海 その4 おじさんたちも消える
無人島の砂浜。
真田「こないでよぉぉぉぉぉぉぉ!」(超走ってる)
元おじさん「ちくしょうっ!」(スーパー走ってる)
おじさん軍団「「「圧縮率! 圧縮率! 圧縮率! 圧縮率!」」」(大群で襲っている)
真田「あれいったい何!」
元おじさん「俺が追放したおじさんたちだ。少年のような輝きと美しさを失っていたのでな。もはや世界を憎むようになったか。あわれな」
真田「ちょっとそれひどくない? 年取ったら誰でもああなるでしょ!」
元おじさん「お前ら、俺がわからないのか? お前たちを十字架にはりつけて、海流しにしてやったこのおじさんを! 正気に戻れ!」
真田「それ言っちゃ、恨まれてるに決まってるでしょう! あと見かけがもうおじさんじゃないから!」
元おじさん「おい。疲れてきたから、ゆっくり走らないか?」(走るスピードを落とす)
真田「追いつかれちゃうじゃない! あいつらに圧縮率されるわよ!」
元おじさん「大丈夫だろ。見ろ」
真田「おっそ!」(おじさん軍団。体力が尽きてバタバタ砂浜に倒れている)
真田「どういうことなのよ?」
元おじさん「みんなメタボで、体力がなくて、足腰が弱ってるから、興奮して獲物に襲いかかっても、追いつけないんだ。もうやつらは終わりだ」
真田「いろんな意味で終わってるわ」
*
女神「うそじゃろぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ!」(頭を抱えて飛び上がる)
猫美「にゃふっ」(ゾウさんレベルのおなかのふくれようで、仰向けに倒れている)
リアナ「あらあら。たくさんの子猫が産まれるわね」
女神「五年分の食料が全部なくなっとる! あれ全部こいつが食ったのか? あの小さな体でどうやって食べたんじゃ!」
リアナ「何?」
女神「やばい! 気づかれたようじゃ! ここは捨てて逃げるぞい!」(怪物の大群が廃工場の窓に張り付いている)
リアナ「でも猫美ちゃんが……」
猫美「にゃにゃふうぅぅ~。にゃふぅ~」(ぷるぷるぷるぷる)
リアナ「うふふ。かわいい。おなかが大きくて、動けないのね」(きゅん)
女神「もうそいつはほっとけ! 捕食されている間に逃げるぞい!」
猫美「shutdown【シャットダウン】(消化)」(おなかが急にへこむ)
猫美「cat food【キャットフード】(敵の殲滅を開始)」(光の柱が猫美から暴発)
女神「おわああああおおっ!」
リアナ「きゃああああああっ!」
猫美「Give me the tulle【ギブミーザーチュール】(発射)」(天空に舞った猫美。全身からビームを発射)
リアナ「あっ、ちょっとお花つみに行ってきま~す」
女神「ワシの家がぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!」(怪物とともに廃工場、破壊)
*
元おじさん「どうしたんだお前たち、たてぇ!」
おじさんの大群「あっ……しゅく……りつ……」(ぷるぷるぷるぷる)(90%がふくらはぎ辺りをつってる)
真田「もうあきらめて行こうよ~」
元おじさん「なさけない!」(ふぬぅ)
元おじさん「貴様らを追放したこのおじさんのことを思い出せ! あの少年たちを手に入れるべく、俺たちは海の上で『第百二十六回 チキチキ相撲大会』を開き、乳首をソフトにちちくりあった。そして勝利したのがこの俺だ。海に追放し、溺死させてやろうとしたのは、同じ『おじさん惑星』からきた仲間としての恩情だった!」(号泣)
真田「えっ? おじさん宇宙人だったの?」
元おじさん「あのとき業火な炎で焼かれてしまえばよかったんだ! そうすれば、少年たちに肉をふるまえたのに!」(後悔と憤怒)
真田「いや、いらないわよ。そんな臭そうな肉……へっ?」(海の向こうから光線がやってくる)
おじさん軍団「あっ! しゅっ! くっ! りつぅ……」(猫美のビーム光線の中でかき消される)
元おじさん「よし。これからは幼女を捕まえに行こう」(ポジティブ)
真田「……逮捕する。バーン」
(完)