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「えー
瞳が??
そんな性格じゃないと思うんだけどなぁ―」
「そんなことはないかと……
瞳さんも、立派な女の子ですよ?」
「そうだな。
クラスでも結構人気が高いんだぜ?」
菊池が、そう言ってため息をつく。
「そうなの?」
「ああ……
何人もの男が撃沈してる」
「そんな事、一度も聞いたこと無いよ?」
「普通、言わないですよ」
水谷さんもため息をつく。
「うん。
言わない、言わない」
澪もうなずく。
「そ、そういうものなの……?」
「お前は鈍そうだからなぁー
瞳ちゃんの異変に、気付けなかったんだろう?」
「お兄ちゃん、鈍そうだもんね」
「僕って鈍い?」
水谷さんに聞いてみた。
「鈍いです」
即答だった。