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「お兄ちゃん!
私のお腹に落書きしたでしょ!?」
愛が、怒っている。
僕が愛のお腹に、油性のマジックで落書きしたからだ……
「どうして、そんな事をしたの?」
瞳が、呆れた顔で僕に尋ねる。
「お腹を出して寝ている愛が悪いんじゃないかー
落書きしたけど、布団を被せたじゃないか」
「布団をかぶせるだけでいいじゃない?」
「誰が被せたかわからないだろ?
それだと、僕へのありがたみがゼロじゃん」
「お兄ちゃん、サイテー」
「サイテーって言うなー
僕に感謝しない君たちの方がサイテーだー」
「コホコホコホ」
「ほら、愛が風邪をひいたじゃん!
僕に感謝しないからだぞ!」
「コホコホコホコホ」
「愛?」
瞳が心配そうに愛の背中をさすった。
「愛、大丈夫か?」
愛が、苦しそうに咳きこんでいる。
流石に、僕も心配になってきた。
「先生呼んでくる!」
僕は、そう言うと先生を呼びに行った。