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「えー
それじゃ、私とお兄ちゃん結婚できないの?」
今にも泣きそうな女の子が目の前にいる。
これは夢?
最近この夢が多い気がする……
「それにね、私たち、16歳にならないと結婚できないんだよー」
瞳が、得意げに言った。
すると、愛は涙を眼に浮かべながら言った。
「えー、そんなに待てないよ」
「よし!
愛が16歳になったら結婚しよう!」
「お兄ちゃんホントに?
ホントに結婚してくれるの?」
「ああ、本当だ」
「わーい」
愛が、涙を拭い笑顔になる。
泣いた愛はすぐ笑う。
なんか少し違うけどそんなことわざがあった気がする。
「バカ、男は18歳にならないと結婚できないんだよー」
瞳が、そう言ってため息を放つ。
「えー」
「じゃ、愛。
僕が18歳になるまで待ってて!
すぐに18歳になるから!」
「えー
やだー」
愛は、また泣きだしてしまった。