第3章の第84話 どうしようもない問題11
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【(続)ある恥ずかしい書店での出来事、共犯者側で類する為、その是か非かで心の天秤が大きく傾く様】】
『――クソッ、じゃあもうホントにあの先生!! あそこからホントに出て来れんぞッ!? 何でこんな事になったんだ!?』
『それはあなた達が、あっちの方にいる、その人だと思われる人に連絡を取り次がなかったからですよ!!
今まで取り次いでいたのは、あの人のお父さんなんでしょ!?
何だってそんなヘマをしたんですか!?
こっちまでそうした噂が届いてますよ!! ちょっと聞いてるんですか!?』
良く知っている奴だった。
まさかそんな噂まで、ここまで届いていたとは……ッ
クソッ、何だってこんな事になったんだ!?
こんな事になったのは、全部あいつのせいだ。
あいつが起因している。そもそも根源だ。
俺は、あいつを探した。そして――
『――! ……いた! あんな奥まったところにいたんだな……!』
【――ついにその怪しい男性の人に見つかったヨーシキワーカ】
【だが、それは背中越しだった】
【距離も結構離れていて、そうした声は極めて届きにくい――】
店番の人も、その人に習って、あっちにいるヨーシキワーカさんの背中姿を見るが……。
自分は、ホントにあの人なんかどうか、疑うばかりだ。
だから、こんな呟きが零れたんだ。
『……ホントに、あの人なんですかぁ!? どこにでもいる普通の人に見えるんですけど……!?』
『間違いない、写真の通りだ!! ホラ!』
【――その店番の人に、その人の顔写真付きメールを見せびらかす怪しい男】
(……)
【考えみる聡明な店番の人の姿がそこにあった】
【その写真の入手経路は、如何にして手にしたのだろうか……!? 疑うばかりだ】
【それは口を衝いて出た言葉だった――】
『――何であなたが、そんなものを持ってるんですか!? 見るからに怪しいですね!?』
『グッ……ああっもうあのミシマがホントにィもうっ!!』
『怪しい……』
【悔しむ怪しい男性の人の姿が、そこにあった】
【その動向をねめつけるように怪しい視線を送る店番の人】
【……だが、その人の声を聞き、概ね理解した――】
『――あぁ、その人が『撮ったってことになってる』んですね!?』
『!?』
『知ってますよ! その写真の入手経路は2つあって、ダブルブッキングだったんだって!? 撮った写真がそもそも違うじゃないですかぁ!?』
『そんなところまでバレていたのか……。もうホントにどうなってんだこれェ……!?』
ナレーションで語るは、クリスティさん。
【――それがハッキングの恐ろしさよ?】
【身内間のそうした動きまでは、あなた達把握し切っていないでしょ!?】
【……どーゆう事!?】
【立場上危うくなったらねぇ……。誰か1人のせいにした方が、体裁としては形がついちゃうからよ!?】
【!?】
【誰しもが我が身可愛さゆえに、そうした責任を押し付けてくる事があるのよ……?】
【わかる? それが人の心理状態よ?】
【人の心理状態……】
そう、呟きを零したのは、スバル君だったわ。
だから、あたしはこう続けるの。
【……今回の場合は、そのミシマさん『1人のせい』に仕立てた理由(わけ)か……! もうやれやれね……フゥ……】
【……】
えらく詳しいクリスティさんがそこにいたのだった……、な、なんか恐い……。
彼女はこうも続ける。
【……その顔写真付きメールの入手経路は、2つあって!】
【1つは、ミシマさんとの3日間が終わった後! 6月から8月の間にかけて、1日だけ、働いたそうよ!】
【それはミシマさんを通して、弟君が取次ぎ、お兄さんに伝わったものね!】
【お父さんはもう、ミシマさんとは付き合うなと、毛嫌いしてたわ!】
【そしてもう1つは、その年から数えて、翌年に当たり、電気の資格試験があって、その受験申請のために、顔写真を撮っちゃったのよ!】
【ホログラム映像出力装置付きマウスにね!】
【で、それが当日中にハッキングに会い、ヨーシキワーカさんの顔写真が流出しちゃったってわ・け!】
【その日、当日中に、コンビニでの受験申請を済ませ、職業安定所に顔を出した時には……――】
『――何だこれ!? どうなってんだ!? 何でここにあいつの顔があるんだ!?』
【……とその職員さんが、その声を上げていたわ】
【ゾロゾロと人が集まってきて、噂が立ち始めていたものね……】
【でも、さすがにヨーシキワーカさんが、こんな事になるのはおかしいとして】
【その矛先が、ヨーシキワーカさんを介さずに、ヨシュディアエに行っちゃったのよ!?】
【さすがのヨシュディアエですら、いきなりの事なので、酷く困惑しちゃた事でしょうねぇ!?】
【脳裏に過ったのは、電気のミシマさん『達』のはずよ!】
とここでスバル君が。
【……何で気づかなかったの?】
【簡潔に言うと……いきなりの事だからね……】
【その職員さん全員が達観していたのよ! さすがにあの人を関わせるべきではない……と!】
次いで、ナレーションを語るはエメラルティさんにサファイアリーさん。
【さすがに関係ないってね……!】
【だから、最初からおかしいのはミシマさん達なのよ!!】
そう、断言の意を零すお姉様がいた。
次いで語るは、クリスティさん。
【だ・か・ら! ヨーシキワーカさんに一度も取り次がなかったのよ!! 犯人じゃないから!】
【本人の周りでそうした騒ぎを立てて、気を動転させたヨーシキワーカさんの反応を買おうとしてたのよ! うん!】
【周りでそうした、おかしな騒ぎが立て続けに続けば、怒りに心を乱した人がいて、犯人達の意に勝った話に転じ易いからね!】
とここで語るは、エメラルティさん。
【だから、そこにいる職員さん達は、予めそうした出来事があっていた事を、既に経験済みだったから、ヨーシキワーカさんに取り次がなかったのよ!】
【危ないからね!】
とここで語るは、サファイアリーさん。
【まったくと言っていいほど、その人を介さずに、取り次いでまわってて、騒ぎが信じられないほど大きくなっていたからね!?】
【医大生の女子大学生(DK)にも、聞き込んでまわっていたぐらいよ!?】
【……さすがに気づくんじゃ?】
【偽電話詐欺よ!? 事件だとわかれば自ずと、誰が被疑者で、誰が加害者かはわかるものよ? つまり――】
【その写真を大っぴらに流した人が犯人!?】
【【【正解!】】】
『……』
セクシービデオを手に取るヨーシキワーカ。
その裏面を確認する。
【――注目の人物、ヨーシキワーカ、その人を起点にして、起こっていた】
【それはまるで、凍てついた嵐の如く、心胆を寒がらせる……――】
ビュオオオオオ
そこだけ、まるで吹雪(ブリザード)のようだった……。
そうとは何も知らず、何気なく声を投げかける怪しい男性がいた。
『――この嵐の中心の中にいるのは、あいつだ……!』
『……』
声を投げかける怪しい男性。
それが、ヨーシキワーカさんの背中に声がかかる。
『……あの人がどうかしたんですか? どこにでもいる普通の人ですけど?』
『あぁ、あいつがこの騒ぎの中心なんだ……あんな見た目だがな……!』
『ええっ!? あんな人が!?』
『あぁ……』
(……?)
驚く得る店番の人。
頷き得る怪しい男性の人。
そして、それになんとなく気づくヨーシキワーカ。
それは自身の事だった。それは突然の声だったのを覚えてる。
自分の背中からかかってくるもので、俺かどうかは、半信半疑でわからず。
また、結構距離も離れていて、よくはわからないからだ。
こうした例の場合は、直接本人に話しかけて欲しいものだが……終始、それが行わられることはなかった。
『何であの人に電話をしないんですか?』
『先生から、生徒に電話しろってのか!? こんなになるまでどうしようもないぐらい負けてて……そんな恥ずかしいマネ、死んでもできるかァア!!!』
食って掛かる怪しい男性の人。
そのマスクの上からでもわかるぐらい、怒気混じりに生唾が含まられているようだった。
だが、マスク越しでもあったため、それが飛沫する心配はなかった。
『自分に怒らないでくださいよ?』
『グッ……済まん……』
確かに、店番の人に怒っても仕方がない。
むしろ、迷惑だ。
『ハァ……だから、こんなおかしな事態になってるんじゃないんですかぁ!?
言っときますけど、その人のお父さんからそうしたお願いあって、それがこっちまで行き届いているんですよ!?』
『!? 今、そんな事になっているのか!?』
『こんな事態になるまで一度も出さなかったから、そうなったんじゃないんですかァ?
そもそもの原因は、あなた達が、『最初に出さない』ようにして、
そうやって周りで取り次いでまわり、今まで面白いぐらい、勝ち星を拾ってきたからでしょう――!?』
『……』
『自業自得じゃないですかぁ!?
話が訳がわからないようにして、揉み潰してまわっていくためには!?
そうした事実を知る人が、いない方が、少ない方が、そっちとしては、都合が良かったんですからねぇ!?
だから、そうやって勝ってきたんでしょう!? 今まで……。
……あっ、これもある人を通してからの受け売りです!』
『……それは誰からだ?』
『さあ?』
ナレーションで語るは、クリスティさん。
【――フフフ、ホントに誰なのかしらね?】
【まぁ、人の噂が立っている以上は、その真偽を知るためには、その事件性を明るみにしなければならないからねぇ】
【ここぞとばかりに、周りの人達のそうした手助けの働き掛けもあって】
【何がなんでも、そのヨーシキワーカさんを勝たせようとする動きが、水面下で起こっていたそうよ!?】
【こんなにいい話は、他にないからね? 『無条件の自由の解放』っていう謳い文句は……!?】
次いで語るは、エメラルティさん。
【そうした経緯があって、ウェーブグローバルを通して公開されたのよ】
【で、以前、ハメられた人達がいてね……職業安定所に大挙して、ちょっとした大事の騒ぎが起きちゃってたの……!!】
【ここぞとばかりに、自分の無実の罪を訴えて、そのどうしようもない問題に対して、自身の身に起こっていた出来事を】
【そこにいた職員さん達に、打ち明けていたからね】
【誰もが助かりたかったのよ!!】
【次いでに言っちゃうと、そうした共犯者側もいて、その人達を騙していた事を詫びる為にも、そうしたチャンスの話を知ってからは】
【そうした運動の『助け合いの輪』に加わった訳よ】
次いで語るは、サファイアリーさん。
【例に漏れず、あのアヤにしてもそうね?】
【せっかくようやく、このどうしようもない問題に初めて勝った、1人だからね……】
【貴重も貴重な一勝よ! ……ホントィようやくね……!】
【【うん!!】】
と頷き得るクリスティさんにエメラルティさんの姿があったのだった。
で、ここに声を挟んできたのは、意外にもアンドロメダ王女様だった。
【……なぜ? その先生の方から、そうした生徒さんの方へ、一報を送っておらんのじゃ?】
【!?】
その御言葉を聞き取り、皆に話せるのは、スバルとシャルロットさんしかこの場にいない。
気を利かせて、その旨を伝えようとしたのは、スバル君だった。
【クリスティさん?】
【はい?】
【王女様のご意見だけど、なんで、先生の方から、そうした生徒さんに対して、一報を送っていなかったの?】
【! フッ……】
【あぁ、それはね……そんな恥ずかしいマネできないからよ?】
【【……】】
【目上の人物に当たる方だからね。ちょうど、王女様に言えるんじゃないのかしら? フムゥ……】
【こやつ……】
【まぁまぁ】
【また自分達側が与し、協力関係を持って、その生徒さんにこのどうしようもない問題を仕掛けちゃった手前もあるしね……】
【……】
【自分達側が明らかに劣勢に立たされた以上、とてもとても、自分からはできない訳よ? 『泣きつく』体になっちゃうからね?】
【悪ガキの貞操ですね……】
そう、呟きを零したのは、ところ変わって気を利かせたシャルロットさんだったわ。
これにはあたしも、苦笑いよ。
【あははは……】
あれ? これってあたしの立場ってマズくない?
ヒィ~~メチャ睨んできてる視線がするゥ~~? 見えないのに何で~~? 悪寒がぁ?
『――クソッどこのどいつだ!! 内通者は!! ホントに俺たちの中にいるのか!?』
『人の噂なんて、壁に立てられませんからね!?』
『それは、『人の口には戸が立てられない』……だ!!』
『そうとも言いますね……まぁ似たようなものでしょう? 妬みから、根も葉もない、噂話が立ちますからね?』
『こいつ、ホントによく知ってんな……何でだ!?』
『ここにずっと店番でやっていますからね!? 暇してるんですよ! またそうした事を知る人が着て、話のはずみで聞いて回っているんですよ!?』
『クソッ!! それでかァ!?』
(道理で……!! こんなに知ってるわけだ!? いったい、どこのどいつだ!?)
【そこには悔しむ姿の怪しい男性の人がいた……】
『……』
【その様子を見て伺うは店番の人】
【その深層心理は、その怪しい男性の口ぶりを聞き、また、周りの人達からの触れ合いの声もあって、ようやく合点と得心がいった】
【周りの人達が、あの人に加担しているとわかった以上】
【どっちが勝ってて、どっちが負けているのか、ようやくわかったからだ】
【そして、どっちが正しいのか? 自ずと見えてくる】
『……』
【次に怪しい男性の人の深層心理は】
【あの人は、良く声をかけてくれていて、自分を導いてくれた講師の1人だ】
【また、同僚の方達がいて、そうした声が上がっていた】
【包んでくれたお金の話は、持ち出す事はできない】
【ならば、正当性を謳うしかない】
【このままでは、あの先生達2人が戻ってこない……】
【初めは、口達者なミシマが関わっていて、自分たち有利な場だった】
【だが、それが一変してしまった……ッ】
【それは、あいつが何も悪い事をしていなくて、誠実に職員さん達を通して、取り次いでまわっていた……からとするものだ】
【明らかに劣勢だった……自分たちが負けているとわかった以上、クソッタレみたいな納得が言ったわけだ――】
『――クソッ!!』
『!』
『こうなったのも全部、あいつのせいだ!!』
『……あの人じゃないと思いますよ?』
『そんな事お前に言われんでもわかっとるわ!!』
『――誰にかけてるんですか?』
『……』
――怪しい男性の人は、腕時計型携帯端末(フューチャーウォッチ)で誰かに電話を掛けようとしていた。
『こうなった犯人! ミシマだよ!!』
『あぁあの人ですか!? ……そう言えば、ここにも前に着たことがありますよ?』
『なに!? その話はホントか!?』
『ええ……この州で、あそこにあるようなAV(アダルトビデオ)があるのは、ここだけですからね!
あぁそう言えば前にも、似たような店舗があったようですけど……。何かしらの原因により、今はなくなっちゃってますね……!?』
【そうだ、以前はこの州に、そうした店舗が2店舗あった……。そうした事情は詳しくは知らないが……よからぬ事である事だけは確かだ……!!】
『……』
【この時、そうした出来事があったという事を、その聡明な頭の中で、ミシマに関わる話と結びつけ、掘り起こしていった】
【そして、それが偶然にも結び付いた』
(いけるか……?)
『……』
(いや、やるんだ!! でないとあの2人が……!!)
【あの先生達を救うためだった。……だから、俺はこのカードを切ったのだ】
【この話が使えると踏んだのだ――】
『――よしっ! じゃあお前とミシマは顔見知りだという事だな!?』
『ええ、前にもそうした事があり、顔合わせをした事があります』
(よしっ! 行けるぞ!)
そう、確信した俺がいた。
(どうやら、こいつとミシマは、顔見知りのようだ……。……なら、これが使えるかもしれん!!)
うん
と頷き得る怪しい男性の人の姿があった。
『?』
【それを見た店番の人は、怪訝に思う】
【何だろうと……!? それは後でわかる事だった――】
『――じゃあここで取り次ぐから、お前は横で、黙って聞いててくれ!』
『……黙ってるんですね?』
『ああ! 一言も何も喋るなよ? あっちも頭がキレるから、そうした動きに気づいたら、途中で電話を切るかもしれないからな!?』
『……わかりましたよ』
『いいな!? 一言も何も喋るなよ!?』
『……じゃあ、かけるぞ!?』
【――ちょっと待って!!】
そう、声を上げたのは、恵アヤネさんだったわ。
【今の言葉の中に、不可解な……そう、恥ずかしい単語があったんだけど……あたしの気のせいかな?】
【……】【……】【……】
事実を知るお三方、その頬を桃色に淡く染める。
【もしかして……】
【……】【……】【……】
コクリ
と頷き得るお三方。
【やっぱり……ハァ……】
と乙女的な仕草を取り、その頬を桃色に淡く染める恵アヤネさん。
【小説に書いちゃったの?】
【うん……】
【事実でも、そうした真実を告げるのが、あの人のホントに恐いところよ……?】
【……】
【……】【……】【……】
その顔を桃色に淡く染める恵アヤネさんにお三方。
それは、僕の近くにいるアユミちゃんにも伝染していて。
【あわわわ……!?】
とその顔を赤らめ、恥ずかしい仕草を取っていた。
(御兄さん、昔あった出来事の話は、根に持ってるからな……絶対に許す気ないなこれ……恐ぇ……)
僕は、御兄さんを恥ずかしく思いつつも、同時に恐くも思えてきた……。
あの人を、敵に回すのはよそう……うん……。
★彡
【怪しい男性とミシマさんとの顔の見えない電話の会話】
怪しい男性の人は、腕時計型携帯端末フューチャーウォッチを操作し、中空にエアディスプレイ画面が現れる。
ビュッ
その画面をタッチし、電話帳から、知り合いの人物、そう、ミシマへ繋げるのだった。
PPP……PPP……
『――何だお前は!? こんな電話番号知らんぞ!? どこのどいつなんだ!?』
『……』
【顔の見えないエアディスプレイ画面】
【あちらの回線の相手、ミシマは相当警戒していた。当然だ、今もハッキングしているのだからな】
【そして、それは、父の横にいる耳にピアスをした青年にしてもそうだった】
『……』
【怪しい男性(俺)は、顔を上げ、こう口を衝いて話すんだ】
『――お前がミシマだな!! ったく、今回はとんでもないぐらいの事を仕出かしてくれたな!! どうしてくれんだ!?』
【ここからは言葉を掛け合っての心理戦、その駆け引きだ!】
【勝負だ!! ミシマ!!】
『――待て待て!? お前はホントに誰なんだ!? どうしてそこにいる!? 何であいつと同じところにいるんだ!?』
【これには対応に慌てるミシマ(奴)がいた】
【当然だ、いきなり、宛先人不明の電話番号の人からかかってきたのだから】
【だが、事の真相は事前に知り得ていた】
チラッ
『……』
【この時、息子には話せなかったが、職場の仲間内で話し合い、そーゆう設定にしていたのだ】
【あいつにもチャンスがある話であり】
【息子も知らないのだから、意に勝った話になる】
【また、宛先人不明の電話番号を作るという、裏の手法もある。そーゆう伝手もいて、そーゆう身内が仲間の中にいたという事だ】
【これは、俺の腕時計型携帯端末(フューチャーウォッチ)が取り上げられたら、そいつにも迷惑が掛かるという話さ。フッ……】
『――……』
【ここでちょっと間を置く怪しい男性の人】
【こっちの方が、先にボロが出たら……駆け引きもクソもないからだ】
『――その質問にはいっぺんには答えきれんな……!! 1つずつ言え!! こっちでも電話口じゃ遠くて、よく聞こえん!!』
チラッ
『!』
【それは店番の人を想い合ってのものだった】
(――まさか……!?)
【そうともつゆ知らず、ミシマはこう話す】
『――あぁ確かにそうだな……! 今こっちでも、モニターに映っているものを見てたんだ!』
『……モニター!?』
『……』
そう、呟きを零したのは、怪しい男性の人。そのミシマからの貴重な情報を聞き。
店番の人と顔を合わせながら、
コクリ
と頷き得る。
『……そうか、モニターか……!
お前等そうやって特殊な機材を持ち込み、今回そうした犯罪まがいの行為で、『問題事で済ませる』ように『でっち上げていた』んだな!?』
『『でっち上げていた』とは人聞きが悪いな……!
こっちは『正義の執行人』として、『法を預かるような立場』だ!! そーゆう奴が『俺たちの後ろに控えている』……!!』
【それは電話での取り次ぎ上の話だ】
【その話を聞いた誰かがいて、その知り合いが法を預かる立場の人、そう、弁護士や司法書士などの法律職に携わっている方だ】
【また、各々の企業の顧問弁護士などがそうだ】
【当然、そう言った類の話は、人の噂話に乗り、飛び火すように、周りに鯨波し、とんでもない業火・大騒ぎとなってしまうだろう】
【果ては、刑事責任問題だ】
【当然、そんな事は、以前にもあってて、そうした話が上がっていたぐらいなんだ】
『――なるほど……法を預かる立場が後ろに……』
『……』
怪しい男性は、そのミシマからの貴重な情報を聞き。
店番の人と顔を合わせながら、
コクリ
と頷き得たの。
(わかってる……! その証人は……!!)
自分だ。
ナレーションで語るは、クリスティさん。
【――法務部の存在をニオわせたそうよ……】
とここで、呟きを零したのは、アユミちゃんだったわ。
【法務部……!?】
【電話で取り次いでまわり、自分たちのそうした都合と建前で済ませようとしてくる、そう、極めて悪質な連中よ!】
【合法的にそうした立場の人達がいて、集団で取り次いでまわり、その多数決で決めつけてくるからね!】
【誰しもがお金が欲しいから……!!】
【そうした人達の噂話が上がっていたから、こぞって参加してくるのよ……!】
【またそうした人達がいて、知り合いの人に電話を取り次ぐような流れもある】
【謎会議と言われる所以よ!】
【謎会議……】
そう、呟きを零したのは、アヤネさんだったわ。
あたしは、こう語り継ぐの。
【ええ、以前にもそうした経緯と経緯があって】
【未来の街創造館よろしく、あのアウトレット店にしてもそうで、幾つもの会社が倒産に追いやられているの……!】
【身内間のそうした犯罪行為までは、とても関与・認知できないから……ね】
【……】
【予め仕掛けを施してあって、そのターゲットが辞めた後、どうしよう問題が起こる……!!】
【それが人の噂話に乗って騒ぎになる】
【後は、権力を持ったそうした人達に取り次いでまわり、バカとハサミよろしく使い、責任をなすりつけ借金漬けにし】
【多重債務者兼低賃金労働者よろしく】
【障害者身分まで堕として、その会社側は、その人を安く叩き売って、雇用『も』できる】
【国からは、そうした人を雇う上で、障害者雇用上の助成金の話が入り】
【各々の参加して下さった方に対し、一時金のお金を包んで渡し、さらに裏口入金を通して、自分たちの毎月の給与が上がる】
【また、そうした行為を揉み消す必要がある為、ヨシュディアエたちみたいな人に取り次いでまわり、話が訳がわかんないようにして、揉み消す】
【会社側は、合法的に事を進める必要があるため、役員会議などを通して、その人達を、部長や課長へ、昇格させる】
【もしくは、何かしらいい免許・資格を持たせる等してね……】
【……】
【その裏では、いい話になるようにして、電話で取り次いでまわっていた人達すらもいる】
【見目麗しい彼女を宛がうなどしてね……!】
【世の中、上手くできてるんだから!】
【それが貧富格差社会の実情……!】
【その裏では、就職難に陥った人達もいて、あのスラム街の人達がそうで、そうした社会活動の折で、破れた人達なのよ……!】
【ヨーシキワーカさんは、そーゆう人達に寄り添い、陰ながら見聞きしていたの……】
【もしくは、そーゆう人達を通して、見聞きしていた誰かさんがいて、それをヨーシキワーカさんに、それとなく伝えていたする有力な説だってある!】
【……自分も負け組の1人だからね……】
【そう、詐欺なんだから……!】
とここで意見を零したのは、律儀なシャルロットさんだったわ――
【――なぜ!? 何も知らずに多くの会社側が倒産まで追いやられたのですか?】
【領収書の一件が正しくそうね! あんなの意外な盲点だから! 犯人達側は、それを仕掛けてきたのよ!】
【なるほど……どこも同じですね……】
【!? もしかしてアクアリウス星も?】
【ええ、もちろん、他の星々にしても……です】
【……】
【必ず、お金絡み、そうした類の話で、損益を被ってしまった……】
【間に何かが入ってくれば、必ずと言ってよいほど、誰かが損益を被り兼ねないのです】
【………………】
(それは自分たちの話だったわ)
(そう、まさしく、これから間に入ってくるのはあたし達なのだから……!)
(新たな問題が始まろうとしていたわ)
(あたし達は、今はまだそれに気づけない――)
そして、律儀なシャルロットさんの話が、こう続いていたわ。
【――そうした折、その話の合間に、どこかで話が上がり……】
【……知らぬ間に『利子』がつき、『雪だるま式に借金』がかさんでいくんです】
【……】
【近く、発見したうちには、それは秘書間でした】
【秘書?】
【ええ、プロトニアの秘書は、ちょっと特殊ですからね……。国の役員とも通じていますから、年間1兆『デメリゲ』稼げるんですよ】
【1、1兆『デメリゲ』~~!?】
【どひゃぁあああああ!?】
【? はした金ですよ?】
【えええええ……!?】
【小島を買い取るぐらいの秘書もいますからね!】
【もしくは、誰かがそうした人がいて、レベル5以上の……あぁ、フォーマルハウト様辺りに目を付けています】
【まぁ、わかりやすいんですけどね……クスッ】
よくはわからないが、そんな裏の内情が見え隠れしていたのだった。
言外に、シャルロットさんはそうした事を、僕等にも教えてくれたのだ。
そして、こうも続ける――
【――だから、スバル君、あなたも注意しないといけませんよ?】
【へ?】
【身内のそうした犯罪行為の予兆を、どこかで見逃すと……とんでもない事態に涙点する可能性が、大いに有り得ますからね?】
【え?】
【……まぁ、狙うとしたら、正妻か第二正妻か、もしくは愛人関係当たりの隠し子か……まぁ、そんなところですね】
【ふ、フ~ン……?】
そうした危険性を律儀に伝えるシャルロットさんがいたのだった。
そして、みんなはこうした話を聞いていた仲だったんだ。
と次に、質問を投げかけたのは、アユミちゃんだったわ。
【じゃあ、揉み消すとか? 会社側の不都合な事は?】
【ああ、それはね……。前に、スライサーの中に手を入れて、指を切っちゃった女の子の話を覚えてる?】
【……】
上手く言い出せないアユミちゃんが、その場にいたわ。
そこでアヤネ(あたし)は、気を利かせて、そうした話を投じたの。
【ああ……その娘(こ)のお父さんが務める会社で、何かとんでもない騒ぎがあったんですって!?】
【!】
さすがに、勘がいいわね。アヤネさん。
フッ……。
【ええ……その話や、別の人の話、ヨーシキワーカさん宅のマイハウスにしてもそうなんだけど……】
【話の中に、『市役所の職員』『弁護士』『警察署の人』を名乗る人物が出た事があるのよ……!】
【……】
【実際にそうした人が、現場に着たことがないらしいわ……】
【……】
【いつも電話口から、声だけだったんだから! そうした人達の警察手帳を見たことがないらしいわ……! おそらく……詐欺!!】
【なるほど……金目当ての悪質な詐欺……問題事で済ませようとしてくる存在……、……それが法務部……】
【表立って出てこない……!】
【いざ、出てくるとしたら、被害者側が負けそうになってから、都合がいいから、その責任を負わせるためにね!】
【刑事責任に則って出てくる正義の執行人よ……!!】
【ハァ~……聞いて飽きれるわ……】
心底、そう思うあたし。
続けてこう話すの。
【そして、これに関わってくるのが、どうしようもない問題であり、犯人当てゲーム、とんでもない問題だって事!】
【どっちが立場上、上で、モノを言ってんのかってわからせるために、電話で取り次いでまわり、上からの圧力をかけているのよ】
【そうやって、上下関係をわからせるため、『周りからの圧制』『社会的制裁措置』を取っている訳……フゥ……】
【また、そうした流れの中で、自分たちが仕組んだ問題や、予め仕込んでいた領収書(罠)とかを】
【その証拠を揉み消したいから、誤った勝ち方をして、逆にそこからお金を盗り立てたいからね……!】
【だから、例の職業安定所の職員が関与している事から……自分達有利な話に持って行き、訳がわかんないように揉み消していたってわけ……】
【そう、例の詐欺女、ヨシュディアエ達だったって訳よ!】
『……なるほど! それは失礼したな!
実は俺も、そうした繋がりのある人を知っているんだ!!
もしかしたら俺達、そうした人達の知り合いかもしれないな!?』
『ハハッ! なるほどそーゆう事かァ!?
道理で、誰も知らないはずの俺のフューチャーウォッチの電話番号を知ってるわけだ!!』
『あぁ、実はそうなんだよミシマ! ……気を悪くして悪かったなぁ~!』
『いやぁ、こーゆう間違いは誰にもでもあるもんだ! 気にしないでくれ!』
『ハハッ! そう言ってくれると……こっちとしてもありがたい!』
『……』
電話口の相手を怪しむミシマさん。
(……ホントに誰なんだこいつ……!?)
【俺は心の中で、今まであった人物たちの、その声と喋り方と特徴、それに連なる人物像を思い出そうとしていた】
【朧げだが、そうした人物像が浮かんできた】
【それは同じ電気仲間だった】
【あぁ、話を合わせる為か……!?――】
『――ところで折り入って相談なんだが……ちょっといいかな?』
『何だ? こっちも忙しいんだが……手が足りないくらいで、モニターからは目が離せないからな!』
『そうかぁ! って事は今1人か!?』
『いやぁ……こっちにはもう1人いるなぁ』
エアディスプレイ画面を通して、電話口からのそうした声を聞いた店番の人は。
(ミシマさんの近くにもう1人……?)
【そうした正体は伺い知れない】
【まだ、その人の声が出ていないからだ。だからわからない……】
『……』
【だが、店内にいた怪しい男性の日とは違った】
【多分、長男か……もしくはそうした親近者か……』
【もしくは、自分達繋がりのどうしようもない問題の知り合いかだ】
【俺は既に、そうした当たりをつけていた】
『そっかぁ……もしかして、耳にピアスをつけたガキか? あん時は悪かったなぁ、押し入って、現行犯逮捕してよぉ!?』
『まさかお前ッ!?』
『違う違う!! そのまま電話を切るなよぉ~!?』
『……』
【踏み止まるミシマさん】
【心理戦の駆け引きが続く――】
『――何かとんでもないぐらいの事になっちまったなぁ!? 気を悪くしたかミシマァ!?』
『あぁホントにとんでもない事ぞ信じられん!!
あいつが持ち込んだ『電話局』のせいで、うちの息子が学校から追い出される事になったとぞ!!?
まだ学生なんだぞ!! どうしてくれる!?』
『ハハハッ! やっぱりそんな事になったか――ッ!! まぁ気を悪くしないでくれ!?』
『――まさか……』
ナレーションで語るは、スバル君、次いでエメラルティさん。
【――どーゆう事?】
【簡潔に語ると、そうした騒ぎの原因を持ち込んだのは、ヨーシキワーカさんご本人よ】
【でもね、それを電話局の人に相談しに行く前に、そうした詐欺メールを受け取っていた事もあるし】
【その日以降、宛先人不明のメールを受け取った事もあるんだけど、忽然とそのメールだけが消去されていたのよ】
【向こうから、そうした証拠が残らないように、『横から』消せたって事なのかしらね!】
【えっ……!?】
【あぁ、話に戻るけど……。実はその年、電話局に相談しに行ったとき、同じように詐欺電話の被害を被っていた方々がいたのよ!】
【同様に、それは自分もだった……】
【……】
【電話局の人に相談の話を持ち掛け、『またあの先生繋がり』……かと、溜息を零したものよ。『こんなにいい話は他にない』って言うのにね……】
【というのも去年の12月、ヨーシキワーカさんのフューチャーウォッチが、ハッキングを受け、その『音声レコーダー』2種類を持ち出されたのよ!】
【その1つはね――】
『――謎は謎のままの方が、面白くない? その方があれこれ考えて、自由な発想が浮かぶでしょ?』
『自分を探して、ユキと2人並べたいみたいだけど……丁重にお断りする』
『………………』
『自分にも仕事がある。……こうは考えないだろうか?』
『自分の子供には、真っ当な金で稼いだものを食べさせたいと……』
『自分の子供には幻滅されたくない……!』
『ユキに聞いた』
『仕事とは、それに対する姿勢であり流儀……』
『プロフェッショナル精神だと……』
『………………』
『真っ当な意見だ……』
『そんな詐欺まがいで手に入れた金……、……子供にそんな服を着せたいのか!?』
『………………』
『ヨーシキワーカ(オレ)も必要ない』
『例え、親や弟がその金で手を染めようとも……』
『それは、自分の無実を晴らそうとした行動の結果……』
『……自分は必要ない』
『自分が求めるものは』
『自由の解放!』
『その事件で、ハメられた人達への新しい職への道!!』
『そして、その犯罪者たちには』
『定職につけないよう、対抗措置を取りたい』
『昔の会社に、迷惑をかけたので』
『イリヤマ、ライセン、ミシマの3人を送る』
【――と! 以上が音声レコーダーの内容よ! まぁ、機械音声で作ったものだから、あちらはアヤさん協力のものとわかったの】
【まぁ、事実は、ヨーシキワーカさんご自身が作ったものらしいけどね……】
【で、当日中に受けていた医療・介護職の求人の話が落選してしまい……】
【また、アヤさんからの判断の話もあって、信用ならないからとして、そのメモリーを壊して、焼いたらしいわよ】
【だから、アヤさんとの連絡手段の一切は、絶たれた所以(わけ)……】
とここでアユミちゃんが。
【じゃあ、もう1つは?】
【あぁ、それはね。奇麗な音楽よ】
【【【【【音楽~~ゥ!?】】】】】
【そう! 奇麗な声を発する子がいてね。ヨーシキワーカさんも隠れファンの一人なのよ!】
【それを、その音声レコーダーの後に音声録音しちゃったわけ!】
【品質は下(げ)ね……】
【で、その後、犯人達の手にかかり、その両方がハッキングの手口で相手方に送られて】
【1つは、職業安定所に持ち込まれて、騒ぎになり、耳ピアスを付けたミシマさんの長男君が捕まり、目を付けられたの】
【さしものヨシュディアエも顔見知りだからか、思わずその子の名前を言って、周りの人達にバレてしまったわけ】
【でもう1つは、設備理管理科・電気関連の職業間で、『ヤキマシ』された訳ね】
【――以上の事があって、その事を知る電話局の方は、周りの人達に取り次いでまわり、御用となった訳ね!】
【どう!? 事の顛末としてはわかりやすくかった?】
【【うん、とっても――♪】】
そこには子供達の笑顔があったわ。
だから、あたしもそんな子供たちの元気な笑顔を見て、微笑みを返したの。
【そう、良かったわ……】
そう、相好の笑みを零したものだわ。
そして、こうも心の中で思う。
(そして、知られざる中、当然去年12月中の後半だったから、クリスマスケーキ……)
(ヨーシキワーカさんは、クリスマスケーキを、ドラッグストアコスモスに予約注文して、
ファミリアソートケーキ、『2980円(23米ドル)』の21㎝ホールを購入してたらしいわ。味も8種類か4種類ぐらいかあって、
家族3人で頬張っていたらしいわ。
そして、その昔の会社側は、ちょっとお高い値で、『3980円(30米ドル)』の15㎝ホール……。
クリームに関しての味は、昔の会社側に軍配が上がるけど……。
色とりどりのアソートに、その量と質の申し分のなさ、そうした子供たちへの御配慮、結果は見えていて、コスモスの方が美味しいかったわ。
……あの会社はケーキ作りに精を出していて、思わぬ痛手を被った訳ね……)
【……やっぱり、恐いわ……あの人……】
【【【【【!?】】】】】
そう、心の中で呟きが漏れた思いのクリスティさんがいたのだった。
僕たち、あたし達、私達は、訳も分からず。
その隣で見ていた3女のサファイアリーと目が合ってしまい、阿吽呼吸で、一同には何も言わないまま、コクッ……と静かに頷き得るのだった……。
『ハハハッ! やっぱりそんな事になったか――ッ!! まぁ気を悪くしないでくれ!?』
『――まさか……』
【脳裏に過ったのは、たった1人の人物名だった。そう――】
『――お前がアヤか!?』
『な訳あるかァアアアアア!!! 誰があんな恥ずかしい名前なもんかァア!!!
俺はあいつとそうしたゲームの知り合い同士じゃないぞ!!! フザけるなよミシマァアアアアア!!!』
キィ~~ン
顔が見えないエアディスプレイ画面から、耳を遠ざけるミシマさん。
呟いた一言目は。
『――こっちは感度がいいから……そんなバカでかい声を出さないでくれ……あいつと同じように、耳が遠くなって敵わん……』
『あぁそうか悪かったな……気をつけるよミシマ……。そうか、そっちの方は感度がいいのか……』
【怪しい男性は、そのミシマからの貴重な情報を聞き、店番の人と顔を見合わせる】
『……』
【小さく、静かに頷き得る店番の人】
【隣にいる怪しい男性の人ともに、その顔の見えないエアディスプレイ画面に注視するばかりだ】
『――以後気をつけるよ悪かったな……? どこのメーカーなんだ?』
『最近発売したばかりの新しい機種があるだろ? そのお得プランに乗り換えたんだよ』
『……そうかァ、そっちにはそうした機材、『アンプ』があるのか!?』
『……』
(アンプ……?)
【それは主に、声優出演舞台のイベントであり】
【わかりやすい例では、アイドル歌手が晴れ舞台を開き、その舞台で使う『音を増幅』する機材だ】
【この増幅するという意味合いのAmplifier(アンプリファイア)からきている】
【わかりやすい例は、オーディオだろう。その中にアンプが入ってて、いくつかのスピーカーが内蔵されているんだ】
【当然、声優活動の人は、この比じゃなく、大型の物が外側に出ている仕様だ】
【ほら? なんとなくミシマファイアーに、近いと思うのは、俺だけだろうか?】
『――今さぁミシマ! お前達が気になっている奴が、偶然にもこの店舗内にいるんだよ? そっちでもそうした様子がわかるか?』
『あぁ、わかるな』
それは、ホログラム映像出力装置付きマウスから出力されたものだった。
ホログラム映像とエアディスプレイのどちらかを選べて、必要に応じて出力できる。
今選択しているのは、エアディスプレイ画面だ。
そこには、その地図情報と赤い印が2つあった。
片方はヨーシキワーカ、そしてもう1つは、この怪しい男性(俺)だ。
これは、フューチャーウォッチを所有しているからこそ、その位置情報を割り出せるものだ。
『……』
『……』
『……』
『……』
【ミシマ、顔の見えない誰か、怪しい男性、店番の人が、次の発言を伺う】
【その時だった――】
『――フッ』
【不意に笑う、怪しい男性の人がいた。さあ、化かし合いだ】
『!?』
『1つ、確認のために尋ねるが……ちょっといいかミシマ?』
『あっ何だ!? 確認って!?』
『……』
【俺は確認を取る必要があった】
【だが、馬鹿正直には聞かない】
【職業安定所の美人職員、ヨシュディアエが黒かどうかを確かめる必要があった】
【聞けばこいつとミシマの2人は、過去に何か悪さをしたことがあり、そこからお金盗り立てていた話が上がったからだ】
【こんな事が世間にバレれば、職業安定所の信頼と安全が地に落ちる――】
『――……前に職業安定所で、騒ぎがあった事は知っているか?』
『……あぁ……。そいつはあの日、結局は顔を出さなかったな……? 何でだ……!?』
(お前ならそれを知っているのか?)
(イヤ知らない……ただ、タイミングを逃しただけだと思うが……?)
『……その理由はわからないが……あれでほんとに良かったと思う』
『……良かったァ!?』
『あぁ……。『うちの者の信頼と信用の社会問題』だからな……こんな事が周りに大ぴらにバレるわけにもいかん……。
引いては、職業安定所の信頼と安全が地に落ちるからだ……。
……それはお前『達』だって困るだろ……!?』
(達……)
【それはミシマとヨシュディアエ】
【そして、イリヤマ先生やライセン先生『達』といった悪質な連中だ】
【こんな事が世間にバレてしまっては、先行きが不安になってくる……】
【そうした心と心の心理的な駆け引きが、静かに行われていた】
『……』
【だが、この言葉の端々により、ミシマ(俺)はこう読み解く!?】
『……読めたぞ!? お前はあの女と同じ、職員だな!?』
『――フッ、ようやくわかったか!?』
(……ホントに職員さんなのか……? この人の顔、職業安定所で見かけた事ないけど……いったい誰なんだ……?)
【そう、静かに、心の内で思う店番の人がいた――】
ナレーションで語るは、アンドロメダ王女様にシャルロットさん。
【まるでポンタヌじゃのう】
【ええ、あれはそうした催眠術も使えますからね……。あの亜種には、昔こっぴどくやられましたよ……!】
ここで、その様子の違いに気づいたのはスバル君だった。
同時に、クリスティさんの話も上がるから、二重にかさばる。
まぁ、わかりやすくしていこう。
【悪夢を見せられた上に、夢喰いで生命力と精神力を貪られましたからね……。気づいた頃には、スッポンポンにされて、肌の上に落ち葉が積んでましたよ!!】
【ハハハハハ!! してやられおったな!! シャルロット!! まぁそれが奴等の生態じゃって!!】
【ううっ……まだ仲間内で、生まれたままの姿を見られただけマシです~ゥ……】
【ホゥ? 男(おのこ)はおったのか?】
ジトリ
【……】
不愉快に思えたあたしは、これ以上は聞かないでとばかりに、この人に痛い視線を送るのだった。
【フッ……気に障る事を言うてしもうたか……】
【……】
【済まんて……】
そう、口を濁す王女様がいた。
フンッ、とそっぽを向くシャルロットさんに。
その対応に困る王女様。
そんな2人の会話は、まぁそんなものだった。
で、クリスティさん達の会話は、今も続いていた。
【――あちゃ~! ミシマさんはこの時、まんまと心理的トラップに引っかかちゃったわけね……】
【どーゆう事?】
【この怪しい人は、こう言ったでしょ?】
『あぁ……。うちの者の信頼と信用の社会問題だからな……こんな事が周りに大ぴらにバレるわけにもいかん……』
『引いては、職業安定所の信頼と安全が地に落ちるからだ……』
『……それはお前達だって困るだろ!?』
【――ってね】
ポカ~ン……
と僕達、あたし達はそれを聞き、感心していた。
【固定観念と先入観のそうした心理的トラップにまんまとハマちゃったわけよ……ミシマさんは……!?】
【電話だからそうした取り次ぎ上の間違いが起こるのよ!?】
【現場に着て、その人の顔を実際に見れば、そうした間違いは起きなかったはずよ!?】
【【【【【確かに……】】】】】
次いでアヤネさんが。
【言われてみれば、確かにそうよね?】
【それは意外な盲点だったな……。じゃあ、取り次ぎ上の間違いで、そうした固定観念と先入観を持った人たちは、もっと多いんじゃないのか!?】
【そうよね……。そーゆうわざとらしい取り次ぎ上の間違いをする人がいて、仕掛け人の類とする線も、あながち疑えないしね……】
【警察の捜査にしてもそうだが、かなり、事件性が高いな……!】
【ええ! 問題で済ませようとしてくるところが、ホントに悪質よ!】
そこには、アヤネさんとミノルさんがいて、その2人の意見が飛び交うものだったわ。
さすがに頭がキレるわね、この2人は……逆に頼もしさすら覚えてくるわ。
あたしは、こう続けるのだった。
【正体を言っておくと、それは2人の電気屋の1人だった訳よ!】
【で・電気屋ァ~~!?】
【そうよ! ミシマさん達繋がりで、ドクターイリヤマ達とも親しい中だからね……!】
【【【【【………………】】】】】
ポカ~ン……
と僕達、あたし達は、鳩が豆鉄砲を食ったような顔をして、思わず呆けていた……。
【フフフ、答えを言わずに進めていたから、固定観念と先入観を持って、あなた達も騙されていたでしょ!?】
【……ヒドイなぁ……もう!!】
【フフフ、でも、ヨーシキワーカさんは、その中で答えに気づくことになるのよ!】
【えっ……】
【フフフフ……】
【そうしてねぇ、委託を受けた人達伝いに辿っていけば、公共職業安定所の特定の職員さんも見えてくるはずよ! 電話伝いだったしね!】
★彡
【顔の見えない電話口だからこそ、そうした取り次ぎ上の間違いが起こる】
【また、職業安定所の職員というフレコミを活かせば】
【そうした事があり、向こうの意に勝った話になり、その意見力に騙されて、得てして流れやすい……『漁夫の利』を得た訳だ】
『――1つ、俺からの個人的な頼みのようで悪いんだが……いいか?』
『何だ!?』
【手短に言ってくれと思うミシマさん】
【聞きたいことは、そんな事じゃないからだ】
【早くメインの話を問い質したい】
(今、そこにあいつがいるんだろ?)
【……だが、怪しい男性からの問いかけに答える事が、まず先だった――】
『――……昔、あの女とどんな事をやっていたんだ?』
【それは職業安定所職員としての、メンツとプライドに関わるものだった――】
『――……あいつはここにいないんだな?』
『あぁ、誓って言う。今、この近くにあいつは着ていない』
【こんな話、もしも、ヨーシキワーカに伝わったら、災害級にマズいからだ】
『……その言葉信じるぞ?』
『あぁ、俺は誓って嘘はついていないからな! ……実際あいつ、それぐらい離れているし……』
『……』
『……全然聞こえてねえなあいつ……』
『そんなにか――ッ!?』
【と驚きを買うミシマさん】
【それはモニター画面越しでは、わからない事が多いからだ】
『あぁ……』
【と了承の意を返す怪しい男性の人】
【その人が、視線を投げかけるのは――後ろを向いた姿のヨーシキワーカだった】
『……』
【実際、そのモニター画面の地図帳に納まっている】
【そして、それは、恥ずかしい書店に、赤い印が2つ記されていたとするものだ】
【距離感覚なんかは、こちらからでは伺えない……】
【警察の捜査にしてもそうだが、そうしたプログラミングがあっても、取り扱うのはそうした部門だけで】
【ウェーブグローバルショッピングを通したものでも、距離関係までの正確な位置取りまでは、把握できないからだ……】
【仮にもしも、代替手段があるならば、それは闇ルートを通じてのものだろう】
【目をつけやすいのは、そうした制作会社か、警察の人を通した闇ルートでしかない】
【まぁ、こんな話をしても、某作家の抑止力にしか働かないが……――】
『――……』
ヨーシキワーカ(俺)は、ほとんど聞こえていなかった。
声もかすれかすれで、ほとんど聴き取り難いほどだ。
しかも、今自分は後ろ向きで、背中には、そうしたいくつもの棚があった。
当然、聴き取り辛い状況であった。だから――
(――……頼める!?)
(OK!)
守護霊(彼女)にお願いすることにした。
これで何とかなるはずだ。いったい誰なんだ?
★彡
【まだミシマさんとヨシュディアエさんが若かりし頃】
【顔の見えない電話口から、とんでもない騒ぎを起こし、そこから簡単にちょろ負かし、盗り立てていた】
――何も知らない、ミシマさんは、その顔の見えないエアディスプレイ画面から、こう声を投じる。
『――……じゃあ、その話を信じて言うぞ!?』
『あぁ、安心して言ってくれ!』
『……昔、あそこにいる女と共謀して、まだ2人が若い時にやった事があるんだ……!
あいつのところの親父さんは、その事はまだ知らないから、
……黙っててくれないか!?』
『……』
【それが条件だ】
【もしも、この事がヨシュディアエの親父さんにバレてしまうと、色々とこっちとしても、都合が悪い……】
【引いては、あの女のためだ】
【婚期の機械の話を逃したら、独身人生まっしぐらだ!!】
【それだけは非常にマズイ!! だから、それだけは『保護承認』してくれ!! 言外に、ミシマさんはそう語るのだった――】
『――……わかった。誰にも言わないから、安心して言ってくれ!』
『……フゥーー……』
【その了承の意を買い、一安心の俺がいた……】
(これ以上、あのお姉ちゃんを怒らせると、ホントに後が恐いからな……!?)
【俺は、それをおくびにも出さなかったんだ】
【だから、話に挙げるのはわかりやすくて、今ここにいるヨーシキワーカの話題だ】
『――今回、そうした事があっただろ!?』
『あぁ、あったな!』
『あれと同じことを以前(まえ)にもやったんだよ!』
『道理であの時……! あんなに騒ぎが起きた訳だ……!』
【感傷の思いの怪しい男性。続く言葉は――】
『――じゃあお前等は前々から『グル』だったんだな……!?』
『……』
【したり……冷や汗を流すミシマさんが、そこにいた……】
【怪しい男性の人の話は、こう続く――】
『――道理であの姉ちゃんがそんなにしてまで、お前を庇い立てするわけだ!
前々から妙だなぁ~~と思ってたんだよ!? あっ! 俺だけじゃなく、周りの職員の女がそうだ!』
【そう、情報ソースは女神(彼女)達のものだった】
【それは比すれば、堕天した天使がヨシュディアエで、彼女達が女神様と言う扱い】
【堕天使という扱いだった……】
【行先は、そう、地獄行きだ……もう許されないところまできていた……――】
『――……俺がバレると……いろいろとマズいからなぁ……!? あの女がやった事まで、イモづる式で周りにバレるんだよ?』
『なるほどなぁ……そーゆう事だったかぁ……!?』
『あぁ、そーゆう事なんだよ』
『……で!?』
『ああ、今回と同じようなやり方で、昔にも似たような事があって、
電話口からあの女と一緒に『共謀』して、そこの電話口から『とんでもないぐらい騒ぎ立てた事があるんだ』……』
『やっぱなぁ……。……で?』
『あぁ……。そこにいるだろ!?』
それは後姿のヨーシキワーカの事だった。
『そうそう、あいつの『騙しやすそうな弟君みたいな奴』を使って、
その家族間で、『疑心暗鬼の暗示』と『猜疑心の疑い』を掛けてまわっていたんだ……だから楽に勝てた……』
『……なるほどなぁ……』
【ミシマから『言質』を取った】
【俺は心の中で、こう思う】
(そうやって、家族間の中で『正常な判断能力を奪い』、
場を『おかしく』させて、どの家族間でも『仲違いの心のミゾ』を作ってた理由(わけ)か……)
【言外に、俺はそう読み解く】
【問題はそのやり方だ――】
『――……でどうやったんだ!?』
『あぁ……。で、今回と同じように電話口から、何だかとんでもないぐらいそこで騒ぎ立てて、
そこから有り得ねぇぐらいちょろ負かしてたことがあるんだ……』
『……』
『いったいいくらぐらい、そこから盗り立ててたか……こっでもわかんねえぐらいでな……。
あの女の方が、それを握っていたんだ……!』
『なるほどなぁ……今まで彼女に預けていたわけか……! こりゃああれだな……職業安定所の職員の力を、悪用したわけか……!?』
『あぁ……』
『『職権乱用でこれは決まり』だな……! ホントにとんでもない奴等だな……!!』
『……』
(――いつかはバレると思っていたが、今日がその日だった……。
いや、前々からバレていて、
そうした『被害者が声を上げた事』で、『自分たちの犯罪歴が明るみになった理由(わけ)』だ……ッッ!!
クソッ、あいつを雇ったせいでこんな事に……ィ!?
こんな事なら雇うじゃなかった……ッッ!!
まだ、まだっ、まだっっ、稼ぎてぇのに……よォオーー)
【そして、その感情の爆発と共に、その呟きが零れたんだ――】
『――クソッ!!』
『んっ……!?』
【それはミシマの野郎の感傷だったぜ……』
【ったく、あんな奴でも、こんな事があるんだな……!?】
【そして、ミシマの野郎は、こうも思わず愚痴っていく――】
『――ヨーシキワーカ(あいつ)が関わってからだ……!! こんな事になっちまったのは……ッッ!!!
まだ……まだ……やれたと思ったのによォオ~……!!
クゥウウウウウ……!』
『……』
『……』
【俺と店番の人は、そんなミシマの野郎の悔し涙やそうした声を聞いてたんだ】
【だが、この事件の明るみにしない事には、救われない奴等が確かにいるんだ】
【その筆頭があいつだ】
【あいつを起点にして、必ず多くの奴等が救われる!!】
【引いては、まだ見ぬ子供達、その次世代の生まれ変わりのために、俺たちは、『古きは良き土』に還らないといけない……!!】
【1つ1つは小さな事でも、それは決して無駄な事ではないからだ】
【なぁ、ミシマ、わかるだろ!?】
【子供を持ったお前なら、そしてやがってやってくる、そうした子供達の為に、俺達にできる事はないかと、何かそうした相談を持ち掛けないか!?】
『……』
【だから、今ばかりは、俺はこう言おう――』
『いったいいくらぐらい稼いだんだ!? ミシマ!?』
『……あいつの小説を見たんじゃないのか!?』
『あぁ、そう言えば見たな!?』
(スゲェ、額だったぜ……)
『………………ッッ』
クソォオ……クシャッ
ミシマ(俺)は心底悔しい。その悔しさで前髪をかくほどだッッ。
『……まさか、あんなわかりやすいぐらい、興味を引くものをあそこに書くだなんてな……ァ!?』
『あぁ、そう言えば確かに、興味を引くように計算式の例があったな……!
って事はお前、まさかホントに!? あの額をホントに1人で稼いでいたって言うのか……ッ!? ハァアア!!?』
『あぁ……あそこに書かれた以上、前に俺からあいつに……、……『車の中で自慢した話』だ……と見ていい……。
……まさか……こんな形で反撃してくるだなんてな……!?』
『……』
【そこには驚嘆の思いの怪しい男性の人(俺)と店番の人がいて】
【(中空に浮かぶエアディスプレイ画面の)電話口から、こんな音がしてきたんだ】
クシャックシャッ
【それは、ミシマの野郎が髪の毛をかき分ける音だったぜ】
『完全にこっちは、どうしようもないほど予想外だったぜ……ヘッ、まさかこんな手があるだなんてな……!?
いったいいつからこんなの考えていたんだ!? あいつは……!?』
『……フゥ……』
【断腸の思いのミシマ(俺)】
【こんな日が来る事は、いつかはわかっていた怪しい男性(俺)が、その場にいたんだ】
【そして、今も人知れず、監視カメラが動いていた――】
『……』
★彡
【それはハッキングされたものだった】
【必要な対抗措置だ】
【多くの人達の嘆きの声が積み重なれば、それを見聞きしていた誰かがいて、その親友が共犯者の一味だとすると……】
【アヤが生まれたのも、偶然ではないのかもしれない……】
『……』
【それは罪滅ぼしであり、せめてもの贖罪(しょくざい)】
【願うは、自由の解放の意思】
【そして、その足が向かう先は――人知れず、亡き親友への墓参りの時だ】
クシャックシャッ
【それは、ミシマの野郎が髪の毛をかき分ける音だったぜ――】
『――お前等が周りで騒ぎを起こしていたから、そうした人達がいて、ゲームを通して、今あそこにいるあの子の耳に届いたんだろうな!?』
『クソォ……やっぱりそれでかぁ……!? 上手く揉み消して回っていたと思っていたんだがなァ……!? 揉み消して切れていなかったか……!?』
『……まさかゲームで知り合うとはな……!?』
『やっぱりゲームか……!? こんなの予想外過ぎるぞ……ッ!? どうなってんだホントにィ!?
そんな奴ホントにいるのかァ!?
こっちでも血眼になって探してるのに、どうやってもこんな奴、見つけられもしないぞ!?
ホントにこんな奴、この街にいるのかァ!?』
『……』
【怪しい男性の人(俺)は、あれを言おうか言わないか迷っていた、その気持ちに焦巡(しょうじゅん)する……】
【だが、知らない事が多く、変に期待を持たせてもあれなので、こう言うしかなかったんだ――】
『――……そ、それは気を悪くして悪かったなミシマ……!?』
『……で、今あいつは……?』
『……』
『さすがにこれぐらい長い事、電話口から話してるんだから、さすがに気づいてるんじゃないのか……!?』
『……』
【それは一種の期待、願望だった……】
『……』
『……』
『……』
『……』
ミシマ、顔の見えない誰か、怪しい男性の人、店番の人の4人。
その人達が見つめる先にいた人物は――後ろ向き姿のヨーシキワーカだった。
【あいつの親父さんからの頼みで】
【騙した弟からの頼みで】
【ヨシュディアエからの頼みで】
【あいつの昔の会社からの委託で】
【ボイラーマンからのそうした願いで】
【フルスさんからの頼まれ事もあったんだ】
【実に、多くの方々に迷惑をかけちまった……】
【そうした出来事もあり、俺達はこんな手段しか取れなかったんだ……】
(わかってる、スッゴイ間違っていた事を……。
こんな事なら、こうした事態を考えて、一度、こっちで試しておくんだったぜ……)
【そして、残念な事に……――】
『――………………』
【あいつは、気づきも何もしていなかった……そんな素振りすら、何1つ見せていない……】
【今も棚に並べられている商品を見ている】
【怪しい男性の人(俺)は、ありのままの事実、忌憚のない事実を、ミシマの野郎に告げる――】
『――……いやぁ全然だなー!』
【帰ってきた答えは、とても無情なものだった】
【辛辣な思いが込み上げてきて】
【イヤな思いが頭の中を駆け巡り、メチャクチャになってしまう……】
【抱いていた希望が打ち砕かれ、それが、比して俺の顔を悔しさで歪めてしまう……――】
『……クソォ、マジかァアア……!?』
『あぁ……ホントにあの人、こんなにやってるのに出てこないなぁ……何でだ!? こんなに勝ってるってのに――!?』
【それは顔の見えないエアディスプレイ画面から聞こえたものだった】
【声質から見るに、青年のもの、高校生か大学生に近いもので、それはそうした若い子の声だった――】
『――ッ!? 今のがミシマ……!?』
『あぁ、こいつに今まで手伝ってもらっていたんだ……!?』
『『自分の子供に手伝ってもらっていた』のかミシマ!? さすがにこれは『周りにバレたらマズい』だろ!?』
『……ッ』
『……ッ』
【息子さんで決定した瞬間だった……】
【耳にピアスを付けていた長男君だ】
【こっちの職場にも、ちょっとその顔を出した事がある】
【情報ソースは、弟君だ】
【ヨーシキワーカが辞めた後の、新しい補欠社員代理だ】
【ヨーシキワーカの記憶を辿れば、そうした小説を見ていけば、確か、『学校から謹慎処分を受けていた日』があったはずだ】
【情報ソースは、ミシマさんの奥さんとの会話の時だ】
【そして、そのミシマの親父さんが語るには、恥ずかしい子を持って、周りに自信を持って話すこともできないだぞ……とした愚痴を零した事がある】
【情報ソース、それは隣宅で、複数台にフューチャーウォッチを用意し、騒いだ時だ。うるさい音が鳴っていて、記憶は曖昧らしいが……』
【……】
【ピアスを外しても無駄だろう。その耳を見れば、一目瞭然だからだ】
【まぁ、隠すなら、整形外科手術を受けるなどして、そんな跡を奇麗に残さないようにしてやれば……!?――】
『――馬鹿な奴だ……ホントにィ!! 自分の子供を何に使ってんだ……!?』
『頼む! 周りには決してバラさないでくれ!! こんな事バレでもしたら……ッ!?』
【息子の一生がメチャクチャになってしまう!!】
【頼む!! それだけは見逃してくれ!!】
【言外に、そのミシマさんの心の悲鳴が聞こえてくるようだった……】
『――そんな事お前に言われんでもわかってる!! 俺も子持ちの親なんだからな!! そうした気持ちは言われんでもわかるわ!!』
『!』
【その言葉を聞き、ミシマ(俺)は安堵感を覚える……――】
『そ、そうか……それなら助かる……』
『……』
フゥ……
【と溜息をつく怪しい男性の人】
【そうした経緯と経緯の話があって、それとなくわかってる感じで、優しい顔を浮かべる店番の人がいた――】
『――この秘密は、周りに言いふらさないよう『厳守』してやる!!』
『!』
【だから、その息子さんの名前は知らない、聞きたくもない、だから聞こうとするな、尋ねようとするな】
【それは、そうした保護承認だ】
【まだ若い、まだ人生をやり直せる】
【能力もある、まだ働き甲斐もあるいい歳だ】
【そうした人材がもしもいれば、その能力を遺憾なく発揮し、人のために大いに役立ってくれるだろう】
【私は、そうした人材育成の声を望む――】
『――だから、ハッキング(そのやり方)を後で、俺にもこっそり教えろ!!』
『まさか……!?』
『お前等と一緒にするなよ!! 誰がそんな恥ずかしい事できるかッ!!』
『……ッ』
【要は使いようだ】
【まぁ、悪い事に使う野郎は、後で出兼ねないが……しょうがない話だ……ッッ】
『後で、お前の家に行く!! 周りのモノを連れてな……! 覚悟しておけ!!』
『……あぁ、わかった……』
『クソォ……何でこんな事になるんだよォ……!?』
『言うなッ!!』
【そこから聞こえてきたのは、嘆く長男の声と】
【辛辣な思いで、慰みの声を上げるミシマさんの声だった】
(もう、ホントに何でだァ!?)
【そんな、ミシマ『さん』の心の嘆きの声が聞こえる思いだ】
フゥ……
【そう、そんな声が、電話口から聞こえる思いだった……】
【……が!! それは演技じみていた……――(怒)】
★彡
『――さすがにこれだけやれば、いくらあいつでも、さすがに気づくだろ!?』
『……』『……』
怪しい男性の人と店番の人は、ヨーシキワーカの後姿を伺うが、大した変化は見られなかった……ちょっとあそこから移動していた程度のものだった。
これには怪しい男性の人も……。
『……ダメダメだな……』
『~~ッ!! マジかぁ……!? 他にどうやればいいんだァ!?』
『あぁ……クゥッ~……!?』
【嘆き悲しむミシマさんに、その長男君がいたそうよ……?】
【今回ばかりは、反思って行動してみたけども、ダメダメだったの……――】
『――やっぱりこれは、実際にこっちに『一度』呼び出さないとダメじゃないのか!?』
【そう、正論を投げかけたんだ!!】
【実は、口頭では20mぐらいといったが……】
【実際、メジャーで調べてみれば、それ以上の距離が離れていたんだ!! それはアカンて!!――】
『――いや、それだとあの会社の者が、あっちの恐い親父さんも、それを認めるようなものだろ!? だから、こんなに困ってるじゃないかァ!?』
『……』
イラァ
【それを聞き、怒りが沸点に達する怪しい男性の人がいた】
【ええいままよ! これならここで大声を上げて、あいつの気を引かせるしかない――】
『――お前等が何度もこうした事をやっているからァ!!! こんなん事になってるんだろがァアア!!!』
ビクッ
とするミシマさんに息子さん。
『ドガんすっとやお前!!
お前等のせいで、あの先生たち2人が『定年まで』に、『一生あそこで働く』事になったんだろうがァアア!!!
とんでもない安月給じゃなかやあそこ!!
周りのモンが言ってたぞ思ってたより相当身体がキツクくて酷使してたって!!!
こんな事周りでも許されんぞッッ!!! お前、わかってとや!!! ミシマァアア!!!』
『知るかァ!!!
それをやったのは俺じゃなくて!!
今ここに印のある、あいつの親父さんだろうが!!!
『何でもかんでも俺のせいに結び付ける』なッッ!!! 迷惑もんだァ!!! たまったもんじゃないぞまったくゥ!!!』
『元はと言えば、お前があの時1人で行った事がそもそもの原(げ)始まりなんだろうがっ!!』
『何言ってとやお前!!?
ホントにあいつの小説を見たのか!? 『職業訓練校時代』にもそうした話が上がり、どーゆう訳か俺のところにあいつが来たんだろうが!!?
そもそもの原因を作ったのは、そこにいる2人だぞ!! そこだけは間違うなッ!!』
『周りのもんはお前のせいだと言ってるぞミシマァ!!?』
『あっさてはあいつ等2人だな!! こんな奴を遣わしたのはッ!!? クソッ何だってこんな事になんだッッ!?』
ナレーションで語るは、クリスティさん
【そこにはね。思い違いの2人がいたのよ……】
【どーゆう事?】
そう、言葉を零したのはアユミちゃんだったわ。
【ホラ? 職業訓練校時代に人の噂話が上がっていたでしょ?】
【あぁ……】
【お金の話の結びつきもその頃! つまり作為的な線があって、真犯人がいた事を、この時の2人は知らないのよ!】
【あっ! 領収書の一件!!】
次いで語るは、エメラルティさん。
【そうよ!】
【!】
【ヨーシキワーカさんも、その領収書の一件の話を公表したのは、その年の3月、その思い出そうとする兆候があったのは2月ぐらい!】
【……】
【確信を得て、そうした出来事を思い出そうとして、メモ帳に筆を降ろしていくと……深い記憶の名からそれが偶然引っ張り出せたのよ!】
次いで語るは、クリスティさん。
【それを知ったのが、後日談で】
【偶然にも、あたしがヨーシキワーカさんと再会し、そうした出来事を知ったからこそ】
【あなた達に話せたのよ!】
【……じゃ、じゃあ、今この人たちは……!?】
【【【知らないでしょうね!】】】
【【【【【………………】】】】】
TO BE CONTINUD……
★彡
【知らないからこそ、こうした事態が時として起こりうる】
【証拠が見つかっただけではダメで、真犯人と思しき顔が見えていなかった】
【実は、仲間内のフレコミでも、そうした事が伺えていた】
【だが、表向きでは、まだ箱洗いにいた2人が、それを捨てたとする体で、事なきを得ていた】
【下が犯人ではなく、上の誰かが犯人だという目星がついていても、その顔と名前がまだ割れていなかったからだ】
【だから、0.001%の希望へと望みを繋ぐ必要性があったのだが……】
『はぁ……はぁ……』
『はぁ……はぁ……』
【と息を切らす怪しい男性の人に、ミシマさんがいた……】
【そんな父の様子を見た息子君は――】
『――恐ぇ……珍しいもん見た……』
『ああ、そうだな……!? ……で、……今、あいつは……!?』
『……』
【ミシマの野郎に言われて、その確認を取るために怪しい男性(俺)は、ヨーシキワーカ(あいつ)の後姿を伺う】
『――……』
『……』
【こんな大声を上げれば、さしものあいつでさえ、こっちを気にして、伺うだろうと期待していたのだが……――】
『――さっさすがに、こんだけやれば……!
こんなに騒ぎを起こせば……ッ! どんなに馬鹿だって、さすがに見向きもするだろ!?
……どう何だあんた……!? あいつが近づいてきているか……!?
ハァッ、ハァ』
【さっきのやり取りもあって、声も途切れ途切れのミシマの野郎がいたぜ】
【そこには、期待の声を渇望するミシマの野郎が――】
『……』
『どうなんだ……!? ハァ……さ、さすがに……ハァ……ハァ……、……ハァ……』
『……いやぁ……全然まったくだなぁ……!』
【その頭を下に下げて、首を振るう怪しい男性の人がいた。その心の気持ち半分、それが顔に表れていて、快活の笑みと憐みの笑みが同居していた】
【それは、まさかの戦慄だった】
【希望もなく、ただただ押し寄せるは、何もないという虚無】
【俺は、等しく絶望に思えた……】
【そんなセリフも、聞きたくもなかった返事を聞いたミシマ(俺)は】
『~~ッ!!』
【一瞬だけ、そう一瞬だけ、あの有名な絵画、『ムンクの叫び』の顔を同居する思いだったぜ】
【そして、こう、心からの叫びが飛び出たんだ――】
『――なんでだァ!!!?』
『……落ち着けミシマ』
『!?』
【まさかの思いの俺。期待の声を望む。だが……――】
『――あそこでフツーに、今商品を手に取ってみている……』
『……』
【そのセクシービデオを手に取って見ているヨーシキワーカがいた】
【その後姿を、確認した俺は――】
『――あぁ、だからかぁ……!?』
『!? そんなに離れていたのか……!?』
『ああ、ここから結構距離が離れている……!! 目に見えるもんで、そうした棚がいくつも並べてあるから、これは声が届き難いな……!』
『それは商品の入った棚か……!?』
『ああ、セクシービデオ(エロビデオ)だ!』
『……そんな所にやっぱこいつはいたのかァ……!?』
【モニター画面に映るのは、恥ずかしい書店に灯る赤い印が2つだけ】
【その位置取りまでは、こちらからでは、伺えず。また、そうしたアプローチ手段もない】
『あの姉ちゃんがいたんだから、あの人に頼めば、まだそうした事ができるだろうがッ!?
あの弟さん達が一緒にいて、あんなに騒ぎが起きていたのに何で!?』
『……』『!?』
【どーゆう事!?】
【う~ん……簡単に言うとね……】
【ミシマさん達は『以前からどうしようもない問題がある度に、ヨシュディアエさんを起用していた』のよ!】
【あの人はね。20代の若かりし頃は、Nカップはあろうかという超爆乳だったからね! ちょっとぽっちゃりの肉付きだったけど……】
【ダイナマイトボディのグラビアアイドル並みだったのには、違いはないわ】
【職員間の間や、街中でもちょっと有名人で、『おっぱい番長』の異名を勝ち取っていた人だからね!】
【当然、そんなすごい人がいると地元でも、ちょっとした有名人だったんだからね!】
とここで、アヤネさんが。
【あっ!? もしかして人の噂が立っていて……!?】
【ピンポーン♪ 大正解よ! アヤネさん!】
【いい話が90%を占める中で、悪い話が10%ぐらい立っていたの!】
【でもね、それが回数を経る度に、また年月を経る度に、表面化してきちゃっててねぇ~……】
【やっぱり……】
【あぁ……】
【その中で、どんどんと悪い話の方が、浮き彫りになってきちゃったわけか……!?】
【あの肢体とやりたいとするおじ様達がいても、彼女の希望は、『毎月の給与が30万円』だからねぇ!?】
【しかも! 『養ってもらう以上で、働きたくもなくて、あなたの専業主婦として』!】
【1戸建ての家に、ガーデニングがあって、猫ちゃんかワンちゃんかのどちらかだからね』!】
【当然、そんな人の噂話が、ヨーシキワーカさんの耳元に入ればぁ……!?』
【そーゆう声を流したとする、情報ソースの人があって、隠れていて、いたって事ね!?』
【ピンポーン♪ 大正解!】
【ハァ……。『人の噂には戸が立てられない』って言うけど……あの娘(こ)も例に漏れなかったって訳ね……】
【男のそうした欲望と肉欲的にそそってくれる彼女の話は、どこでもそうだけど、切っても切れないからね……】
【それが性欲よ! また同じ女の軽蔑の声ね!】
★彡
『こりゃああれだな……ミシマ……!? 背中にそうした棚がいくつもあるから、こりゃあ思ったより聴こえ難いと思うぞ!?』
『そこには、前に俺も一度はそうした事で行った事があるから……。あぁ、そーゆう事かぁ……!?』
『あそこは、色々と遮るものが多いからなぁ……』
『入り組んでるからかァ……』
【怪しい男性の人、ミシマさん、その息子君の声が上がるのだった】
【これは事実とみて間違いない】
【あんな奥まったところにいたんじゃ、そうしたいくつもの棚が並べられていて、声が遮られてもおかしくはないからだ】
【ミシマさんも、この怪しい男性の人も、この店に訪れたことがあるようだ――】
『……』
『……』
ここには奇麗な姉ちゃんのエロがある、セクシービデオがある。
だが、多くは語らない。
【ミシマさんの脳裏に過るには、そうした出来事であり】
【かのヨーシキワーカとヨシュディアエを結ばせようと考えていた邪な魂胆だ】
【そうやってたぶらかし、あの女を使って、また騙そうとしていた】
【一時期、ヨシュディアエ達側が、私を騙そうとしていたのは事実であり】
【また、小説の話が上がった折、とんでもない騒ぎが起こったものだ。証人は私の父と母だ】
【である時から、弟が騙されて、あちら側に与してしまう……』
【劣勢に立たされたら、寝返りをしようとして、曰く、女の肢体の話を持ち出したものだ】
【軽蔑でしかなかった……』
【しかも、事の発端は、ミシマさんに関わってからのもので、単に思い違いだった――】
『――そーゆう事か……! じゃあ、この小説にあるように……!?』
『あぁ、どうやらお前のただの勘違いだったみたいだな!? ミシマ!?』
『~~ッ!!』
(何だコレ!? めっちゃ恥ずかしいッッ!!!)
【大赤面のミシマさんがそこにいたのだった】
【しかも、トラブルメーカーの原因を作ったのは、自分なので、これはどうあっても言い逃れができない】
【周りの人達に、あいつの悪い情報を添えて、言いふらしてしまったからだ】
【そーゆう風に煽ってしまったのだ】
【こんなのどうすればいいんだ!?――】
『――こんなのとんでもない間違いだぞォ!? 当たっていたのは1人だけだったなミシマァ!?』
【それはボイラーマンだ】
【しかも、それはただの掃除の仕方だったんだ】
【しかも、自分もあの講師連中も、あの昔の会社から、散々金を盗り立てていて、その経営が大きく傾いていたんだ……】
『……それもなんか……間違っていたみたいなんだが……!?』
『あぁそうだなミシマ……途中までは当たっていたんだがな……!?』
『……』
『『何でもかんでも下手に結び付けようとする』ところが、お前のヘンに悪い癖だ……!!』
『……』
【その情報ソースは、とても少なかったんだ……】
【だから、あいつから見聞きした俺は、勝手にそうだと思い込み、無理なこじつけをして、話を結んでしまったんだ……】
【俺には当時から、そうしたキライがあったんだ……】
【だが、妙だ……――】
(――俺の知り合いか? こいつ……、……ひょっとして……!?)
【この頃になれば、俺は落ち着いていて、顔見知りを思い出そうとしていた】
【当たりはついていたんだ】
【その人物像と声質も似てきてる、こいつは俺と同じ電気仲間だ】
(ははぁん、そーゆう事かぁ!? あの職場にいた連中め、こうやって試していたんだな!? 毎度毎度、どうしようもない問題に見立てて!?】
『フッ……』
(そうやって、そいつの能力を試している訳だ。まぁ、今更だが……)
【とそこへ、こいつからの話が飛んできて――】
『――さすがのあいつも、あそこにいるようなあんなおばちゃんじゃなく』
『!?』
『ここにあるような奇麗な姉ちゃんの方が好きだったわけかぁ……!? 道理で、何の反応も示さんかったわけだ……!』
シミジミ
と思う怪しい男性の人。
『あっ……』
(適齢期制限(とし)……)
【俺は、物凄い失念していたんだ……】
【女の華の人生は、とても短い……ッッ、俺たちに付き合ったせいで、あの姉ちゃんの華の人生が散ろうとしていたんだ……ッッ】
【しかも、女には適齢期もあるから、子も産める歳にもそろそろ限界がある……マズッ!!?】
【そろそろあの姉ちゃんも身を固めないと、誰か、そうした人がいて、チャンスの話がないと!?――】
そこには顔面真っ青のミシマさんがいたのだった……
とここで、沈黙を破っって店番の人が。
『――ここの商品にあるように、綺麗なお姉さんで、おっぱいが大きい人はいくらでもいますからね!?』
(((いやいや、中々いないって!? 何言っちゃてんのこの人!?)))
心の中で同調(シンクロ)し合う3人がいたのだった。
それぞれ、怪しい男性の人、ミシマさん、その息子君だ。
店番の人の話は、こうも続いていた。
『まぁ、この近くにそんな人は住んでませんけど……。そんな人は街中で見掛けたこともないですし……』
(((当たり前だァアアアアア!!! ヨシュディアエが特別なんだよ!!!)))
『……あっ! そう言えば前に、おっぱいが大きくて、金髪碧眼(きんぱつへきがん)のブロンドヘア―の娘(こ)を見かけたような……!?』
【それあたし!?】
【あたしよ!!』
【あたしよね!?】
【……3人とも親近者だから、まったく似てるよね……】
【違うのはカラーコンタクト(カラコン)ぐらい……!?】
【【【ッッッ!!!】】】
子供たちの何気ない一言は、お姉様の方のそうした心を傷つける刃物でしかない。
とここでアヤネさんが。
【まぁまぁ、子供のいう事じゃないですか?】
ポヨンポヨン
とその手で制しつつ上下運動にちょっとした動作仰ぎつつ、その爆乳が、その動作で揺り動いていた。
彼女も中々の爆乳の持ち主だ。
しかも、お隣にいるご主人は、そうした人とやって、子持ちの父親だった人だ。
【そうそう!】
そこには、労わる形の恵ご夫妻の姿があったのだった。
★彡
【盗撮し、かつ売春行為を売り物にすミシマファイアー】
『――クソッ!! あの顔に騙された!!』
『……』
『こんな事になるならあの時、あの2人をあそこにぶち込んで置くんだった!! そうなればいくらかいい稼ぎになったってのにィ!!!』
『バカかッ!! そんな事になったらお前、今回そうした騒動が起こったから、なんか信じられないぐらい発展するぞ!?』
『ッ!』
『あの姉ちゃんもタダじゃあ済まさんかんな!? 電話で取り次いでまわって、どんな目に会うかわからんぞ!?』
『……いやな……さすがに好きもん同士だから、無事に付き合えたって事で、許してくれないかな――と……!?』
『誰が許すか――ッッ!!!』
(誰が許すもんですか――ッッ!!!)
【怪しい男性の人の声と、守護霊の彼女の声が、2方向から迫る思いだった】
【とここで沈黙を破って、再び店番の人が――】
『――あぁ、それは止めた方がいいですね?』
『『『!?』』』
(!?)
TO BE CONTINUD……