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愛は、そう言うとエプロンを外して、俺の手を引っ張った。
裸にエプロンって少しエロいよね。
「あのとき、みたいに洗いっこしようね」
愛が、無邪気に笑う。
そう、あのころは3人で洗いっこしたなー
あれ?3人?
後、ひとりは誰だっけ?
「早く行こうよ、お兄ちゃん」
「う、うん」
まぁ、誰でもいっか。
「悲しいことは、忘れていいんだよ?」
「ああ、そうだね」
僕は、思いだそうとすることをやめた。
僕は、愛と体を洗いっこした。
昔のように、背中を流し。
僕が、愛の体を洗った。
ちっちゃかったあの頃と違って……
体の大きくなった愛を洗うのは大変だった。