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「水谷さんは、こいつのことどう思ってるの?」
「良い人」
「ほら、良い人だって、よかったじゃん!」
「どうせ、良い人どまりの男ですよ……
僕は……」
瞳が割って入った。
「水谷さん、ごめんねー
馬鹿な男共は、ほっといて、こっちで話そ……」
瞳は、そう言うと水谷の手を引っ張った。
「ありゃりゃ。
嫁さんにも逃げられたね」
「嫁さんって誰のことだ?」
「瞳ちゃんのことに決まってるじゃないか」
「あれは、姉だぞ?
義理だけど」
「血は繋がってないんだろ?」
「そうだけど……」