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泣き声が聞こえる。
また、あの夢か
「ねぇ、君の名前はなんて言うんだ?」
僕は、ヒリヒリする頬を押さえながらその女の子に聞いた。
「え?私?」
「うん」
「清水 愛」
「何歳だ?」
「4歳……」
「僕は5歳!
僕の方が年上だね!
僕の事お兄ちゃんって呼んでいいよ」
「お兄ちゃん?」
「じゃ、私のことはお姉ちゃんって呼んでね」
「お姉ちゃん?」
愛は、きょとんとした顔で僕たちの顔を見た。
「真白も、私の事お姉ちゃんって呼んでも良いよ」
「同じ年なのにお姉ちゃんなんておかしいよ!
君は、瞳だ!」
「なんだとー
3ヶ月も後に生まれたのに生意気だぞー」
そう言って、拳を上げた。
「暴力はんたーい」
僕は、頭を押さえて防御の姿勢に入った。