#-02[Réalité immuadle - Ⅰ]
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――――目が覚め、最初に見たモノは見たこともない鮮やかで爽やかな雲一つもない青空だった。
地面は青々しい草のカーペットが地平線の向こうまで広がっている。
「…………」
ボクはゆっくりと瞬きを繰り返し、青い空を何度も何度も確認する。だが瞬きをする度に映る青空にとある疑問が浮上した。
どうしてボクはこんなところで寝転がっているのだろう? 兄を追っている時にコケたからか?
しかしあそこはこんな草原ではなかったはずだ。
「……はぁ」
大きく深いため息が漏れる。
あの少女の声の正体も解らぬままだし、そもそもあれは"夢"なのだろう。そんなことは理解できる。
"夢"に意味を持つことは意味を持たないことも。
しかしそれに何か意味を持とうとしている自分も確かだ。
さて。
重い身体を起こし、改めて辺りを見回す。
夢の話と現状の話は別問題だ。
ここはいったいどこなんだ? まだ夢の中にいるのだろうか?
あぁ、そうだ。まだ夢の中なんだ。頬をつねって確認する。
痛い。痛かった。なら現実……なのか?
はぁ~~。
再びボクは地に身体を投げ捨てる。
穏やかな風が肌を撫で、雲が無いので隠れることのない太陽が僕を日照り続けるが、どこか穏やかで調度いい温度を保っている。
わけのわからない現状に荒んだ心情を和やかにしてくれるのか。
ボクは何気なく体を右に傾け、辺りを伺う。東の方には森があるのが見える。そこから彩色豊かで大小様々な鳥が飛び去って行っていた。
現実では決して見ることない景色。もし世界が変わったというならそれはそれでいいだろうと思う。
だんだん重くなっていく瞼を下ろしながら、そう感じていた。
ボクは"夢"から"現実"へと浮上する。その"夢"の中で一つの影がボクを覆ってることには気付きもせずに。
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