ!?
ミシマさんみたいな会社の人達は、即戦力重視を考えていて、招き入れたいもの。
だから……。
『急げー急げー! 現場は待ってくれないぞー!』
『急げー急げー! 他のみんなはお前より先に進んでるぞー! お前は他の奴等より遅れが出ているぐらいなんだぞー! 急げー急げー!』
『こっちの現場は待ってくれないぞー! 急げー急げー!』
『お前1人のせいで、全体に遅れが生じているんだぞー! 工期は間に合わせないといけないよな!? だから、急げー急げー! とても間に合わなくなるぞ!?』
――と! 急げー急げーが口癖の人よ?
これに似たような話でね……。
設備管理課の中で、1人だけ、よく度々休んでいた子がいてね……。
その子が、出てくる度に、こう言っていたそうよ。
自分で、蹴落としておきながらね……。
『ここの授業は速い事で、他の周りの会社と比べてみても、その有名なんだからな!!』
『これはお前のせいの落ち度ものの責任なんだからな!!』
『俺がそこに立って、見ててやるから』
『お前は、一から、逐一その場から動かずに、今からその大急ぎで、組み立てて行けよ!!』
『休むことも許さん!!』
『おいっ、そこに自販機で買ってきたペットボトル持ってきて、汗だくになって働くまで許さんかんな!!』
『おいっ、途中で音を上げて、トイレに振りをして、逃げるなよ!!』
『俺は、ここに立っていて、お前のその行動如何を見ているんだからな!!』
『俺のこの口伝いで、お前のあの会社や、周りの方々の会社にも取り次いでいって周る事も、その簡単な方で、できない事もないんだからな!!』
『わかってかお前!! あ――ッ!! わかったら返事してみろ!!』
『……ッ』
――と脅してたそうよ。
だいたい、そんな感じだったらしいわ……。まぁ、昔からいわゆる人の、建設現場の現場責任者みたいな、気質の人だからね……」
「……」
唖然……
一同、これには、言葉をなくす。
サファイアリーさんは、こう言わしめるものだった。
「……まぁ、良くある話よ……ハハハ……」
「……」
もう空笑いである。
現実的に言って、職業訓練校の中に、そーゆう教職員の方も、在籍していた、という事である。
なお、現在は、地球が凍りつけになっているので、生死は、死亡となっている……。
クリスティ相手に、強姦を働いていた、ものであった。
しかも、その過去にも、女性層の被害者達も、いたという。
「後は、そのユニットプログラムに基ずいた授業の時、
1日、6時限の授業があっていて、
他の先生方は、3日間ほど、教鞭を取るのに対して、あの人は……。
その日、一日、一時限の授業を済ませて、二時限目から、配管の組み立て授業だったらしいわ。
しかも! どの、他の教職員のと違っていて、配管の授業多めの、ペース配分だったの。
で、どの先生方を推してみても、何だかそのおかしいなぁ、と常々思っていたらしいわよ。
……まぁ、自分色に染めたかった……といったところでしょうね」
「配管の授業、多め、だったんですね?」
「ええ、そうよ。で、本校の方から、お褒めの言葉を頂いて、自分の受け持っていた授業は、その早いものだから、
他の周りのどの先生方を、被験しても、その素晴らしいものだ。
とお褒めの賛辞の言葉を、承っていたらしいわ!
自慢気に、そう話していたらしいからね!」
「なるほど……ペース配分がやたらと早く、2時限目から既に……。自慢家……か?」
「後は、配管のJWCADによる授業の時、
たった、たった2枚だけの紙を寄こして、それで組み立てろ、というものだったの」
「2、2枚の紙だけ……ッ!?」
「ええ、建築図による、施工図の配管のJWCADね。
それで、習う子は、30人ほどと多く、
それを前もって知っている子は、せいぜい3から5人程度だったの。
で、わかんない子が、やたらと多くてね。
正直に言うと、何もついていけてなかったらしいわ……」
「でしょうね……」
「でも、そんな中でもね。
どうだ!? 俺のやり方は上手いと、周りの方でも評判になってて、凄いもんだろお前達!!
……で、その先生に反論できないものだから、やる気をなくした生徒さん達が多く、
渋々とそのモニター画面と睨めっこしながら、JWCADを通して組み立てていたらしいわ。
でも、どの子も、その正直に言うと……できなくてね……。
遅々として、進んでなかったの……厳密には……」
「あぁ、目に浮かぶようだ……」
「ねぇ……」
「で、イライラ加減のイリヤマ先生がそこにいて、
何でお前達、そんな簡単な事すら、できないんだ!?
こんな事社会に出たら、できないといけないんだぞ!!
と内心怒っていて、チッ、という舌打ちまで聞こえてきて、
そうした子達の、ポイント稼ぎ、目的で……、自分で代わりに操作して、クリアした事になっているの……」
「……」
「だから、どの教職員による評価でも、Aといういい評価で、出来のいい生徒さんと、太鼓判を押していた訳よ。
だから、本校からは、優秀な講師として雇わられていた訳よ。
まぁ、やたらと問題行動の多い先生でも、有名だったわけよ」
「なるほど……それが、『動機』ですか……ハァ……」
「なるほど、それを修了した本校の生徒さん達がいて、周りの会社の人達や職安の人達に話して、反感の意を買ってしまい……。
ああ……呆れるしかないわね……」
「だな……」
そこには、呆れ加減の恵夫妻がいたという。
サファイアリーさんは、こう語る。
「人の就職の話を落としたのは、ヨーシキワーカさんだけで、3年間以上!!
職業訓練校に在籍していたのは、半年間の間だけ。
その中でも、イリヤマ先生が受け持っていた授業は、通算すれば、おおよそ2か月間……。
さらに言えば、偽詐欺電話などで介し回ってから、蹴落としてきた回数は、20回を超えて、30回に届くものだったそうよ」
「……」
「要は、そーゆう先生に当たっていた訳よ……。ハァ……」
ハァ……
ともうため息をつくしかない……。
「これは、現実的に、リアルティに起こった事なんでしょうね……」
「だから、そう言っているでしょ?」
「……」
――とここで、珍しくも、シャルロットさんとアンドロメダ王女様が、こう言ってきて。
「へぇ~……どーゆうところで、その、有効なんでしょうかねぇ?」
「掃除か、人の動きか……そこにいた各星人達がどのように思うか……か!? まぁ、最初等辺は、何事も掃除から始めるべきじゃろうな」
コクリ
と頷き得るシャルロットさんがいたのだった。
アンドロメダ王女様は、こう言わしめる。
「でないと、仕事にもならんわ!」
「ですね……。そのイリヤマ先生は、頭が固い、だけ……。人として、怒鳴り立てるだけ、でしょうねぇ……。
よくそんな人に、人が付いていったものですね?」
「実力があるからよ? 『能力重視の教職員でも有名な人』だからね……。
しかも、自分が認めた子ぐらいにしか、『免許を持たせない先生』でも有名だからね。
だから、人を平気で陥れていた訳よ……。
まぁ、その人とは縁を切っていて、完全離反を決め込んだ跡、何だけどね……」
とここで、アユミちゃんから。
「でもさぁ、一般的にはどうやっって、その特許申請できるの?
フツーは、その人の勤めている会社が、その人に代わって申請するものだよね? ご本人同伴で!!」
そこには、鋭い少女がいて、
アヤネさんも、納得の思いで、頷き返していたわ。
「うん、確かに……!!」
アユミちゃん、そこに勘ずくなんて、あなた、さすがね。
とそこへ、ミノルさんが。
「ああ、特許を申請するには、いくつかの手順があるんだぞ!」
「!」
「そうだな。少し、私から言いかな!?」
【特許申請】
「――特許申請とは、何かしらの特許権の取得を、特許庁に願い出る事を言うのだ。
特許権取得には、実にいくつものプロセス、道筋があるんだ!
順を追って話そうか!
1.本人から特許庁に、『特許出願』(弁護士が代理可能)。
2.特許庁が『方式審査』後、
3.出願時から1年6か月経過後『出願公開』。
4.封書が本人宛に届き、出願日から3年以内に、特許庁に『出願審査請求』。
5.『実態調査』。
6.『拒絶理由通知』。
7.封書が本人宛に届き、特許庁に『意見書・補正書提出』。
8.『特許査定・または拒絶理由』。
9.本人宛に『特許料納付』が届き、そのままスムーズに進むのなら。
10.特許庁に『設定登録』と『特許公報発行』と進めばいいんだ!」
「お、お詳しいですね……」
「これでも元ホテルのオーナーだったからね。法にはいくつか伝手があるんだ!」
これには少年少女たちもビックリで、
「ほ~~」
と声を上げながら、関心の思いだった。
そこへ、彼の妻アヤネさんが。
「さすがねあなた!」
「フッ……お前ほどでもないさ!」
と認め合う夫婦。完全に2人の愛の世界と化す。
とそこへ、エメラルティさんが。
「そう、それがごく一般的なケース。
実際は、特許の元となるものが必要で、認められるのに10年はかかるケースもあるの……。
……安全性の確認のためにもね!?
もちろん、『種類によって、法的措置に則り、様々』だけど……!」
そう、あたしは付け加えたの。
「だから、ヨーシキワーカご本人様も、なぜかいきなり『特許』と言われ、その真偽に相当迷ったそうよ!?
ご自身は、何もしていないし……、周りから、いきなりなぜか、言われたものだからね!?
特許出願も何もしていないのに……、周りがそう勝手に騒いだの。
ホントに、迷惑ものだったそうだわ……!
変に騒ぎ立てて、何かしら無理やりにでも、結びつけようとしてきた悪い人達がいたのかしらね? ……クスッ」
☆彡
――過去から現在に返り、サファイアリーさんは、こう語る。
「――さて、付いでだから、これに、よく似たような、類似点のある話でね。
前にも言ったと思うけど……、こう言った出来事が、ヨーシキワーカさんの小学生時代でも、起こっていたそうなのよ!?
もう一度、振り返ってみましょうか? 深掘りした感じでね――」
☆彡
【ヨーシキワーカの小学生時代から、問題に見せかけた詐欺事件が起こっていた】
【その名を、犯人当てゲームという】
過去から現在に返り、エメラルティさんは、こう話す。
「――そのヨーシキワーカさんの話に付随して、こんな昔話があってね。
小学生時代の何気ない授業風景の時なんだけども……、
その学校の先生が、クラスのみんなに、こう言った事があったそうよ――」
『――誰だ? うちのクラスの中で、こんなに裏で騒ぎの問題を持ち込んでいた奴は……!?』
『?』
『……まぁ、言っても何もわからないか……。子でも、親のそうした怪しい動きまでは、なーんもわかんない時はあるからな!?
先生が聞いた話じゃ、『電気分野に詳しい人』や、『軍事分野に長けた人』が、『電気無線情報』を持っていて、
そうした『機材』を、バレないように、『家の中に持ち込んでいる人もいる』って……!」
『……』
『誰なんだーいったい!? このクラスの中にそうした人がいるかもしれない奴って……!?
今もそいつは、会社の方から休みをもらって、今もこうして家にいながら、『網を張ってる』奴って!?
どこかでそうやって、家から、また隣の家へ電話を飛ばして、今もまた、横で飛ばしていた電話回線を、『無線傍受』してて、
ニヤリとほくそ笑んでいる奴は!? それをキャッチして、誰かそうした知り合いの人に回してたそうだな!? ……誰なんだそいつは!?」
『……?』
『まぁ、さすがに言っても出てこないか……こりゃ、うちの方で、そうした探りを入れてみる必要がありそうだな……』
『……?』
――で、また、何気ない従業風景が溶け込み、その先生が、窓に立った時だった。
『ハァ……さっき言った事だが……』
『?』
『親切にも、『先生達の方』に、『他所のクラス』やら『隣の校舎』の『誰かさん』から、教えてもらった事なんだ。
そうした特殊な機材の『入手経路』は、予めこっちの方でも掴めているんだぞ!? もう!』
『……』
『あの『山の上の方の工場』から、『持ち出されたもの』らしいな!? それも『特別製に取り降ろされたもの』……!
どういったものかは、こっちの方でもわからないが……どうせロクでもないものだ……。
そんな奴等の気は知れん……。
先生のクラスからは、そんな恥ずかしい奴は、この世の中には、出したくても出したくはない……!
そんな奴が見つかったら、先生の方から、取り次いで周って、警察に報せてやるからな!?
もうホントに、泣きついてきたって、先生達の方でも、どうにもならないからな……!?』
『……』
――そして、その従業風景の終わり際の出来事。
その先生に話しかけてきたのは、女子小学生の1人だった。
『――あの先生! あの話はどういった事なんですか!? ……ちょっとこっちの方でも気になってて、勉強に身が入らなくて……』
『……』
『……』
その女子小学生は、先生にそう問いかけはしたものの、しどろもどろで、良く隣の女の子と目配りしていた。
何なんだろうと思うヨーシキワーカ(俺)。
『……』
先生はこう語る。
『――ただの共食いだ』
『共食い……ですか?』
『あぁ、これは、先生達の方でも良くわからない話だが、試験的にそう言った事を、今試している『機関』があってな……』
『機関……?』
期間ではなく機関。だが、それは謎に包まられてる……。
『……』
コクリ
と頷き得る先生。
『うん……それが何なのかはわからない……。だが、ロクでもないものだ。いつ、誰の身でも、そうした事が起こる。それも突然、『前触れもなく』な……』
『……』
『恐い話だが……そうした『事件性を伺わせる』もののなかに、『真犯人』は、『居ない』か『見当たらない』ってゆーのにな』
『いない!?』
『あぁ……。それが何かはわからん……。そーゆう『仕掛け』か何か……? 『時限式』のものを『予め仕掛け』らていて……?
そこを上手く、話しを持ってきてたりするんだ!』
『……』
『それも、『話の合間』にな……。……さっき、先生が共食いの話をしただろ?』
『……』
コクリ
と頷き得る女子小学生。
『その2人は、何もこっちの方で悪い事はやっていない……。こっち方でそうして取り調べた限りではな』
『え、い……いない!?』
『あぁ……簡単な話だ。先生も横から聞いた話だが……。
その会社の上司か先輩から仕掛けたもので、そう言った悪ふざけを、こっちの奴等はクリアできずにいて、
こっちがやりましたとしてるんだ。それも周りからな……!? ……そしたらどうなる!?』
『あっ……よく、あってますね……。それもお昼休み中によく……』
チラッ
とその視線が、ヨーシキワーカ(俺)の方を見るのだった。
俺に注目を集めるなよ、お前等ッッ。
『ハァ……どこもそうしたもんだ。会社も、この小学校もな……』
『……』
『だから、何も関わらないようにして、放っとけ』
『放っとくんですか!?』
『あぁ、そうしたほとぼりが冷めるまで待てば……、あっちのそうした無理がたたってくる』
『……そうしたものなんですか?』
『……』
これには、言葉に詰まる先生がいたのだった……。
何かそうした視線を浴び、痛(いた)まれなさを感じる。
たまらず先生は、その立っていた姿勢から段々と落ち込みようになっていて。
『……?』
この勝負、少女の勝ちである。
だが、この世の中、そうそう上手くはいかないものだ。
それが権力であり、上からの圧力だ、横からの無理解の声だったりする。
弱いものは、例え知っていても、上の意見に中々逆らえないものだからだ。
それでも、先生は何とかして、このクラスにいたみんなに、こう諭すしかなかった
『……いやぁな、無理があるんだそもそも……それは先生だってな……!? 1人の人間だからな!?』
『……』
『あぁ、向こうの望んでる条件が、その共食い中の2人が上手く協力し合って、周りの仲間達と一致団結して、
こっちの方にそうした反旗を翻すことなんだ。
だが……そんな事、もうここまでやってしまった以上は、できやしない……んだ……ッ!』
『……』
『そんなんできる訳がないからな……! そも2人か、上司か先輩か、必ずどっちかが、この世界からのはみ出し者に陥るからな……!?』
『……』
『金だってもらってる大人の人達だって、中にはいる……! 汚い大人たちだ……それはお前達から見て……な』
『……』
『そーゆう人達は決まって、そのお金を包んでくれた人の意見に沿うものなんだ! 多数決だからな……この世の中……』
『……』
『そして……その責任や負い目を感じられずにはおれず、失ったものが多く、長年住み慣れたその土地や家を手放した人もいたり、
この学校から転向していった子も、向こうの方で何かがあっていたらしいんだ……。
あっちでも、そうした問題事が度々続いていて、もう何がなんなのか……!?
こっちの方でも、何があっていたのかいまいち把握しきれていない事が多々(まま)ある……。
みんなが知ってる人の中で、1人、その所在はもう知れない……』
『……』
★彡
【ヨーシキワーカの小学生時代】
【いい話に見せかけられても、その人に情報を持っていっても、結局はその人に奪われて、自分は2番か、それ以下である】
『――前に言った問題の話を覚えているか!? お前達――!!』
『……』
それは、教卓に立った男性の先生の一言から始まるものだった。
『前に言った話だが……『あれは嘘だった』からな!?』
『嘘――ッ!?』
ザワザワ
と教室が騒ぎだった。
それは犯人当てゲームというものだった。
『……まぁ、落ち着け。先ず先生の話は聞くんだ』
『……』
と先生がそう言った事で、場が静まりかえっていくのだった。
先生は、ひとしきり眺めて、こう言うのだった。
『よしっ! まぁ簡単に言えば、お前達がこの教室を出て、一人前の社会人だったとしようか!?
その時に、こういった問題が降りかかってくるんだ。
手柄を上げて、上に昇格していくためにもな!
……それはわかるよな!?』
ザワザワ
と生徒達がザワつきだすが、『何を!?』『当たり前の事!?』と返事が飛んできて、
そうやって場が、落ち着いていくのだった。
『うん……実に当たり前の事だな……!
だが、そうも上手くいかないのがあって、この世の中にはありふれているものなんだ。
先にその原因を見つけても、他の誰かがそれを見ているのかもしれない!
何かの折、そーゆう自分よりも目上の立場に付く人たちに、それとなく話すだろ!?
それが、目上を敬った立場から言えるものなんだ!』
『……』
『そーゆう人達がいて、また別の人達に話して、また周りの人達に告げてまわる。
そしたら、多数決の話になって、その話を持ち込んできたのが誰なのか!? って話になり、
周りに言いふらしたその人の手柄になる経緯(わけ)なんだな……これが!?』
ザワッ!?
驚天動地の思いだった。
『それが1番とか2番であるとかは、まるで関係ないんだ!
先に言ったもん勝ちだからな!
その人が、その会社の責任を預かる立場の人に話すだろ!?
そしたらもう、その人の手柄……になるわけなんだな――コレが!?
もう、その周りに報せて周っていたからさ。
その下のものが、『せっせとかき集めて教えていた』……っていうのに……。
いやぁーまいったまいった……完全にしてやられたのよ……。
この本校の前任が誰もが、その人に騙されてたわけなんだな……コレが!?
いやぁ、まいった……ほんとにまいっちまったよ……』
そこには、嘆く思いの先生がいたのだった。
俺達、生徒一同は、そんな見詰めていたんだ。
『……』
『……』
『つまり、先生が言いたい事はこうだ!
この世の中の中身は、『汚い』ってことさ!
ホントに頑張って、『せっせと集めていた』のは、『実はその人』なんだけどさ。
その手柄を横取りしていく人達がいるってことさ!」
その先生の、その手は、小刻みに震えていたんだった。
その先生は、その顔を上げてこう言う。
「その人は……あの後いったいどうなったのわからないが……。その下で一生親身になって、安月給で働かせているかどうかすらも……。
しかも、その行方はどこへいったのか……もうこちらでも、何も掴めていないんだ……。
あぁ、こんな形になってしまったからな……!?
悔しいよなぁ……騙されて……。それも周り中からな!? 信じていたのによ、卑怯にも……』
『……』
『……』
俺達生徒一同は、そんな先生の心の嘆きを聴いていたんだった。
★彡
【ヨーシキワーカの小学生時代】
【新たな、呼子たち】
それは、自分たち生徒一同が、プール沿いの道を歩いている時だった。
『――先生! あの話って、いったい何のことなんですか!?』
『――!?』
それは、団体行動から外れたものだった。
その先生の周りには、教えが3人集まっていたんだ。
それも、悪ガキの奴等が……。
『そうだなぁ……お前達は、秘密を守れるって……言えるか!?』
『はい!』
『言えます!』
『誓って誰にも言いません! だから安心して話してください先生!』
『そうだなぁ……わかった!』
『……』
その時、その道の途中で、俺の足が止まったんだ。
その先生は、こう話すのだった。
『うちのクラスの中にも、たま~にそーゆうやつがいるだろ!?
親の方が資産家であったりしてお金持ちだった場合の話だ!』
『何だ場合かぁ……』
『何だ詰まんねえの……』
『そんな奴、うちのクラスに中に1人もいねえよ!』
と不承不承の悪ガキ3人。
『まぁ黙って聞け! お前達!』
『……』
『いいか! そーゆう家庭に育った奴に限って、ヒドイ道楽息子であったりする場合もあるんだ!!
用は、そーゆう道楽息子を付け狙う訳だな!
周りから、問題に見せかけてな!』
『……』
『……』
(……俺には関係なさそうだな……行こっ……)
俺は、それだけ聞いて、その場から立ち去ろうとしていたんだ。
その時だった。
そいつ等繋がりの悪ガキがもう1人いて、そのグループの環の中に入って行ったのは、そいつは、バタバタと走って駆け寄っていったんだ。
『――今、何の話をしてたんだ!? 俺にも教えろよ!?』
フゥ……
と俺は、溜息をついて、聞き耳だけ立てていたんだ。
『いいか! 良ーく聞け!
ポイントはな! これを知ってる奴が『少ない方ができるだけいい』んだ!!
先生は、この学校の先生だろ!?』
『そりゃ……まぁ』
『そうだよな……』
『うん……』
『???』
『そこで、先生伝いから、また向こうの方の先生方と通じていって、そこで話し合いの環ができるんだ。
同じ、公共機関だからな!
その流れで、市の市役所職員さんや職業安定所の職員さん、消防も病院も警察も、なんなら自衛隊だってそうだ!
表の方には出回っていない、無線機器だって持っている人達だしな!』
『無線機器!?』
『それなら俺の父ちゃん持ってるぜ!』
『うちもー!』
『おっ! 何の仕事に着いているんだ!』
『確か、電気関係だったな!』
『うちは、建築関係だったな……よくわかんないけど』
『ほほぉ……あの無線機器を扱えるだなんて、お前等の父さんは中々優秀なんだなァ!?』
『『!』』
『『!?』』
『これからの世の中、酷い変革が襲ってくるからなァ……』
『変革!?』
『ああ、病院経営や不動産関係、つい最近じゃ、軒並み、バタバタと各銀行支店が潰れていってるだろ――!?
知らないかー……まだ、子供なんだしな!』
これには、先生も、後ろ頭をかいていたのだった。
『これから先、情報処理関係の仕事が、大きく幅寄せてくる!!
先生が聞いた話じゃ、上手くそれに仕込んで、何かを書かせこんでいたらしい。
こう、ずっと遠い方のお国らしいんだがな……。
『やられたからやり返した』ものであったらしい……。『それも知らない別の国』のな!?』
『く、国ィ~!?』
『ど、どこの国なんですか~ァ!?』
『な、何だってそんな事になるんだ!?』
『さあ?』
『先生も、そこら辺は、よーく詳しい事は、何も知らされていないから、詳しくはわかってないらしいんだ……。
それは向こうに見える本校の、どの先生達に尋ねても同じなんだぞ!? なーんも知らされていないからな!』
『『『『……』』』』
『……』
(国……? ……まぁ、俺には関係ないかな……?)
俺は、目的地に向かうために、その場を歩み去っていくのだった――
【――この時、ヨーシキワーカは、小学校高学年の時なので、おおよその年代測定は、2195年から2197年の事であり】
【その国の裏で、今太閤や影の総理と呼ばれる、竜馬死鳥の息が掛かり、蘇り、その陰で暗躍していたものだった――】
死の不死鳥が蘇らんとしていた。
☆彡
――過去から現在に返り、サファイアリーさんは、こう語る。
「――これは、実際に過去に起こった出来事で、ヨーシキワーカさんが、1人でせっせと作品を作り上げて、
途中までは、そう途中までは、良かったそうよ?
けどね、業を煮やした特殊詐欺連中がいて、
それが、依頼者の月見エビバーガーオーロラソース社であり、
請負元は職業安定所、職業訓練校、合同会社三電工だったというわ。
さらにそこから、職業安定所から依頼する形で、ハッキングができる優秀な人達、
設備管理、電気工事士、IT技術者、軍関係の人などに取り次いで周っていたそうよ?
そして、それができる、ハッキング伝いに横から盗み見るような卑怯者がいて、
偽詐欺電話などを介し回って、そこで騒ぎが起こっていたのよ。
で、いつも対応に出ていたのは、彼のお父さんとお母さんだったというわ」
「……」
「ヨーシキワーカさんは?」
「彼は、基本、一度として、そこには立ち会っていないわ。
騙される、とわかっていたからね?
売り言葉に買い言葉だったそうよ? よくはわかんないんだけどね……」
「……」
「そうしていく中で、ヨーシキワーカさんの未公開のファイルを見た特殊詐欺グループは、
ほとんどが決まって、
月見エビバーガーオーロラソース社、職業訓練校、合同会社三電工、職業安定所、他だったというわ。
そして、そこで、勝ちを見た特殊詐欺グループは、その電話口から、口激していたというわ。
いわゆる騒ぎが起こっていた訳。
で、責任を取らせるために、ハッキング伝いで、IPアドレス番号なんかが割れているから、不正送金がいくらでもできていた訳。
つまり、未公開ファイルそのものが、証拠の品として、脅しの道具として、悪用されていた訳よ!」
「そ……そんな……」
「だって、それ、ヨーシキワーカさんが1人で書いていたもので、『自分の無罪を勝ち取るため』のものだったんでしょ?」
「ハッキリ言えば、ミシマさんは初めから、どうでも良かったの。
ヨーシキワーカさんが無罪をある事を知っていて、
このどうしようもない問題を通して、長期戦に持って行けば、幾らかはその心が疲弊していって、折れないのかと考えていたのよ!?
残念だけどね……。
これは、イリヤマ先生、ライセン先生、ミシマさん、ヨシュディアエさん達の共謀のお世話用プログラムだった訳。
自分達の立場が、その偉いものだから、それぐらいでいいだろ、って感じで、
幾らかはその誤魔化せて、騙し盗れない、のかと考えていたのよ!」
「……ッ」
「ヒデェ……あんまりだ……」
「で、幾らかは、その月見エビバーガーオーロラソース社から、いい金で、責任話でブン盗れた後、
その未公開ファイルを見た後、用済み……だから、『証拠隠滅』のために、
また書き直せばいいだろう……って感じで、『揉み消していた』ような卑怯な人達だっている」
――とここで、サファイアリーさんが、思い出し加減で、こう言うものだったわ。
「――あぁ、そう言えば、職安で、ヨシュディアエさん以外にも、女の人達がいて、
依頼人に対し、請負の感じで頼んでいたわね?
『まぁ、どうせ、それぐらいでいいんでしょ? そこから出てこれないなら……』
『こんな、ここからの声なんて、どうせ向こうの方にいる、あの子には、細々と言っているもんだし』
『今も端末も操作しているあの子には、どうせ何も聞こえていないんだしね!?』
『じゃあ、安心ね。あははは!』
――で、証拠の隠滅を図っていた訳よ!」
「……」
「許せないな……」
「うん……」
「元々は、自分の無罪を勝ち取るために創っていた作品であり、
守護霊チアキと夢見の中で、2人して話し合いながら、進めていた作品だった訳よ。
その作品に、一生の傷跡が残ってしまったわけよ……。
しかも、物語の進行上、揉み消されて揉み消されて揉み消されて、それでも、めげずに、自分の無罪を勝ち取るために書いていた作品だった訳よ。
この世の中、作家の人達は、副業の人達は、それ1本で食い繋いでいるような人達もいるんだから、そうした生命線すら、脅かしている訳よ!」
――そこへ、クリスティさんが。
「――それが、決して許されない犯罪、なりすまし詐欺……だったわけよ。
その人に成り代わる事だって、この世の中、情報化社会で溢れかえっているから、割と簡単にできちゃうものなのよ?
例えば、盗み見たものをコピーして、別サイトに立ち上げていたりしてね……。
しかも、有料プランで、本人に何も連絡を寄こさずに、隠れて黙ってね。
陰で嘲笑っていた訳よ!」
「……」
「あたしとしてもさ、絶対に許したくない訳よ!!」
「「うん!!」」
「だから、あの人は無視を決め込んだ訳、関わらないようにしていた訳、『愛の反対は無関心』だからね。
そんな怪しい連中なんかとは、今後一切付き合えないから、完全離反したわけよ!」
「……」
――そこへ、サファイアリーさんが。
「そうねぇ……。じゃあ、ここで1つ、ヨーシキワーカさんが、前に、ファイルに書き込んでいたもので、『それが揉み消されていた跡』があっていてね。
1つ、ここでその例を挙げましょうか!」
「例?」
「ええ、特許商標になる可能性のあるものよ!」
★彡
【領収書が見つかった年の2月】
【大寒波襲来により、屋外配管が凍てつき、その途中の部分から割れてしまい、修理が必要になった】
――ヨーシキワーカは、その日、1人で、現場を見ていたものだった。
場所的に言えば、玄関口近くにある屋外配管で、蛇口をひねれば、水が出るというものだった。
現在は、水を止めている状態なので、水漏れの不安はないものだった。
『――どうしよう……!?』
これには、相当、手をこまねいていたものだった。
だが、修理するためには。
『まずは、この……コンクリートを壊さないとダメだ……』
屋外配管を修理するためには、第一関門として、その蓋をしているコンクリートから、取り壊す必要があるものだった。
【ヨーシキワーカは、その日、何もできなかった……】
【慎重に期してしまい、ノミなどを使ってみたが、工作用ドリルで穴を開けてみようと思ってみたが……てんでダメだった……】
【それを憐れんでみて父は……】
(あぁ……こいつじゃ、無理だ……。
……仕方ない、明日になったら、元会社の同僚連中に頼んでみよう!】
【――その翌日、ヨーシキワーカが外出中の時、父の知り合いが着て、親切にも、その屋外配管の、コンクリートのフタの部分を取り壊してくれていたものだった】
【そして、その父は、帰ってきたばかりのヨーシキワーカを見て、こう言うものだった】
「――ヨーシキワーカ! 今日、俺の元会社の同僚に着てもらって、ここの邪魔になっていたフタの部分を取り壊してもらっておいたから、
これならば、お前でも、その後の続きができるだろ!?」
「……うん」
(確かに、これならばできる……!)
「しかし――実際にこうしてみれば、中はこうなっていたんだな……」
「……」
それは、手抜き突貫工事だったものだ。
ご丁寧に、配管そのものまで、コンクリートブロックの塊で、ガチガチに固められていたものだった。
唯一の救いは、配管を保護する目的で、銅管が、相中に挟まられていたものだった。
これを見たヨーシキワーカは。
「……まずは、この、コンクリートから壊して行かないとな……」
「……」
【そこには、父がいて、見守るものだった】
【自分の息子ならば、一人で、やり遂げる事ができる、と信じていたものだった】
「……道具は家にあるもならば、何でも使っていいぞ!」
「……!」
「必要な部品なんかは、ナフコやOKホームセンターへ行って、そこで、必要なものがあれば、何でも買ってきていいぞ!」
「……」
「お金はお前が立て替えて、その後でいいから、家に請求しろ!
もしも言い難いんなら、俺から母さんに一言言っておいてやる!
これも仕事だ!
仕事に出たら、一人前の男になるように、こーゆう事もいくらかするんだからな!
……これが、外注の請負の仕事だ!」
☆彡
――過去から現在に返り、これにはスバル君も。
「――ひ、一人で!?」
「ええ、それぐらいの事は、後は1人でもできる、と踏んでいたのよお父さんは!」
「……」
「必要なものは、だいたいそうねぇ……」
厚さ30㎜(3㎝)のコンクリートのフタを破壊する道具。
・コンクリートブロックを破壊する目的のタガネ
・金属製のハンマー
屋外用散水栓
・縦水栓の長さが大きいものがベスト(蛇口使用であれば、故障しても、自分でDIY可能)
配管の主な材料
・塩ビパイプVP、口径13㎜の配管、直線(ストレート)
・塩ビパイプVP、口径16㎜の配管、直線(ストレート)
・塩ビパイプVP、口径13㎜の配管、曲がり(エルボ)
・塩ビパイプVP、口径16㎜の配管、曲がり(エルボ)
・塩ビパイプVP、口径13㎜の配管、三角コーナー(チーズ)
・塩ビパイプVP、口径16㎜の配管、三角コーナー(チーズ)
・塩ビパイプVP、口径13㎜の配管、継ぎ目(ソケット)
・塩ビパイプVP、口径16㎜の配管、継ぎ目(ソケット)
・塩ビパイプVP、口径13㎜からの16㎜の配管、桁違いソケット
・TSバルブソケット(インサート付き)いわゆる金属製のねじ込み式
失敗点、これがあれば、もっと便利だった。
・PVCボールバルブ、口径13㎜
・PVCボールバルブ、口径16㎜
電動工具
・ディスクグラインダー
・ディスクグラインダーの替え刃
・電工ドラム
工具
・定規 階段目盛 SV300mm シルバースケール
・スケール(メジャー)KAIDAN オートロックPRO KAIDAN 尺相当目25×5.5m ALCP-2555SKD
・高儀(Takagi)GISUKE パイプカッター
・高儀(Takagi)GISUKE パイプカッター替え刃HSS SB-3018 HS ステンレス用
・高儀(Takagi)GISUKE パイプリーマ、パイプのバリ・面取り用
・防水シーリングテープ
・セメダインのドープセメント 塩ビパイプ用
アイデア加工品
・100均一セリアの家庭菜園のプラスチック製のプランター苗、長方形を加工したもの
「――うん! だいだいこんなものね」
これには、アユミちゃんも。
「1番大事なのは?」
「塩ビパイプを切る道具で、こう手に持ってクルクル回すやつね! パイプカッターと呼ばれる道具よ!
これがないと、綺麗に円形に切ることができないの。
ハサミ型もあるけど……こちらはどちらかというと、主に工事現場用だからね!
仕事は速いは早いけど、綺麗に円形に切ることができないの。
職業訓練校でも、こちらを推奨していたわ」
「それは、どっちの方?」
「クルクル回すやつよ」
「……」
職業訓練校でも、DIYでも、クルクル回すやつ、パイプカッターを推奨する。
「コツとしては、3㎜から5㎜ほど多めに切る感覚かな?
それでやっていて、後は、『自分の感覚で、調整した方がいい』わけよ!」
「それは、ヨーシキワーカさんの感覚?」
「フフッ、まぁね!」
「なんだぁ、じゃあ、安心だね!」
「うん!」
これには、明るく朗らかに、笑うアユミちゃんとスバル君がいたものだったわ。
とここで、スバル君が。
「あっそうだ! ちょっと思ったんだけどさー」
「……?」
「口径(呼び径)13mmと16mmを、1つにできないの?」
「もっとな疑問点ね! 偉いわね、そこに気が付くだなんて!」
「……」
これには、褒められて、スバル君も照れくさいものだったわ。
横にいるアユミちゃんなんて、笑みを浮かべていたもの。
「実は、給水管から送られてくる寸法が、13㎜で、
縦水栓が、16㎜なのよ!
この2つの口径(呼び径)が違うから、寸法合わせのために、継ぎ目(ソケット)が必要になってくるのよ!」
「フ~ン……そうなんだぁ……。寸法合わせのために、継ぎ目(ソケット)がねぇ……」
「フフッ……。
事の発端は、冬場の冷気で、大寒波が襲ってきた時期があってね。
急激に冷え込んでいた事が原因で、配管が凍結し、割れていた事が会っていたの……。
ヨーシキワーカさんは、その現場を見て、修理をしたそうよ」
「……」
「この時、ヨーシキワーカさんは、
普通の人ならば、砂利多めで、埋没して埋める所を、終わらせて終わる事もなく、
ワザと機転を利かせて、その砂利を少なくさせて、配管が痛むような原因をも、低く抑えていたそうよ。
これ、1つのアイデア商品にも、なるんだからね!?」
「1つのアイデア商品になる?」
「それって?」
「フフフッ、『保護剤』を買ってきたことが、大きなポイントだったそうよ」
「保護剤……って?」
「フフフ、それはねぇ……。
セリアの100均一なんかに売っている、花とか苗とかのコーナーに置いてある園芸品目の『プラスチック製のプランターの苗』、
その箱のようなものだったそうよ。
彼は、それを、ディスクグラインダーを使って、加工することによって、
上からの衝撃に対する、周りからの冷気を和らげるような目的のためにも、良く、緩衝材として、配管の上にから被せていたそうよ。
いわゆる、凍結防止目的だったそうよ。
後は、その下に、雨が降ったら、
土は酸性なので、配管腐食の原因になり、赤錆が発生してしまうので、
ワザと、中性に傾ける為には……?」
ここで、聡い小学生のアユミちゃんが。
「塩基……アルカリ性のものを入れた?」
「グット! 漆喰なんかを、一度ハンマなどで壊す事によって、塊状から欠片にしていた事が会っていたそうよ。
後は、小石などを積み立てて、撥水性を良くしていたわ」
「なるほどねぇ……」
「他にもあって、アサリの殻や、カキの殻などを入れることによって、『浄水作用』があるという事よ。
つまり、経年劣化による配管の赤錆腐食の原因をも、抑えられる、という事よ」
★彡
【(続)領収書が見つかった年の2月】
【大寒波襲来により、屋外配管が凍てつき、その途中の部分から割れてしまい、修理が必要になった】
――ヨーシキワーカは、その日、1人で、修理を終わらせていたものだった。
これを見た母親は。
「綺麗に、丸く切れているのね……」
「これのおかげだよ」
母に見せたのは、高儀(Takagi)GISUKE パイプカッターだった。
「日本製は、信頼できるからね!」
「……」
これには嘆息してしまう母の姿があったものだった。
「職業訓練校でも、タカハシ先生が、パイプカッターを推していたからね」
「そうね……」
(あんなところがねぇ……ここまで長い事、偽電話詐欺続けている、というのにねぇ……問題がどうとかで!?)
「でも、何で、そのメーカーなの?」
「あぁ、メーカー高儀は、お風呂の水止めとか、ほら、緑色の玉のやつとか」
「ああ!」
あったあった。
あれだわ。
「他にも、木工用のノミなんかを販売しているんだよ。
安いのに、ものがしっかりしているからね!
それに、あれには、白紙三鋼が使わられていて、鋼がいいからね!」
「白紙……」
「うん!」
メーカー名高儀は、ものが安いのに、しっかりとした製品を作るところで有名である。
パイプカッター
・高儀(Takagi)GISUKE パイプカッター
・高儀(Takagi)GISUKE パイプカッター替え刃HSS SB-3018 HS ステンレス用
・高儀(Takagi)GISUKE パイプリーマ、パイプのバリ・面取り用
お風呂の浮き球
・高儀(Takagi)GISUKE バスピッターL
木工づくり
・高儀(Takagi)GISUKE 貫通型木掘刀 丸刀、小丸刀または大丸刀
・高儀(Takagi)GISUKE 貫通型木掘刀 三角刀
・高儀(Takagi)GISUKE 貫通型木掘刀 平刀
・高儀(Takagi)GISUKE 貫通型木掘刀 切出刀
・高儀(Takagi)GISUKE 貫通型木掘刀 平曲刀
どれも、旧日立金属(旧プロテリアル)で有名であり、その刀材には、白紙三鋼が使われていて、切れ味がいい。
ノミ用の人工砥石
・キング彫刻刀砥石 仕上げ4000番 切れ味抜群
中目の1000番もあるが、何度も使う様な本職人ではないので、DIYでは、仕上げで充分である。
仕上げの革砥
・ハンドメイドの1つで、最高級の馬革、標準以上の牛革、価格帯がリーズナブルな豚革
なお、100均一にも、人工合革が売っていて、代用できない事にはなかった。
なお、最高級の馬革コードバンにもなれば、50000番相当である。
最早、ここまでくれば、職人気質の中でも、マニアの部類である。
引き戸用のノミ
・高儀(Takagi)GISUKE 豆クシ鉋 18mm
こちらは、刃材には、炭素工具鋼が使わられていて、切れ味の白紙ではなく、耐久性の炭素工具鋼である。
☆彡
――過去から現在に返り、サファイアリーさんは、こう語る。
「――ってな事が会っていたらしくてねぇ。
その時、電話を受け取っていたお父さんとお母さんがいて、愚痴を漏らすように、こう言っていたそうよ」
――それは、不審な電話を受けた後の会話シーンだったという。
『――何で、あいつは!? 昨日、あいつが修理したばかりの所を、壊せ、っと言ってきたんだ!?』
『さあ、それで中身を見せろ! って何か変よねぇ……!?』
『あいつ……頭がどうかしてきてるんじゃないのかぁ……!? あんなミシマなんかの怪しい連中と仲良くつるんでしまっていて……』
『職業訓練校(あそこ)で習っていた事を、もう一度、そこで、キチンとできるのか!?
って事を、こちらの方でそれを見るって、変よねぇ!?』
『あいつには、黙っていよう……』
『そうねぇ、わざわざ、心配を掛けさせることもないし、不安を与える心配もないものねぇ……』
「――と、TV電話だから、家の中にいて、その声はわかっても、『相手さんの会話までは、わかんない』んだけどね……」
これには、アヤネさんも。
「相手さんの……会話シーンがわかんない……!?」
「……」
「ああ、なるほど、そーゆう事かぁ!
人を騙すためには、取り次いで周りながら、まずは、その人の器の大きさを魅せる。
酒の席や旨い肴の話、会食、そうやって、持ちつ持たれついい関係を築いつつ、言葉の端々で、どこかで、言葉巧みに騙しながら、
ゆくゆくは、何も証拠の品が残らないようにして、絞り取られて行く……」
「……」
「それは、自分の子供が対象だった……。
気づいたときには、愚かな親がいた……。
だから、ワザとその証拠が残らないようにするために、自宅の固定電話や、
どこか遠くの所で、携帯電話などを使って、そんな怪しい人たちと、便宜上の会話をする」
「……」
「旧電話も、TV電話も、音声会話は『低いトーン』だからね……。
電話でも、その『受話器』を持っている人『限定』で、その場にいる人達にしか『限定』で、『聞こえない範囲』だからね……
だから、聞こえなかったんだわ……。距離が離れていて……。
そんなところにいれば、ただの独り言にようにしか、『聞こえない時がある』……だわコレ!?
聞こえたとしても、訳が分かんないと思うわ……正直……」
これには、サファイアリーさんも、こう切り返すものだった。
「うん、その通り!
ヨーシキワーカさんに違わず、他の前々の人達から、実はそうだったのよ――」
★彡
【職業訓練校時代、10月】
【就職支援室の職業相談を受けもつ人達のヒソヒソ話】
――それはヨーシキワーカが、ホログラム映像出力装置付きマウスを操作している時だった。
今見ているのは、設備管理・ビルメンテナンスに伴う、希望求人であった。
『――……』
そんな時、ここ就職支援室にいる女性達3人の声が上がってきたんだ。
その3人は、こことは違う、奥まった所にいて、こんなヒソヒソ話が上がっていた。
ヒソヒソ
(……なんだ!?)
ヨーシキワーカ(私)は、その様子が気にはなりつつも、この席を下手に動かず、事の経過観察を決め込むのだった。
『やっぱりあの子も、『前にここを出て行った人達』と同じで、『連絡の取れないグループ』なんじゃ……!?』
『!?』
私は、何だと思った。
『シッ、声が出ているわよ!』
『ととっごめん』
『あまりそ―ゆう事を外に漏らしちゃダメよ! 今の会話は、
どうやら、今あそこで見ているあの子には聞こえていなかったから、いいようなものだけどさ……』
『そうね……気をつけるわ』
『にしてもやっぱり変よねぇ……? あのイリヤマ先生って人は『特』に、どうしてこうも『頻繁に問題行動が際立って目立つ』のかしら……!?』
『そうねぇ……』
『う~ん……』
『前にそうした子から、ここに電話が来るか、直接訪ねに着たことがあるもんね……!?』
『う~ん……やっぱりなんか、あの先生の周りだけ、おかしいのよね……。
さすがに、あの人が受け持っている教室に行って、その事を直接聞き出すわけにもいかないしね……』
『また後で、職員室での会議を通して、あの先生に尋ねてみようかしら?』
『前にもそうした事があったけど……別の先生達が間に入ってきて、『妙な具合に話をはぐらかされた(?)』わよ!?』
『あぁ、確かに……そう言えば、『前にもそんな事があった(?)』ような……!?』
『ねぇ……』
その様子を見送るヨーシキワーカ(私)がいたのだった。
『……』
(連絡の取れないグループか……!? それに前にもあった……!? そう言えば、1人、うちのクラスにもいたな……ひょっとして……!?)
☆彡
――過去から現在に返り、サファイアリーさんは、こう語る。
「――連絡が取れないグループ……。
それは、ほとんど決まって、ドクターイリヤマ氏やドクターライセン氏が、足影く通っていた設備管理課の事だったのよ。
そこで、どうしようもない問題に対する、ウソの騙しの講義があっていたの。
そして、職業訓練校修了後、前々の人達に違わず、ヨーシキワーカさんも、同じ轍を踏むように就職難に陥ってしまっていたの――」
★彡
【職業訓練校時代、11月】
【就職支援室の職業相談を受けもつヒソヒソ話】
――それはヨーシキワーカが、ホログラム映像出力装置付きマウスを操作している時だった。
だいたいが、この時期を境に、どの職業訓練生たちも、職への意識を高めてくる時期だった。
今見ているのは、設備管理・ビルメンテナンスに伴う、希望求人であった。
『……』
そんな時、ここ就職支援室にいる女性達3人の声が上がってきたんだ。
『やっぱりあの先生、とんでもない先生だわ……!!
今あの子が見ているところに来ていた『求人を揉み消していた』もの……!! 『自分勝手な判断で、向こうで勝手』にね……!!』
『!?』
俺は何だと思った。求人を揉み消されただって!?
今、この場には、この就職支援室には、女性の方が2人いた。もう1人は、欠勤中である。
『そう言えば……こっちにもそうした相談がなくて、『一方的に希望求人を揉み消されていた』、『他の子達』もいたわよね……!?
もう卒業しちゃって、ここを出て行った後なのよね。
ここを出て行った後、ホントにあの人が受け持っていたあの生徒さん達、大丈夫なのかしら……!?』
『どーして!?』
『いやね……ずいぶん前から、あの人が受け持っていた教室で、『ある問題が騒ぎの原因』になっていたのよ!』
『問題……!? 何それ!? こっちにはそうした話、届いて、伝わっていないわよ!?』
『どーゆう事なのかしら……!?
前にそうした子が、ここにフラッときて、職員室(むこう)に行ったら……、
そのまま、その足で帰って行っちゃったのよね……!? う~ん……』
『何だってあんな人が、ここの講師になれたのかしら……!?』
『さあ、良くはわかんないんだけど……。あの人達を雇い入れる上で、何かがあっていたらしく、そうした話が上に上がっていたらしいわよ!?』
『……』
『……『あんなに稼ぎがいい』んだから、こぞって他の講師さん達も、『その陰であの人達に協力している』みたいよ!?』
『この話……裏で、何かあるわね……!?』
『ええ……ここにそうした話が着て、『大きな騒ぎ』にならないといいんだけどね……!?』
ヨーシキワーカ(私)は、その話に聞き耳を立てるのだった。
『……』
☆彡
――過去から現在に返り、サファイアリーさんが、こう語る。
「稼ぎがいい。ある問題が騒ぎの原因。一方的に希望求人を揉み消されていた他の子達。
これは、職業訓練校側が、後々儲かる仕組みであり、
かつ、ある問題が騒ぎの原因とは、偽詐欺電話だったわけよ。
そして、ヨーシキワーカさんの例に違わず、その子達は、
就職難に陥った後、自分のパソコンなどに、昔の会社の内情や守秘義務などを、記入していた可能性があり。
それが、ハッキング伝いで横から盗み見て、偽詐欺電話を取り次ぎながら口激しまくっていたの。
そして! なおかつその時には、ほぼ必ずと言ってよいほど、
その子等達の、行こうとしていた、希望求人先にも、取り次ぎ回ししながら、そうした会話などを利かせて回っていた。
あっけらかんに囚われてしまった、希望求人先の人達は、そうした求人の話を、断っていた訳よ。
そして、長期間に及び、就職難に陥ってしまう。
かつ、職業訓練校側などは、その責任の話と、成果の話を取り上げながら、
問題に見せかけて、ハッキング伝いで、その昔の会社から、不正送金のやり取りなどを怒っていた訳よ」
「ひどい……」
「でも、事態はもっと深刻でね……」
「え……」
「大手企業の通信障害の噂話を聞いていけば、
その子を、雇おうとしていた会社にも、通信障害が起こっていたの。
簡単にわかりやすく言えば、その子の、履歴書を見て、電話番号やメールアドレス等を知ったことで、
その会社の職員さんの端末に、その子の名前や電話番号やメールアドレスなどを、書き込んでしまうから、
これ見よがしに、特殊詐欺グループ伝いが、ウィルス感染させていた訳よ。
電話番号からのウィルス感染。
メールアドレスからのウィルス感染などね。
そうやって、その某企業の端末をも、通信障害起こしていた訳よ」
「電話番号で……」
「メールアドレスで……」
「ええ、そうよ。そして、イリヤマ先生やライセン先生などは、
これは問題なので、金を払ってくれれば、喜んで外しますよ……と謡うものだった。
金銭を要求してきた時点で、『これは詐欺』だからね。
で、某会社は、次々、毎回と金銭を支払っていったそうよ……。
そうした一連の流れの中で、その子の悪い噂話が立ち始め、ゆくゆくは、段々と引き取り手がいなくなっていき、
そうして、長期の就職難の陥ってしまっていたの……」
★彡
【職業訓練校時代、11月】
【感染したソフトウェア文字コード、Century(センチュリー)】
――ホログラム映像出力装置付きマウスを起動させ、書類作成に入るヨーシキワーカ。
そのホログラム映像越しの画面に、あるポップアップ広告が飛び出してきた。
『……』
何だこれ? 不審に思う私がいたのだった。
環境にないフォント、Century(センチュリー)。
表示フォント、Times New Roman(タイムズ ニュー ローマン)と表記されていた。
普通では、こーゆう事はあり得ない。
(何なんだろうなこれ?)
私は、マウスを操作をして、書類作成に入ったところ、取りあえずは、書類作成ができるものだった。
☆彡
――過去から現在に戻り、サファイアリーさんから、話を聞いたアユミちゃんは、こう口を零す。
「――何で、連絡が取れないの!?」
それに対して、サファイアリーさんは、こう言わしめるものだった。
「何度も言うけど、ヨーシキワーカさんは、
月見エビバーガーオーロラソース社に、入社する時、昔の会社に勤める前から、
腕時計型携帯端末(フューチャーウォッチ)を所持していなかったそうよ……!」
「……」
「これは、子を持つ親の考え方の誤りなんだけども……。
学校にいる間までは、そんなものを見て、遊ぶ暇があるなら、勉強をしろ! というものよ。
また、可視光線、ブルーライトが原因で、ゲーム脳になってしまい、脳の発育の遅れが示唆されているの。
だから、みんなの親の中には、自分の子供に、それを持たせない親御さんも、意外と少ないものなのよ」
「……」
「ヨーシキワーカさんや、前々の人がこれであり、
また、会社の中でも、オフィスや事務仕事、病院などではなく、
『工場勤め』かつ、人の目につかない仕事をしていた人達……。
そうした裏方に徹していた従事者たちが、得てして、こーゆう騙しの問題によくやられていたそうよ……」
「工場勤めの、人目につかない人達……」
「気づけない、そう言った話を知らない人達……だったそうよ? よくやられていたのはね……」
「……」
「だから、その当時の会社を受ける際、その『履歴書』には、『個人用電話番号の明記がなかった』の。
……そして、昔の会社を10年間ほど足影く通われていたあの人は、
台風の日や、豪雪の時、高速鉄道が止まり、
足を持たないあの人は、酷く困っていたの……。
当然よね? 方道だけで1時間以上から2時間近くかかるから、おおよそ往復で、4時間も通勤時間で費やしていたの……。
だから、父(ダダ)の方が、車を出してくれたことで、事なきを得たけど……。
先々の事を考えれば、無性にも、酷く心配していたそうよ……。
だから、それが、必要だと判断してくれた父(ダダ)が、外箱だけ持たせてくれていたの……」
「……」
「電話とメール機能ありきで、ただし、ウェーブグローバル環境は使えないという……。
どうせ、お前は遊び倒すだけで、ロクでもないことに使って、必要ないという総合判断だったの。
もしも、それが使いたいなら、自分で働いて、その金でやれ、という判断材料だったの」
「ガクッ……だと思った……!?」
とこの時、クリスティさんが、こう助言をしてきて。
「そう言えば、だいたいその時ぐらいに、あのアヤさんと密会していたらしいわね」
とこれには、サファイアリーさんも。
「あぁ、ゲームでね」
とこれには、思わず、ツッコミを入れてしまうミノルさんがいたものだった。
「ゲームかよぉ!?」
「「「ハァ……だいたいそんなもんよ……現実はね……」」」
だいたい、そんなもんである。
なお、密会場所は、依然不明である、昔の友達を護るためにも、必要事項なので、その秘密なのである
とこれには、サファイアリーさんを推しても嘆息しつつ。
「続けるわ……。必要ないという総合判断からくるものだったそうよ?
当時のヨーシキワーカさんは、それを、『社員用のロッカー』の中に入れて、
下の工場の中に降りて、みんなと一緒に、汗水たらして、良く働いていたの。
多くの人達の手助けや、人型アンドロイドの助け、ロボットの助けで、
時に、人間関係が悪くなった年月もあっていて、
そして、某去年の12月、その雨の日、ヨーシキワーカさんが、持っていた旧腕時計型携帯端末(フューチャーウォッチ)が壊れたの……」
「壊れたのは、某去年の12月……。その雨の日なんだね……」
「ええ。そして、新しく購入したの、それをね!
そーゆう経緯もあり、当時の会社、月見エビバーガーオーロラソース社の課長さんとの、電話の結びつきが、途中で断線してしまったの。
端末が壊れても、個人用電話までは、失われてはいないけど……。
その課長さんの電話番号なんて、よそよそしくも、聞き出せないからね……。
あの課長さんは、忙しくて、捕まらなかったそうだし……。
まぁ、ヨーシキワーカさん曰く、
『社員用フューチャーウォッチ』を持たせてくれれば、まだ何とかなったのかもしれないけど、パートやアルバイトじゃ、そりゃあ無理よ!」
これには、元ホテルのオーナーさんを推しても。
「そう思います……」
「だな……。あそこは200人以上だと聞くしな……端末代もバカにならん……」
「また、そこにいた従業員さん達と、電話番号の交換をした覚えがないそうだからね……。
実は、下の工場内に入る時、個人の所有物を持ち込むことができないルール作りがあったからよ!」
「……」
「――そして、ここからが、本題のポイント!!
実は、ヨーシキワーカさんが、職業訓練校に受講中の時、
その12月頃、お父さんの昔の会社の人伝いいから、電話連絡があり、その足で、安いプランに乗り換えたの。
ワイ電波店にね……。
その時に、一緒に行ったのは、お父さんと弟君の2人だったの。
ゆくゆくは、言葉の端々で、騙されていく事になっていく、身内関係者ね……。
――そして、次は、そのヨーシキワーカさんも、12月の暮れの時期に、その職業訓練校を修了して、
翌年の1月下旬、父(ダダ)との頼み事があって、一緒に電話会社に行ったそうよ!
『あの学校にいて、そんなに頭がいいなら、勝手に1人でもやれますよね!?』
『……?』
『フンッ』
(この時の私は、こうした無理解の状況下に、まったくいって良いほど付いていけなかったものだ……)
そこで、ヨーシキワーカさんの『個人用電話番号』が『変更手続き』になった事があるの!!
つまり、昔の会社の人達は、そうした出来事を知らないだろうから、
変に勘ぐちゃって、ヨーシキワーカさんを怪しくも思い、容疑者固めをしたのよ!!
これには、してやったり顔のヨシュディアエさんがいて、
そーゆう電話番号が変わったことは、
職安、市役所、職業訓練校、フレッシュワークの所にも、(事前に報せないといけない!?)と言ってたのよ!
つまりは、上手い事事が運んでいき、ドクターイリヤマ、ドクターライセン達の、思惑通りに事が進んで行った訳よ!
ヨーシキワーカさんに嫌疑の疑いの目を持たせるというね……!
その後、同じ年の3月に、ミシマさんの所へ行って、どうしようもない問題へと涙点していく形になったのよ!」
これには、アユミちゃんも、ミノルさんも、アヤネさんも。
「なるほど……そーゆう事かぁ……」
「つまりは、そのヨーシキワーカさんの一例を取る事によって!?」
「そうした被害者層の、『救済措置』、なんかが取られて行った訳ね!?」
とこれには、サファイアリーさんも、満面の笑みを浮かべて。
「ええ、『無条件の自由の開放』、というおまけ付きでね!
で、聞いたところによると、『就職支援室の女性達』が言っていた事なんだけど……も。
ヨーシキワーカさんもその1人で、『連絡が取れない人達のグループ』だったのよ!?
また、ドクターイリヤマの問題で、ヨーシキワーカさんに来るはずだった『就職の話も揉み消していた』らしいわ!
その事は、ヨーシキワーカさんが横で聞いていたから、間違いない。
また、こういった被害は、遡っていけば、過去にも、実例があっていて。
ドクターイリヤマの悪質な、『私利私欲』ものの、『公私混同』で、『職権乱用』で、
未来ある修了生達の所へ来るはずだった求人の話が、揉み消されていた訳よ。
それも、1回や2回じゃなかった……という事。
中には、自殺者が出ていて、死んでいる人もいる……。
そうした証拠を揉み消すために、偽詐欺電話などで取り次いで周り、いくらかみんなで、その口を噤んで行った訳よ?
犯罪か、問題化で言うと……問題で済ませられない……。
いいところ! 殺人未遂に見せかけた、人殺し!!! だったわけよ……あの人はね!!」
「……」
「……そう、事前に、その教室の中で、『集団催眠』を施し、『共犯意識』と『飴』を与えていたから、
恩師という誤った認識で済ませる必要があったから、
集団で取り次いで回り、その弟君も騙して、そう調整調整を利かせて、詐欺事件を、隠蔽し、問題で済ませていたの。
警察沙汰になるのは、どこの企業にとっても、誰でも嫌がるものだからね……!?
……まぁ、後日、話のウマを会わせるように、言い逃れしたらしいんだけどね……。
向こうは、そうした伝手がやたらと多いし。
その講師、その就職支援室の職員、職業訓練校側の体裁が悪くなるだけ……だからね……」
「酷い話ね……」
「そんな職業訓練校があるだなんてね……」
サファイアリーさんが、エメラルティさんが、思わず嘆くほどだ。
次いでミノルさんが、アヤネさんが、こう呟きを零す。
「まるで200年ぐらい前に、過去に実際にあった、旧日本の『職業能力開発促進センター』のど・こ・か……みたいだな……!?』
「そうね……」
うん……
と頷き一同がいた。
――とここで、珍しくも、シャルロットさんが。
「でも、何だってまたぁ……!?」
これには、サファイアリーさんも。
「実際に死んでしまっていた親御さん関係がいても、
そうした伝手がやたらと多いから、警察署の中に闇子さんが潜んでいて、身内関係者繋がりで、
そうした『告訴状』なんかを、あっちで取り下げていたのよ。
もう前々からね!! 常習犯なのよあの人は!!」
「犯罪者確定ですね……」
「ヨシュディアエさん、ミシマさん、イリヤマ先生、ライセン先生の事を、
その身内関係者で庇い建てするものだから、冤罪、がどうとかで、問題がどうとかで騒いでいて、
だから、事前に前もって調べることもできなくて、
こんな事は、以前から、度重なった感じで、何度もやっていたんだから、その度(たん)びに、人を蹴落としていた訳よ。
詰まるところ、そう、『何も証拠が残らない』ようにしていた! って事よ!
そして、アメリカ本国は、情報化社会の犯罪者たちの巣窟となってしまっていたの……!」
「つまり、イリヤマ先生とライセン先生の『作戦勝ち』だったと……!」
「ええ、その通りよ……。
騙す側も、特殊詐欺グループも、初めからそれがわかっていて、
電話局などと、身内関係者繋がりで、裏で通じてあるものだから、
旧電話やTV電話などにも、『拡声器音声(スピーカー)』が備わっていないし、
その時の、『音声会話記録』なんて、便利なものも、備わっていないからね……」
ハァ……
とこれには一同、ため息を零すものだった。
――その時、珍しくもシャルロットさんが、こう言うものだったわ。
それは、キョトン、とした感じで。
「――アメリカ、日本にも、地球には、そのTV電話に、『拡声器音声(スピーカー』と『音声会話記録』なんて、
機能が、『標準搭載』されていないんですか!?
他の国々にも!?」
「!?」
「宇宙では、星間的に認められていて、当たり前ですよ?」
「えっ……」
「こう考えていただけたら、一番モノがわかりやすいんですけど……。
国内総生産売上量(GDP率)と品行方正に基づくもので、
その星のものや、その会社の製品を買うもので、指標となっているんです!
例えば、そうした特殊詐欺電話が会った時、
無線傍受していた『ファミリア宇宙星間センター』が動いてくれて、『無料で窓口対応』を取るようになっているんです」
「!?」
「言語体系なんて、まるっきり違いますからね!?
何を言っているのかわかんなくて!? 専門知識用語なんて、当然飛び出していますから、
意外とそのチンプンカンプンで、気が滅入ってしまうものなんですよ!!
そこで、そのファミリア宇宙星間センターが、相中に入るんですよ? ファミリアが! その仲裁措置の為にね!」
「え……」
「あ……」
とここで、アンドロメダ王女様が、こう進言してきて。
「そうじゃな! 便利なものを買ったはいいが、どこの星で製造されたものか、によって、そーゆう事が度々起こっておるからの!
言ってみれば、それを、
アメリカや日本などが、特殊詐欺被害を抑える目的で、特許商法を取ればいいんではないのか!?」
「そうですね!」
とここで、スバル君が。
「で、でもさ!? 無料ってどうやるの!? 金が入らないよ!?」
「何言っているんですか!?」
「え……」
「そうした特殊詐欺被害を抑える目的で、『拡声器音声(スピーカー』と『音声会話記録』が、標準搭載されていて、
かつ、TV電話なんですから、加害者のモニターと被害者のモニターとが繋がっていて、
それが一時回線、二次回線だとするならば、
相中に挟む形で、電話の周波数帯ジャックができるんですから、三次回線、四次回線と繋いでいって、
こちらでも、その時の様子や音声会話などの記録を、音声レコーダーで取るんです。
いわゆる、証拠の品ですね!
……後は、無料と言っていた、法の仕組みなんですけども……。
それを、TVなどで一般放送で、流す、仕組みなんですよ!」
「……」
「たまらず、相手さんは大赤っ恥ものの国民からの晒し者、に取って代われるんです。
この時、確実に、私共の方にも、お金が入ってくるという仕組みなのです」
「あっ……」
「さらに言えば、書籍化も可能ですから、
ファミリアを通して頂ければ、認可した感じで、作家活動の志望者さん達の所にも、お金が入ってくる感じですねぇ」
「つまり、被害者層救済活動に……繋がるんじゃ……これぇ……」
「フフフッ、そーゆう事です」
唖然……
「……」
これには、あっけらかんと囚われていた一同がいた、という。
――とこれには、サファイアリーさんも。
「――確かに、その手ならば、アメリカや日本などの周辺各国状勢は、特殊詐欺や、通信障害などの影響が多分に減るし……。
国際世論状勢的に見ても、『経済効果が認められる』わ!
人の行き来の活動も、今よりも活発になって、交易や貿易が、よりスムーズに回るわね!
これ、凄い事よ!
是非、正式採用したいわ!」
これには、スバル君も頷き得るものであったという。
「うん!」
「では、後ほどスバル君、その手の話も進めてまいりましょうか!?」
「はい、よろしくお願いします」
「こちらこそ!」
「フフッ、楽しみな事じゃ!」
「うん、この手なら、地球復興という、資金面にも充てられるからね!」
「じゃな!」
地球復興という資金面も充てられていく事になったのだった。
地球、アンドロメダ、アクアリウスの合同会議は、人知れず進んでいく――
――とここで、ミノルさんが。
「――しかし、父親の立場としてみても、そのヨーシキワーカさんという立場から見ても、
その弟さんは完全に利用されていて、騙されていたんだな……。
周りからも、いいように利用されて……」
あぁ……
とそんな嘆き声がしていたものだった……。
それに対して、サファイアリーは、こう切り返すものだった。
「実は、こう言った事は、30年以上も前から、それこそ200年以上も前から会ってた訳よ?
あなた達のお父さんやお母さん、兄や姉、弟や妹、親族関係などを使ってね……。
人生で一度きりのチャンスで、その毎月の給与額上がったり、
職の特権階級を利用して、部長や係長、課長や社長さん等に昇格していくシステムだったのよ?
この事を知らない人ほど、成功しやすく。
その陰で、盛大に泣きを見て、自分の人生の羅針盤を失い……。
人を殺したり、物を盗んだり、自殺したり、刑務所送りになったり、就職難になったり、
持ち家や財産などを、失って、泣きを見ている人達もいる。
そーゆう人達に決まって、誰かに、復讐したいと誓うものよ?
復讐が復讐の連鎖を呼び、他の誰かが、そうした被を、被っていく事になっていく。
あのフレアウィルスや、ブルーツウィルスなんかも、実は、ここから発症していた訳よ。
今の内から、何らかの対抗策を、予防策を、考えてみる……しかないわね!?」
「う~ん……」
とこれには、一同、考えさせられる思いだった。
「まぁ、答えを先に言うならば、どう考えてみても、昔の会社の事情にまつわる事柄なんだから、
1.ホログラム映像出力装置付きマウス(パソコン)を買って、
2.マイクロソフトか一太郎を買って、
3.メモ帳などに書き起こして、その当時の情報をできるだけ詳細に書いて、
4.職安のハローワークの担当の人や、その昔の会社に持っていって、記録の品を届け出する事。
5.お金は受け取らない。
6.謝って終わり。
――以上よ」
「えっ!? そんなんでいいの!?」
「ヨーシキワーカさんが語るには、月見エビバーガーオーロラソース社も、いきなりなぜ、こうまでして売り上げ利益が落ち込んだのか……。
その原因究明の糸口が知りたかったからよ!
今回は、たまたま、運悪くも、金巡りの話に繋がってしまった経緯があるの……」
「……」
「あれを、振り返ってみれば……。
なんだか『職業訓練校』を通して、『問題を先に持ち込まれてた線』が、『拭い切れない』からね……!?
あっちも、何だか被害者さんにも見えてきちゃう訳よ……これが?」
「……」
「フゥ……。だから、ヨーシキワーカさん当人としては、何だか昔の事なので、
今を見詰める為にも、新しく踏み出すためにも、ふん切りをつけないといけない!」
「……」
「だから、恥ずかしながらも、当時の昔の自分の記録を通して、
他の被害者層や、これから先出くわすかもしれない人達のためにも、
先見の明として、記録を残し、これを幾らか、役立てて欲しいわけよ。
在職中の方であれば、
3.メモ帳などに書き起こして、その当時の情報をできるだけ詳細に書いて、
一太郎から、PDF文書にして、それをUSBメモリーなどに取り、後でコンビニ等で、プリントアウトすればいいわけよ。
これを見て、会社側の人から見て、その人の事をどう思う?」
「あっ……責め切れない……」
「まだ……その人の方が、信頼があるよ……」
「でしょ?」
「……」
「ヨーシキワーカさんは、それをしてないけど……。
1年を過ぎていて、3年を超過していて、謝りに行けそうになかったの……。
だから、先達の失敗の汚点として、こんな悲劇を繰り返さないためにも、必要で、
小説として一般公開することで、『全体の共有資産』としたのよ!」
「……」
「それが、元会社員としての最後のケジメよ!
威力営業妨害も、名誉棄損も考えて、昔の会社さんだけは、名を変えたの!
いわゆるあの人なりの、線引きね?
その会社名を、そのまま一般公開すれば、攻撃を受けるのは、もうわかっていたからね……。
あの人は、治す者、だから……どんなに時間がかかってもね。
……続けるわ」
★彡
【ミシマさんに関わった年、3月下旬】
【人を騙すためには、取り次いで周りながら、まずは、その人の器の大きさを魅せる】
【そうやって、言葉巧みに騙しながら、ゆくゆくは、何も残らないようにして、絞り取られて行く……】
――マイアミの公共職業安定所』Public Employment Services In Miami(パブリック エンプロイメント サービス イン マイアミ)。
それは、ヨーシキワーカが、今日も、当時の担当者であるヨシュディアエさんの元に訪れた時だった。
その前の部分は、もう思い出せない……。
『――まぁ、ミシマさんは、許してくれるって。寛大な心で、ヨーシキワーカ君を許してくれるそうよ~ォ!?
だってあの会社から、『こ~んなに素敵なお金をたんまり頂いた』んだからね!』
大手を広げて、こ~ンなに素敵なお金をたんまり頂いたことを伝えるヨシュディアエさん。
ホホホ、人生の勝ち組よ。いい話に持ち込んでね?
騙し取ってやるわよ、ヨーシキワーカ君。
それであなたは、また10年間ぐらいの間は、昔の会社さんに戻りなさい。
このあたし、ヨシュディアエの名誉、職安の職員としての顔と建前を立ててね。
(お金……!? えっなぜ!? 出てくるのは黒いヘドロだぞ?)
『もうとぼけちゃって~!?
そんなにいい情報を持ってるなら、『先にあの会社に行った自分達にも持たせて(?)』くれてもいいのにぃ!?
今回は、『ミシマさんの大手柄(?)になりましたね……だって!?』
『??? ハッ……?』
(誰のだ? えっ……!? もしかして、イリヤマ先生やライセン先生、もしくは職業訓練校時代の修了生の誰かか!?)
『んっもう! そんなにいい事を知ってるなら、こっそりあたしに教えてくれてもいいのに~!』
『??? え? え?』
『ねえ、他に何かないの? 2人でコッソリあの会社に行って、『お金をもらってこない』? クスッ』
『……』
『もうっ何をとぼけているの!? 焦らさないでよ!? この意地悪(いけず~)!!』
『いや……えっ!?』
いけずとは。
関西圏で使われている言葉で、意地悪という意味です。
悪ふざけをしたときや、相手にちょっとからかわれた時などに、よく使います。
『あぁ、そうそうミシマさんがね』
それは、ミシマさんがヨシュディアエさんを通じた案内だった。見るからに怪しい……。
『――お昼から出てきたら、社用車の後ろに積んである工具類一式がどこにあったのか? その配置を覚えてもらいたいそうよ!
工事の途中で、中と外に停めてある車を何度も行き交う以上、
工具を取り出したはいいが、元のあった場所に戻せないようでは、モノを無くす原因に成り兼ねないからね!?
実際、現場でもそうした人がいて、ミシマさんも、そーゆう人たちを何度も見てきてるからね!
だから、ヨーシキワーカさんを雇う上でも、一度きちんとした場所で、
その社用車の中から、一度工具類の入った箱を、全部外に出して、
全部バラバラの状態で、『元あった場所にキチンと戻せる(?)』かどうか、『試験的に試す(?)』そうよ!?
その『講習会(?)』を開くんだって、
良かったわね~! ミシマさんみたいにいい人に拾えてもらえて~!?』
(フフフ、ウソ~~! 実は、ミシマさん本人が、高価な工具を一時的に隠して、無くしかか、盗んだかの疑いを、また掛ける訳よ!?
だから、また、騙されなさいよあんた!! クスッ)
『……』
(なんかおかしいな……。何で、一度、『クビ』にしたのに……『不合格』にしたのに……、雇い直すんだあそこ……!? 怪しい……)
『特別にヨーシキワーカさんを許してくれるそうよ!? もちろん、昔の会社の人達もね!?
良かったわね~! これで心置きなく、ミシマさんのところで雇ってもらえる形に勧めるわよ!?
じゃあ、こっちでもそのように、話を勧めるからね!?』
『……へ……?』
(ヨシュディアエさん、あなた、前回、『クビ』になったって言わなかったか……!?)
マヌケな顔を浮かべる俺(わたし)がそこにいたのだった。
何だって、そんな話になるんだ。
『……あら? そう言えば、その前に……』
う~ん……
と考えるヨシュディアエさん。
『ヨーシキワーカ君が前にいた会社に、一度は、顔を出さないといけないわねぇ!?
一度は謝りに行かないと、こっちもヨーシキワーカ君を堂々と雇えないだろうし……。
ミシマさんのところで、これからも、もっと働く事になるんだし……ね!
給料面も、あの会社と比べて、もっといいんだし……』
チラッ
とあたしはヨーシキワーカ君を、好意的な目で見る。
『?』
『ウフフッ』
と軽く、その頬を桃色に染めて。
『ミシマさんも、その問題が済むまでは、待っていてくれるそうよ! じゃあ、待ってるからね~!』
バイバイ
と手を振るうヨシュディアエさん。
『フフフフ……』
☆彡
――過去から現在に返り、アユミちゃんからの言葉が入り。
「――ねぇ、怪し過ぎない……そのヨシュディアエさんって人……なんだかさ……」
続いてミノルさんが、アヤネさんが。
「ああ」
「メチャ怪しい……」
最後にスバル君が。
「僕だったら、そんなスゴイ悪臭おばさんとは、関わりたくもないよ!」
と断じたのだった。
ほとんど一同は、その鼻をつまんだという。臭ァ……。
★彡
【マイアミの公共職業安定所』Public Employment Services In Miami(パブリック エンプロイメント サービス イン マイアミ)】
【ミシマさんに関わった年、3月】
【靴と作業着と工具の買い出しの話】
――何ぶん、古い記憶なもので、破砕(クラッキング)されて、揉み消されたものを、どうにか思い出しつつ、補完したものです。
うろ覚えですけど、だいたいがこんなものでした。
ミシマさんの勘違いから、ヨシュディアエさんは、大恥ものの赤っ恥をかいていく事になる。
『――あっ、ヨーシキワーカ君!』
その手を、ポンッと叩くヨシュディアエさん。
こっちに来て着てと促して、こう話すものだった。
『あのね……ヨーシキワーカ君』
『!』
『前の会社ではどうだったかはわかんないんだけど……。ミシマさんの所では、少なくとも何も用意する必要はなさそうよ』
『……?』
『あのね。後で今日2人して、一度、ミシマさんの所へ立ち寄ってから、
その足で車に乗って、作業着専門店に2人で行かないかって!?
そこで、ヨーシキワーカ君の足のサイズに合う靴を、ミシマさんの方で出してくれるって。
ミシマさんのところで務める形にもなるのだから、キッチリとした着ていく作業着も選ばなきゃね。
何もヨーシキワーカ君が、あの会社のところで働いていた時みたいに、何も無理してまで、自費で出す必要がなさそうよ!
すべて、ミシマさんの所の会社で、建て替えてくれるからね。
もちろん、辞めていく時には、そのすべてを、洗って返さなきゃダメよ!
破れたものは、何も無理してまで返す必要性はないそうよ。
良かったわねー!
……で、ちなみに、足のサイズはいくつあるんだっけ? たしか向こうの人達が言うには28㎝だったけ?』
『……?』
(オイッ……何で知ってんだ? あなたが、私の靴のサイズの事を……)
『ちょっと、こっち方の『懐も潤ってる』らしいから、『急な臨時収入が増えて』ね!
フフフフッ、良かったわねーっ!
これで心置きなく、ミシマさんの所で、働けるようになってきたわね……。
後は、向こうの会社の方に、ヨーシキワーカ君が『1人』で『頭を下げに行ってくれれば』ねぇ~……』
ウフフフフ
と笑みを浮かべつつ、その手を上下に振るう。
『……』
(1人で謝りに行ったところで、ハメて上げるんだから……。1人じゃ、何も証拠なんて残らないだろうしね……ウフフフ)
『……』
(どうせ、そんな事でも考えているんだろう?
まぁ、『認印』に関しては、その時には『持参せずともよくて』、
向こうが、勝手に偽造して、造り上げる事だってできる……!
あの月見エビバーガーオーロラソース社周辺には、ナフコもあるし、100均一のセリアだってある。
何ならほんまもんの認印製作所だって、その周辺にはある。
それに、職業訓練校に通っていた以上、その書類関係にも、認印を使っていた以上、イリヤマ先生達だって、それは知ってる。
あの講義の場で、100均一の認印でも、認証されると謳っていたものだ。
誰が、『そんな危ない橋を渡るものか』ッッ!!)
微妙な間……。
『――えーと……あっそうそう、そのミシマさんの車に乗って、一緒に行くんだから、
その時にね、ついでにミシマさんから、ヨーシキワーカ君と共に一緒に使う、工具なんかも一緒に買い出しに行かないか!? って誘われてきちゃってるのよ!?
ミシマさんって、素敵で、いい人じゃないのよ!? うん~~!?
その仕事で使う工具なんだけどもね……。
ミシマさんが言うには、何もヨーシキワーカ君が1人で、その場で、全部選ぶ必要もなくて、
その時、一緒に自分も付いていくから、その時に相談にも乗って上げたり、実際の仕事現場で使うようなものを、逐一アドバイスしてくれるんだって、
良かったわね~!? ミシマさんみたいな、いい人に『捕まって良かった』わねぇヨーシキワーカ君も!?
何だか、いい人過ぎじゃないあのミシマさんって~!?
うん、いい話じゃないのよ~!? あのミシマさんに付いていけば、何だか『間違いない(?)』わ?!』
『……』
『……』
私に、期待の目を向けるヨシュディアエさんだったが……。
ガクッ
とその肩を、何だか大きく落とす姿があったものだ。
ちっともなんでか、反応しないこの子は、いったいどうなってんの、ちょっとは期待してたのに……何でぇ~。
『ハァ……。やっぱり、ヨーシキワーカ君でも、その程度だったかぁ……。ハァ……ちょっとはこっちも期待してたんだけどなぁ……?』
『……』
『やっぱり、あのミシマさん達みたいな『能力がある人達』と違って、
見ずぼらしいヨーシキワーカ君なんかじゃ、やっぱり、その辺にいる子達同じで、まだまだその程度の子だった事ね。
他の周りの多くの子達と同じね。
あーあ……やっぱりヨーシキワーカ君にとって、あのミシマさんとを比べると、こう、なんだか輝いて見えた人だったのね!? ……チラッ』
『……』
(チラッて自分で言うんかい!?)
その目線を伏せる、ヨシュディアエさんがいて。
『……ッッ、やっぱりダメ? これだけやってみても……何でぇ!?』
『えーと……今日も、どうもありがとうございました?』
『……ッッ』
(まさか、ヨーシキワーカ君が、好きな女性ってあたしじゃないの!?
まさか、そんな筈はないわ!! そうよ、絶対にそれはない……ハズ……)
(いや、そうじゃなくて、
あの3日間が終わった後、割とすぐぐらいにあなたは、その口から、『不合格』になりましたよ……と言いませんでしたっけ!?
そらぁのっけから、『無理がある』わ……)
☆彡
――過去から現在に返り、エメラルティさんは、こう語る。
「――ヨシュディアエさんは、前日、ヨーシキワーカさんに、合同会社三電工から『不合格通知』がきた、と言いながら、
なぜ、ミシマさんの所を進めると思う?」
「……」
「それはねぇ、カモがネギを持っていて、騙しやすそうな求人を見つけて、その後から、舌なめずりするようにして、盗り立てようとしていたからよ。
ミシマさんとの3日間の時に、こーゆう決め手が、会っていてね――」
★彡
【ミシマさんに関わった年、3月】
【電気のミシマさんから見聞きした、内部犯の犯行、その闇子による問題の仕込み、周りの伝手】
――高速道路を疾駆するワゴン車。
その中には、運転手の仲介業者の卸売さんがいて、この人の会社さんから、このワゴン車を貸し出してくれたものだった。
同席者は、ミシマさんに、ヨーシキワーカを含め、3人だった。
『――もしかしたら、『俺の知り合い』が、お前の『昔の会社の中にも』いて、そこで『何か問題を仕込んでいた』のかもしれないな……!?』
『!』
(問題……!? 電気屋仲間のミシマさん達が!?)
『まぁ、何かあっても大丈夫だ! 『あっちで上手く誤魔化している』!!
そんな奴は、『この社会にごまんといる』しな!
周りの会社の奴等は、『何でなのかよくわからない』だろうしな……!?』
ククッ
と嘲笑うミシマさん。不敵で不気味で悪い笑みを浮かべていた。
次いで呟いた一言は――
『――『内部犯の犯行』だから……! 『上手く取り次いで回っている』し……!』
視線を切り、窓の外を見る。
『『周りにはそうした犯行はバレない』……。『そんな証拠は、もうどこにも残っていない』し……。
いやもう、『忘れている頃』、『時期かも』な……!?』
ククッ
と含み笑いが込み上げてきて、その体が妙に動く。
それだけ面白おかしいという事だ。
ネタバレをすれば、それは、時限式の爆弾みたいな問題工作作りだった。
『ハハハハハッ!! もうお前は、俺のところに着てるんだったな!?』
『……』
『もうそんな所とは、縁を切ってるだろうしな!! もう関係のない話だ!
俺が上手く、周りに誤魔化してやる! 俺の周りの伝手はスゴイんからな!』
『……どーゆう人達がいるんですか? ミシマさんには同じ電気工事会社の人達、その知り合い『だけじゃない』んですよね!?』
『フフッ、秘密だ。同僚関係の『怪しい連中の極一部だけ』だ!
……まぁ、去年だって、『軽く2000万円以上は稼げた』んだからな……!
あそこ等辺から散々盗り立てて、
後で飲み会仲間達を呼び集めて、パ――ッと気分良く使っちまって……、もう手元には何も残っていない……。
まぁ、また後でやるか……!?』
運転手さんは、バックミラー越しに、その怪しい人物ミシマさんを見て、
ヨーシキワーカも、そのミシマさんを、怪しんでみていたものだった。
『……』
『……』
『あっ……この話ししちゃマズいか……!?』
で、運転手さんが。
(ここで、バレるといけないからな……)
『……まぁ、大丈夫でしょう!? ミシマさんの所へ入ってくる人なら、その門戸の人達が、そうやって簡単に口を割る心配はないと思いますよ?』
『そーゆうもんなのか!?』
『ええ……そうしたものなのです。実際、今までに1人だっていないでしょう?』
『いないな確かに……不思議と何でだ!?』
『フゥ……。自分も周りの人達と一緒で、同じで、この業界で生きていますからね!』
『……』
『……』
それは、当然知っていて、当たり前、という事だった。
TV報道を通じて、よく話題になっているからだ。
それだけじゃなくて、人の噂話によっても。
『不思議とそーゆう話は、耳に入ってくるものなんですよ!?
ミシマさんだけじゃないんですよ? そうした方々が、実は周りにも大勢いらっしゃるんです』
『……』
『だから、安心してください。
僕達は雇われた身の上ですから、口は割と堅い方なんですよ?
自分の方から、わざわざ信用を無くす素振りは致しません。
今自分たちが務めている会社に、悪い印象の問題は、持ち込みたくはありませんからね!? 『それは誰もが同じ』ですよ!?
だから、もっと自分達を、あなた達が信じてくださいよ』
『それを信じるに値する根拠はあるのか!?』
『……あるじゃないですか!? その目の前に……』
『……まさかこいつか!?』
『……ええ、黙っているという事は、『そーゆう話は以前からも知っていて』、そうした問題に自分から首を突っ込みたくはないという事ですよ!?
自分も同じ立場の人で、こーゆう目に合ったら、その人と同じように、敢えて黙っていますね』
『……』
『実際、健気な者なんですよ……!?
ミシマさんも、そーゆう身内の人を中に入れた方が、いいと……自分は思いますけどね!?』
『……こんなのがか……!? ハァ……』
その時、ヨーシキワーカの心情としては。
『……』
(まぁ、せいぜい我慢できても、3ヵ月間が、関の山だな……! 1年もしたら、もう我慢できないから、やるけど……!)
人の我慢の限界は、おおよそ3ヵ月間である。
1年もしたら、洗いざらい話します。
でないと気が落ち着きなく、済みませんので、あしからず……。
とここで、ミシマさんは、ヨーシキワーカよりも、長年の付き合いのありそうな運転手さんに、こう言わしめるものだった。
それは、悪い誘い手の手口だった。
『俺はこいつみたいな奴よりも、今運転していて、俺の話に付き合っているお前のような奴が好きなんだがな……話のウマが合うし……』
『……』
『……』
ここで、運転手さんも、ヨーシキワーカも、無言になり、考えさせる思いだった。
これは、人としての線引きである。
一般人として生きていく者か、人を騙す詐欺屋として生きていく人の、最低限の線引きである。
『……ご冗談を……』
『……』
『ここには自分、『仕事仲間』として、一緒に同伴している仲なんですよ!?』
『それでもこんな奴よりも、幾分かマシだ!』
『……』
(こんな奴か……。まぁ、確かに……)
『……フゥ……、あなた『も』、嫌われてますね!?』
『嫌われているのは、使えもしないこいつだ!』
『……』
ボソッ……
とそれは運転手さんの独り言だった。しかも、声が小さい。
これは、実際にあった出来事である。
(まぁ、敢えて言うなら、もしも、あなた達側会社の人達が、自分達をもっと信じきれず、そうした問題事を持ち込んできた時には、
こっちまで、『私共の会社まで裏切った』時には、
こっちにも、『それ相応のやり返しの仕方と手口』も、『辞さない』んですけどね……!?)
とここで、ミシマさんが、その小さい声に気づいて。
『んっ!? 何か言ったか……お前!? こう何だか聞き取りにくい声だったんだが……!?』
『あっいえね。いろいろと前の会社で、忙しかったですね~!? と思って……ミシマさん、今後どういった『打ち合わせ』をしましょうか!?』
『フッ……お前も中々したたかなだな……お前もこーゆう男を良く見習えよ!?』
『……』
確かに、見習うべきなのかもしれない。
私には、人前で、こーゆう風に流暢に喋るような技能は、積んでいない……。
前の会社では、ただ黙々としていて、その日一日、誰とも喋らない事だってあったからだ。
当然、そんな優れた技能は、積んでいない……。
『それが世の中の上手い渡り方ってやつなんですよ!』
『お前!? ホントいい事言うな――ッ!?』
『自分もミシマさんと付き合って、少なくはありませんでしたからねぇ……そう言った世渡り上手を、あなた方から学んだという事ですよ!?』
『フッ、これだよこれこれ!!
お前も良くこーゆう奴を見習っていくんだぞ!? そうしたらもっと手頃のいい懐を、こっちから払っていけるんだからな!?』
『まぁ、この世の中にはいろいろあって、そういった上手いパワーバランスの協力関係を、会社同士でしているという、難しい話ですよ!?
まぁ裏のこういったやり口で、上手く、表の世界が回っている訳です』
『うんうん』
『ミシマさん達のような悪くても、『そういった人材』がいてくれないと、上手く世の中が『立ち回らなくなっていきます』からね……!?』
『ハハハハハッ! 良くわかってんじゃねぇか!? やっぱお前も!?』
『はい! やっぱりその、ミシマさん辺りの話に付いていって、皆さんその辺りに詳しく、その尊敬していましたからね!?』
『うんうん、よく、そのわかってんじゃねぇかお前も!? そこん処はなぁ!?』
『ええ、はい、そのもちろんなんです。
その辺りの話の中に、どうもその詳しい人がいて、
そうした反撃の機会の中の話を、その伺って待っていましたからね。……黙って信じて待ってて……ね』
『……?』『……?』
☆彡
――過去から現在に返り、エメラルティさんは、こう語る。
「――と、このミシマさんと付き合った3日間の話の中にあるように、
ミシマさんの知り合い関係がいて、それが、月見エビバーガーオーロラソース社内に、潜んでいた訳よ!
確か、あの上の連中とか、部署の感じの……とか、知ってたぶりで話していたわ」
これには、ミノルさんも。
「つまり、月見エビバーガーオーロラソース社内に、身内関係がいて、間者がいて、それが知り合いの闇子だった訳か! はぁ!」
「ええ、ミシマさんを、その中に信じて、招き入れることはできた、って訳よ!
せいぜい、招き入れたのは、上の2階の総務課と、下の1回の製造事務所、そして工務室等でしょうね。
そこで、隠れて忍んで、イリヤマ先生やライセン先生を、呼び出したって、ところでしょうね!?
ここでのポイントは、いったいどこで、電話をしていたのか!?」
「いったい、どこで、電話をしていたのか……!?」
「ええ、実は、意外と、その上と下の連携機能が悪く、知っていた話と知らない話が、ゴッチャになっていて、
月見エビバーガーオーロラソース社の株主様も、頭を抱え込んでいて、
不正にも、送金の抜け出しなどがあっていた訳よ。
もちろん、不正の『裏帳簿の改ざん記録』だって、お手の物だったんだけどね!?」
これには、元ホテルのオーナーである、ミノルさんも、アヤネさんも。
「……やはりか……」
「まぁ、それはできるでしょうねぇ……上は知っていても、どーゆうカラクリで、誰がその犯人なのかが、わかんないからねー!」
「ヒントは、『ミシマさん』と『ライセン先生』の『年齢層に近い人物』と当たっていくのが良くて、
弟君の話を振り返っていけば……」
★彡
【ミシマさんと付き合った年、6月だったかなぁ!?】
【友達の友達の友達の話を聞き込んでいって、その話のどこかで、ミシマさんか、ライセン先生伝いの騙しの噂が仕込まられていた!?】
【なお、そのスナックサンドラインの人達には、ご迷惑を被り兼ねませんので、秘して黙っておいてください】
【恋愛関係成就の秘訣は、今は黙って、健やかに御両人を、温かく見守る事です】
――それは、食器洗い場付近での話だった。
その場にいたのは、母、私、弟の3人だった。
『――お兄ちゃんのせいで、前にスナックサンドラインにいて、今は別の、上の部署にいる人なんだけども……。
その頃に、意中の人物が、前に一緒の所にいて、その話をするのも何だが億劫で、
その告白はできなかったんだけども……今はまだ少なくとも……一人前になるまでの間までは。
……っもう何で、勝手に辞めちゃったんだよ!?
お兄ちゃん1人止めたせいで、そうした人達のお給料だって減額されていて、ベースアップ賃金とかの階級の話が無くなっちゃったんだよ!?
これ、全部お兄ちゃんのせいだからね!?
……そのせいで、せっかく好きになった人に、その打ち明けられなくも、なっちゃてて……』
――そこへ、お母さんがこう言ってきて。
『タダちゃん。それはその人達の問題であり、今は、この子のせいじゃないわよ?』
『えっ……今はそうなってんの!?』
『そりゃあそうよーっ! だってよくよく考えてごらんなさいよ!?
この子1人抜けたぐらいで、その会社の業績が、ホントに、何も大きく傾くだなんて、その正直思えないものね!?』
『え……』
その時、ヨーシキワーカの心情としては。
『……』
(確かに、200人ぐらいはいるんだから、また、別のどこかのラインから、応援を寄こせば済む話だ。
私が、在職中の時にも、それをやっていたぞ)
『あなた、それ、ひょっとして……そのミシマさん伝いからの入れ知恵なんじゃないの!?』
『うん、そうだよーっ! だって、俺達の昔の友達仲間を、その聞きこんでいけば、『その人達の年齢層が近い』もの』
『……』
『……』
(年齢層が……近い……)
『もうお兄ちゃん何でさ!! 俺のどの友達中間なんとかが言ってたんだけども、
そのお兄ちゃん1人だけ、『犠牲』になれば、
その2人がめでたくも、今春か、そのまた来春かのどちらかに、
その一生付き合えたのかもしれない、いい仲だったんだって話なんだよ!?
俺の友達付き合いの人達の、そのさらに友達付き合いの話を聞きこんでいけばさぁ!?』
『ねぇ、あんたそれ……』
『んっ!?』
『いったいあんたは、何を見て、今言っているのよ!?
その友達の友達のそのさらに友達なんかよりも、
今は、そのお兄ちゃんの方が、そのずっとじっと付き合ってきたんだから、無二の血の繋がったお兄ちゃんが大事なんでしょうが!?』
『でもこいつ、全然何も働いていないしね!!
それよりもまだ、ミシマさんとその友達と付き合っていた方が、ずっと面白くてその稼げるんじゃないかなぁ!?
お兄ちゃんがその会社さんに謝りに行って、
その感じで、またあのミシマさんとまた付き合えばさ!? ねぇ~そんくらいでいいでしょ!?』
『ハァ~……。そのミシマさんのせいなんでしょうが!?』
『そんな訳ないだろっ!? ぜったいにそのこいつのせいだって!? 今、どこも周りがその騒いでいるもの!! その噂で持ち切りだもんね!!』
『あんたもう、少し、頭を冷やしてきなさい……』
ムッ
とこれには、正直、苛立ちを隠せない弟は、ズンズン、とその足音を立てながら、自室へ向かうものだった。
とここで、守護霊チアキが。
(もうダメね……あの子……)
(まぁ、何とかするさ)
(!?)
(私(俺)から、そのヨッシュタダワカーセに、ラインでメールを送ったりすれば……まだ繋がる)
☆彡
――
過去から現在に返り、エメラルティさんは、こう語る。
「――お兄さんは、弟君にメールを送ったわ。
その返信を信じてね……。
けど、結果は、向こうにしてみれば、お兄さんからの愚痴メールを、聞いていただけ……のものだったの。
つまり、結果を知っているのは、その会話の内情を知っているのは、弟君だけ……だったの。
その後、お父さん、ファウンフォレストさん伝いでしていったんだけども……。
ヨーシキワーカさんには、直接の取り次ぎ話が、なーんもなかったそうよ……。
だから、正直何もわからないというのが、現実的な悲しい話なのよ……」
「ヒデェ……みんな黙ってやっているんだ……」
「ええ、そうした手柄なんかは、ヨーシキワーカさんから持ち込まれたものなんだけども……。
みんな黙ったまんま、持ち去って行って、
情報と金銭との『対等対価』だった訳よ……。
つまり、ヨーシキワーカさんは、情報やアイデアなんかを、盗まられただけで、手元には、なーんも残ってないの。
つまり、包み金の証拠の隠滅だった訳よ」
「あっ……ミシマさんの話にあった……!?」
「なーるほどなぁ!」
「で、守秘義務の話に戻るけれども……。秘密を洩らした者には、法的制裁措置を取る事になっていて」
「……」
「ヨーシキワーカさんは、単なる掃除にまつわる話だから、箱洗い作業員だったから、何もお咎めなし、らしいわ」
「だとおもった……」
「でもね……。ミシマさん達は違っていて、
ヨーシキワーカさんから持たされた、掃除の仕方、黒いヘドロの抜き方が、いい金になったそうよ!」
「……」
「これは、月見エビバーガーオーロラソース社の身内関係も含め、
イリヤマ、ライセン、ヨシュディアエさん達と共謀する事で、800万円(606060米ドル)ほど前金を頂いていたからよ!
法体系に則れば、おおよそ賠償責任報酬は、1000万円(75757米ドル)。
その内、既に前金で800万円(606060米ドル)ほどもらっていた事になるから、
200万円(は、確実に、ミシマさんの手取りになっていた訳よ」
「掃除で200万円(15152米ドル)。それはいい金だなぁ」
「そうね」
「だから、ヨーシキワーカさんを、無理にでもなんでも、誘おうとしたわけよ!?
その黒いヘドロの、掃除の仕方が、その正体がバレた頃には、もうミシマさん達は、赤っ恥ものの悲鳴でね!!
ただの掃除の仕方に付け込んで、ここまでやらかしてしまっていたから、
何が何でも、ヨーシキワーカさんの責任(せい)にするべく、
弟君を通して、妙な話を聞いていて、それが似たようなものが、2回、2回会っていたらしいわ!」
「2回!? どーゆう事なんだ――」
★彡
【ミシマさんに関わった年、3月から4月】
【妙な2回、1回目は、ミシマさんの心情】
――それは、ヨーシキワーカさん家の夜食の食事中の風景だった。
『うわぁあああああ!! ミシマさん、お兄ちゃんが昔いた会社に行って、
電動のこぎりで、次々とパイプ管をぶった切っている――ッ!! あの人怒らせると怖え~~ッ!!!』
『ハァ……』
『『?』』
呆れ加減の父に。
何事かと怪しい感じの弟を見詰める母と兄。
『もうお前!! あっちに行けッ!! うるさくて敵わんっ!!』
『フンッ! ここでジッと飯を食べているより断然いいよ! こっちの話を聞いていた方が、まだ、面白いからね!!』
その弟は、席を立ちあがり、自室に向かって歩みを進める。
気になるのは、やはり、その内容だった。
とその後ろから父の声がかかる。
『もう今日お前は、何も食わなくていいぞ!』
『フンッ、別にいいよ! こいつなんかと一緒に飯を食うぐらいなら、こっちに付いた方がいいもん!! 見てて飯がマズくなる!』
『フンッ!!』
鼻息を荒くする父。
その痛い視線はその弟を射貫き、たまらずその弟は、その席を立ち、自室へ向かい、そこでこもるのだった……。
☆彡
――過去から現在に返り、エメラルティさんは、こう語る。
「――そしてもう1つ!」
★彡
【ミシマさんに関わった年、3月から4月】
【妙な2回、2回目は、ヨシュディアエさんの心情、それは、求人検索画面のホワイトアウトを示すものだった】
――それは、ヨーシキワーカさん家の夜食の食事中の風景だった。
その時、家の弟が、腕時計型携帯端末(フューチャーウォッチ)を見ていて、こんな事を口走っていたものだった。
うろ覚え程度だが、だいたいがこんなものだった。
『――うわぁあああああ!!! ミシマさん!!!
昔、お兄ちゃんが辞めた会社に行ってきて、そこで、手に持った電動ノコギリで、配管の上に立って、
そこの配管の連結間の接合部なんかを、バスバスと何でも叩切っている!!
そこにいた、昔の会社さんなんかの人達なんかも、一緒にそれを見ちゃってて、怯えちゃってて、しり込みしてる!!!
えっ!? 何だって、あのミシマさんが上の人達に怒鳴り込んでいった!?
あの人を怒らせると恐っかねぇ!!!
これは、あそこのお姉ちゃんに教えてやらんば!!! これは大変な事になる!!!』
☆彡
――過去から現在に返り、エメラルティさんは、こう語る。
「――と、弟君を通して、いくらか口裏を合わせていた訳よ……。
これは、1回目は、ミシマさんの心情を表していて、どうにかして、騙せないのかと考えていたもの。
2回目は、ヨシュディアエさんの心情を表していて、求人検索画面で調べても、掛からないようにして、職員端末の方から切断していたから……よ」
これには、アヤネさんも、ミノルさんも、アユミちゃんも、スバル君も、相当呆れていて……。
「呆れるわね……。あたしがそこにいて、お母さんの立場ならば、自分の息子が、突然そんな事を言い出したら……酷く幻滅するわね……」
「だな……。父親の立場としても、掛ける言葉も、その難しいものだろうな……」
「うん……」
「だよねぇ……」
とここで、エメラルティさんが、で、ついにシビレを切らしたミシマさんが、職業安定所に殴り込んでいったとする、ウソの吹聴も立っていたけど……。
さっきの話も含めると……ヨシュディアエさんの作為的な線だった訳よ。
配管の連結部なんかが、その求職者の閲覧制限だったという……オチなのよ。ハァ……」
「オチもよろしいようで……」
★彡
【マイアミの公共職業安定所』Public Employment Services In Miami(パブリック エンプロイメント サービス イン マイアミ)】
【ミシマさんに関わった年、3月下旬】
【誤った想い人、その人は気になっていた人】
『――いきなりミシマさんが怒鳴り込んできたわ……』
『……?』
『見える? あそこの職員さん用のゲート……!?』
『……』
『あそこからミシマさんが、恐い顔をして怒鳴り込んできて、
ここの横から、ヨーシキワーカ君が好きな人があたしなんだって、周りに言いふらしまくったのよ!? もうっどうしてくれんのよ!!』
頭を抱え込む、ヨシュディアエさん。
上がるは、心からの悲鳴だった。
『もうそこら中、あたし、注目の的だったのよ!?』
『……』
【――件のヨーシキワーカすら何でこんな事になったのか、わからず!? 茫然自失となって立ち尽くしていたんだ……】
【その時だった。ここにいる職員さん達が、事の真相を告げてきたのは――】
『――そんな人、元々ここへきてないわよ?』
『一日中静かだったわよね!?』
『そのミシマって奴が、そもそもここにはきてねぇぞ!?』
『どうやって、『そこの職員ゲートを通る』んだよ?』
『せいぜいそのミシマさんからの電話を、そこで受け取って、『そこで騒いでいただけ』でしょうが!?』
『何言ってんだこいつ?』
【――それがマトモな真相だった――】
『――……ねえ、何か言ったらどうなの……!? あの人と付き合って、いったい何があったの……!?』
『……』
【――何も言えないヨーシキワーカ】
【そもそも何も言えるはずがない、自分が従事したのは、たったの3日間だけ】
【その中で、いったいどんなことを呟いたのだろうか!?】
【この目の前にいるヨシュディアエさんを、『ここまで追い詰めるような言葉を吐いた(?)』だろうか!?】
【……否! 有り得ない! 何かがおかしい!】
【あのミシマという男が、どういう男なのかわからず、どんな風に言いふらしまくったのかわからないからだ!?】
『……』
『……』
ヨーシキワーカと、勘違いの騙し屋のヨシュディアエ。
【その人に責められた事で、何も言えずじまいのヨーシキワーカ】
【その対応に困惑してしまう】
【巻き込まれた被害者(?)のヨシュディアエすら、悲しそうと、疑いと、軽蔑の顔を同居させて、その男を睨んでいた】
『……』
『……』
【そこからしばらくして――】
『――しばらくヨーシキワーカ君には、反省が必要ね……。
いったいあの人と何があったのかわからないと……。あたしの所からは、もうヨーシキワーカ君を出せません……』
『……』
【――目の前の視界が暗くなっていく……】
【音が遠ざかり……空気の震えが止まった……】
ヒソヒソ、ヒソヒソ
【それは人のヒソヒソ話だった】
(? 何だ……?)
「そんな事なかったのにね……」
「なんか怪しかぞこの女……」
「そんな人来なかったぞ……」
「自分の受け持っている子でしょう? そんなに追い詰めたいのかしら?」
(……!?)
【目の前にいるヨシュディアエさんから、何か黒いものが見えた……】
【それは視界の中、真一文字の線が横に伸び、空間を裂いて、何か黒いものが浮き上がってきた……】
(何だ……!?)
目を細めるヨーシキワーカ。
【その正体は不明……】
【何かの危機を報せるものだと推察される】
【後日、再び、ヨーシキワーカがここを訪れ、ヨシュディアエが何かを言っているとき、目の前がグニャと音を立てて歪んだのを覚えている】
『……』
【それは何かを暗示めいたものだったのは、確かだった】
☆彡
――過去から現在に返り、エメラルティさんはこう語る。
「――特殊集団詐欺グループの手は、標的を定め、孤立化させることが真の狙いなの。
人間1人になると、ホントに何もできないものよ?
だから、犯人達も、できだけその人を、1人にさせる必要があったの……。だいたいお決まりの文句は――」
★彡
【マイアミの公共職業安定所』Public Employment Services In Miami(パブリック エンプロイメント サービス イン マイアミ)】
【ミシマさんに関わった年、3月】
【何かしらの理由をこじつけ】
――ヨーシキワーカは、『反重力垂直離陸型航空自転車』Anti-gravity Vertical Take-Off Aviation Bicycle(アンチ-グラビティ ヴァーディカル テークオフ アビエイション バイセコー)に跨って、運転していた。
乗っているモデルは、バイクだが。
自動車モデルもあり、その名を、『反重力垂直離陸型航空自動車』Anti-gravity Vertical Take-Off Air Vehicle(アンチ-グラビティ ヴァーディカル テークオフ エアー ヴィークル)という。
あくまでこの2つは空を飛ぶ車の後継機モデルであり、
その前者を、『電動垂直離陸型無操縦者航空機』Electric Vertical Take-Off and landing type unpiloted aircraft(エレクトリック ヴァーディカル テークオフ アンド ランディング タイプ アンマンド エアクラフト)。
通称『EVTOL』イーブイトールというのだ。
もちろん、ヨーシキワーカが乗っているタイプは、AIナビ補助機能付きだ。
これは有事の際、人命を護るために補助的に付けられている機能だ。
ヨーシキワーカは、ある所に立ち寄った後、そこであった出来事を思い出しながら、バイクを走らせていた。……その時だった。
PPP……PPP……
「!」
それは腕時計型携帯端末(フューチャーウォッチ)に届いたものだった。
それはたったの3日間で辞めた、
『合同会社三電工のミシマ』Liadility Company Electrician Mishima(ライビリティ カンパニー エレクトリシャン ミシマ)、
その代表のミシマさんからの呼び出しだった。
私は何だろうと思った。
『――あれ? 何か君の周りで騒ぎが起きていなかった!?』
『ミシマさん!? えっ……!?』
(何でそんな事を知ってるんだ!?)
明らかにおかしい……。
『今日、『マイアミの公共職業安定所』Public Employment Services In Miami(パブリック エンプロイメント サービス イン マイアミ)に行ったよねーェ!?
そこで彼女さんの様子がおかしくなかった~ァ!?』
『……』
(何でそんな事を知ってるんだ……!?
こんな短時間の間に……、何かがおかしい……!?
あのヨシュディアエ(ひと)から!? それとも別の職員を通して!……? 誰かが、この人に取り次いだ!?)
『君が悪いよねェ……!?
俺は、あの時あの場でキチンと言ったはずだよね~ェ!? 『ここはブラック』だって!?
そうとは知らず、君はこの世界に飛び込んだよねェ!?
どうするの~ォ!? チャンとそう説明したよねェ!?
君を雇う上で労働基準法について、あれだけ説明したのに~ィ……。
君は一切、ノートにメモを取らなかったよねェ!? 君の落ち度……すべて全~部、君の責任だよね~~ェ……!?』
『……』
(――明らかに、騙す人の口調、その言葉使いだった……。
その当事者は、この時、こう思った。
あぁ、ヨシュディアエさんがあんな事になったのは、きっとこの人のせいだ。
仕掛け人は、間違いなくこの人……。
――この時ばかりは、そう思っていた。
だが、現実は違った。
実は、ミシマさんとヨシュディアエさんは、
以前から共謀を担いだ、職安の特権を悪用した、私利私欲ものの公私混同の職権乱用ものの、犯罪に片足を突っ込んだ悪い人だったんだ。
特殊集団詐欺事件という、証拠の揉み消し役の――)
『クククッ、今更、自分の親に泣きつこうだなんて、頼ろうだなんて思わないよね~!?
そんな甘ちゃんじゃないだろお前は~ァ!?
もう、自分の穴(けつ)も自分で拭けるいい年こいた人なんだから……!
もう成人した一人前の大人なんだから、自分1人の力で解決して、彼女さんにいいところを見せろよな~ァ!?
自分の責任には責任を持てよ!! いつまでも子供じゃないんだからなッ!!』
『……』
『クックックッ、これから君の周りでいろいろと大変な事が起こるけど……。まァ、楽しみしててね~~ェ……』
『あっ待……』
P……
『………………』
【私は、俺は……今、この場で、どんな顔をして、立ち尽くしていたんだろうか……!?】
【今、俺はどんな顔をしてるんだろう?】
『………………』
【親に相談すべきか? イヤ……ダメだ……】
【今は、まだ何か起きているのかわからない……事態を正確に把握していない……)
(楽しみにしててね……か!? あのヨシュディアエさんのあの様子……)
【あちらから何らかのアクションを起こすかもしれない……】
【それまでは黙ってよう】
『……』
私は、俺は『反重力垂直離陸型航空自転車』Anti-gravity Vertical Take-Off Aviation Bicycle(アンチ-グラビティ ヴァーディカル テークオフ アビエイション バイセコー)に跨り、
エンジンを吹かして、滑走する。
【――チャンスは、いつか巡ってくる……】
☆彡
――過去から現在に返り、エメラルティさんはこう語る。
「――チャンスは、いつか巡ってくる。あたしが、好きな言葉よ」
「……」
「その為には、長い長い、ひたすら長い、持久戦に耐えなければならないの。
相手は、直接は出ず。誰かを介して、その人に言わせるものだからね。
いわゆる別の誰かを立てた者であり、盾のようなものよ。
だから、面と向かっては言えず、秘して黙るしかない。
心と体の消耗戦なのよ。
職安は、騒ぎを起こすところじゃないし、ましてや恋愛相談所でもない。
そもそも、一般人のヨーシキワーカさんが、職安の誰かさんとお付き合いした事もない。
バカみたいに、周りから騒ぎ立てても、ダメって事よ」
これには、スバル君も、ミノルさんも、アヤネさんも、アユミちゃんも。
「職安は、恋愛相談所じゃないか……」
「言われてみれば、まぁ、当たり前だな」
「そんなのは、職員同士でやればいい話だからね」
「う~ん……確かに、言われてみればそうかもしれない……よねぇ?
昔、パパやママに聞いた話じゃ、職員さん達の窓口対応の相手は、いつも、一般求職者だったもの。
それ以外じゃ、同じ職員同士だものね……。同じ市内の……」
「……」
「顔だって知ってるし、名前だって知ってる。
そんな中で、恋愛感情なんてたったら、すぐに噂になるもの。
気まずくなっちゃうものね……同じ職安の人じゃ……」
「……」
「だから、窓口対応の一般求職者たちに夢見ちゃうもの。
だから、自分に恋愛感情を持っている、一個人限定ならば、そうしたよりよい優良求人出せちゃう。
けどね……それじゃ、『話は進まない』と思う」
「あら? なぜかしらアユミちゃん?」
「うん、ちょっと考えたら、子供のアユミにだってわかるよそんな事」
「……」
「上手くは言えないけど、いい求人にありつけないなら、
デート資金だって、結婚資金だって、婚約指輪だって、そのお金がいつまでたっても溜まんなくて、
いざ、その人に告白しようと思っても、相当、無理がある話じゃないかな?
年齢もあるし……。
だってさ、結婚する前に、Hをして、なんなりして、いざ子供までできたら、養いきれないもの。
その途中経過で、妊娠が発覚する前に、いい求人を出そうと思ってみても、
いざ、今務めている会社さんを、途中退社しようと思っても、相当無理があるんじゃないかな~ぁ!?」
「……」
「だってさ! それって、契約社員だから、来年の4月まで勤めようとするじゃん!?
それに人事異動だって、後輩への指導だってあるし。
上手くは言えないけど、決して……その女の人が思い描いているような、
夢じみた理想と、長く苦しい現実とは、往々にしてかけ離れてるんじゃないかなぁ~!?
アユミは、少なくともそう思うけど?」
「アユミちゃん、あなた、鋭い……ッッ!!」
「……?」
「一般求職者が、中々定職に就けず、いつまで経っても未婚のまま、歳だけ取っていったのは、
実は、そういった込み入った内情があるものよ!?
ほとんどの人は、付き合えば、まぁ、いいだろうと思うけど……。
実際はそうじゃない!!
まず、デート資金が、結婚資金が、婚約指輪資金がいるんだから、『正社員じゃないと話にもならない』訳よ!
パートじゃ不可!
共働きという手もあるけど、実際は、産んだ子を養いきれず、どこかに置き去りにして、育児放棄するか。
児童虐待により、その産んだ子を、殺してしまう事例が、TVニュースを通じて報道されているからね。
つまり、パート中に結婚しても、後で定職を探そうと思っても、時と場合により、『相当無理がある話』なのよ!」
「やっぱり……そうなんだ……」
「だから、パートの人はそのままって訳。それがピラミッド式の社会構図の実態なのよ。
誰かの不幸の上に、立っている人達もいるわけだからね。
だから、定職に就くためには……」
「まず、『免許取得』からか……。そのためには、『勉強』って訳なんだね?」
「うん、それが実情なのよ」
「……」
その時、エメラルティさんの心の内は。
(そう、そもそも、一般求職者と職安の女とでは、価値観も違うし、偏見的な視方や、立場も、それぞれの意見の出し合い方も、全然違う!
意思疎通の反りすら中々合わないものでしょう。
……職安は、恋愛相談所じゃないか。こればかりは、肝に銘じておかないとね……)
TO BE CONTINUD……。