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「水谷さんは、料理は好き?」
水谷さんは、コクリと頷いた。
「私、小さい頃から料理が好きなんです」
水谷さんは、そう言うとニッコリと笑った。
少し可愛いと思った。
僕たちは、学校に入るとそのままふたりで教室に向かった。
「お、今日は彼女同伴かい?」
菊池が、からかうように話しかけてきた。
「彼女って……
水谷さんに失礼だろ?
ね?水谷さん」
「別に……」
水谷は、無愛想に答えた。
「えぇー」
「ほら、彼女の方は、まんざらでもないみたいだぞ?」
「それは、違うと思うけど……」