美しい世界
すべてが華やかに光り輝いていた。とても美しい光の光景だった。
「ここは、天国か」
そんな善行を積んだ覚えはないが、目の前に広がる美しい世界は、間違いなく天国に思われた。
だが、数日も経てば、ここが天国ではないと気付く。光ばかりでは目が疲れる、落ち着けない、娯楽も話し相手も何もない。
じわじわと精神的な拷問を受けているような世界だった。
殺してほしいと願っても、もう死んでいるし、この光の世界は美しいだけで何もなかった、悪いことも良いことも何もしてこなかった罰として俺に与えられた地獄だった。