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ゆっさゆっさゆっさ……
誰かが、僕の体を揺らしている。
なんだか、心地良い。
「だから、奈々ちゃん!
かかと落としだってば!」
瞳の声が聞こえる。
「そうでしたね……」
今度は、水谷さんはの声。
気配でわかる。
水谷さんは、椅子の上に乗った。
そして、足を振り上げた。
「えい!」
僕は、その足を見事なタイミングで回避する。
水色の水玉……!
「ふ……
そう何度も喰らわないさ」
「う、残念です」
「水谷さん」
「何でしょう?」
「瞳の真似をしちゃダメだよ」