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愛が、この部屋を出て言って暫くすると良い匂いがした。
僕は、ゆらゆらとその場所へ向かった。
愛が、料理を作っていた。
僕は、そっとその料理に手を出し自分の口に投げ入れた。
「あ、お兄ちゃん
つまみ食いはダメだよー」
愛が、怒ったように頬を膨らませた。
その顔を見ていると、心のどこかが暖かくなるのを感じた。
あぁ……
こういうのを幸せって言うんだろうなー
僕は、しみじみと思った。
「お兄ちゃん、服着てね!
裸じゃ、ピクニックにいけないよ?」
「そうだね」
「あ、そうそう」
愛は、料理を作る手を止めた。
そして、言葉を続ける。
「ピクニックの前に、一緒にお風呂入ろうよ……」
「でも、料理は?」
「料理は、もう出来たよ。
お弁当に入れるには、少し冷まさなくちゃいけないの……」