54
「全部で何票あるんですか?」
「1000票だよー」
「全然足りないっすね」
「そうだね。
もっと頑張らないと!」
「あはは……」
僕は、笑って誤魔化すことしか出来なかった。
「ところで、今日はどうしたの?」
「今日は、弁当をここで食べようかなと……」
「あ、私もまだなんだー
一緒に食べよう?」
「あ、はい」
みさき先輩は、そう言うと席を立って鞄から弁当を取り出した。
「今日は、真白君と一緒だ。
楽しいなぁー」
「先輩はいつもここで食べてるのですか?」
「いつもって訳じゃないけど……
コンクールが近いから昼休みはここで練習させて貰っているんだー」
みさき先輩は、そう言うと楽しそうに笑った。