28 優秀なお腹の虫さん
フゥに抱きしめてもらって背中ポンポンしてもらってる内に、だんだん涙が止まってきたけど、その代わりみんなの前で大泣きしてしまったという恥ずかしさが、すごい勢いでこみあげて来ました…
うわーっ。
ぶわーって顔が熱くなるのがわかります。顔をあげられなくてフゥに更にしがみつくと、
「きゅるるるる~」
「……」
なんか、大きな音が響き渡りました…
『『『『………』』』』
みんな、しーんって…
またですか…そうですか。私のぽんぽんの虫さんは働き者なんだ。きっと…ぷんだ。
『アハハハ!さすがサーヤの腹の虫だな!いい働きっぷりだ!アハハハ…(ふにゅっ) うおっ!?』
大声で笑い出すデリカシーのないクゥの足を思い切り踏んでやりました。くっ…!幼児のあんよではダメージは与えられない。
自分で思うのは良くても、人に同じように指摘されると頭にくるのはなぜでしょうか…キッと睨みますが今度はお腹抱えて笑いだしました…
どうしてやりましょうか…
ふと気づくとフゥも小刻みに震えてます。しかも顔を覗こうとしても、目を合わせてくれません。
「ぶー」
ひどいです。まわりを見ると、みんな一斉に顔を背けました。しかもみんな小刻みに震えてます。
いえ違いますね。一部の精霊さん、声も出さずにお腹抱えて笑いながら私の周りを飛ばないでください!クゥのまねですか。叩き落としますよ。
『こほん。いや。愛し子さ「さーにゃ!」ま…』
白いおっきなわんちゃん、違うの!
『サ、サーヤ、待って!それも違うのよ』
『そ、そうだった。サーヤ、頼むからわんちゃんは』
『『やめて~』』
なんですか?フゥ、クゥ、今は大事なとこだから後でね!
『『えぇぇ…』』
「
愛し子違うの!サーヤなの!
『いや、しか「さーにゃ!」し…』
「
これは譲れません!
『はあ、仕方ないな。後でちゃんと聞いてもらうからな。森の主様、すみません』
『いや、かまわんよ』
「うにゅ~」
クゥも主様も、今はサーヤが大事なお話してるんだよ!
『くすくす。そうよね。仲良しになったのにいつまでも愛し子様じゃ嫌よね』
「あい!
さすがフゥ!よく分かってます!
『しかし…』
「ふにゅ~」
まだ言うか~。それなら
「や!さーにゃ
ぷんっだ。
『くくっ。さーにゃじゃなくてサーヤだろ』
うぐぐ…この口め。クゥ、笑うのやめてくださいな。妖精さんが真似してますよ。
『主様、サーヤは普通に接してもらうことを望んでいます。どうかサーヤと。あと丁寧な話し方もやめてほしいみたいです。ね?サーヤ』
「あい!ぬしちゃま、おにぇがい!」
フゥの言う通りだよ!
『主様…それに森の皆様も。お願いします』
フゥがもう一度お願いしてくれると
『かしこ…』つーんだ。
『わかりまし…』ぷーんだ。
『はぁ、分かった。いと』じーー
『わかった。サーヤ。』にこっ!
くっと苦笑いしてます。わんちゃんなのにイケおじに見えます。男前ってわんちゃんでもあるんだね。
なんて考えてるなんてわからないでしょ。必殺幼児スマイル!にこっ♪
『いや、丸わかりだよな』
きゅい『うん。わかる~』
ぴゅい『かくせてるとおもってるの』
ぴゅういきゅい『『すごいよね~』』
…うるさいですよ。そこ。
『くくっ では、サーヤ。それに君たちもかしこまらず普通に話してくれ。それから落ち着いたようだし、今度こそ食事にしよう』
わんちゃん、やっと観念してくれました!そして、ごはん!
「あい!」きゅるるるるぅ
しーん…
『『『『アハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ』』』』
くっ、泣いてやる…
☆。.:*・゜☆。.:*・゜
お読みいただきありがとうございますm(*_ _)m感想など頂けましたら、喜んだサーヤたちから返事が届くかも?