第二八話☆娘たちの恋
一年経ち、上の娘は在学中に
結婚は出来なかったが左京先生と恋の様に
お付き合いは出来たみたいだ。
それでも、一度はフラれてしまったが。
娘の根気に負けたらしい。
下の娘は、告白すら出来ていない。
私たちの娘にしては引っ込み思案である。
もしかしたら、理香に似たのかもしれない。
そして、現在進行形で不機嫌なマー君が居た。
理由は勿論、上の娘のことである。
相手が同僚だから気に入らないみたいだけど、
私と結婚したマー君にそれを言われてもイマイチ説得力はない。
「お父さんだってお母さんが学生の時に結婚したんでしょう」
と言われるのがオチだ。
『マー君、認めてあげれば?』
リビングで楽しそうに何かを話してる
二人を見ながら言ってみた。
本当に仲良しだ。
来年の春に卒業する娘は恋人と一緒に
暮らすんだと嬉しそうに話してくれた。
『分かってるさ』
あの時のお父さんの気持ちが分かったのかもしれない。
二十歳にもならない娘を嫁に出す複雑な気持ちを。
下の娘が好きな相手に告白したのは自分の卒業式の日だった。
あの頃の私や上の娘と違って真面目だったのだ。
まぁそれでも、相手が教師なのは変わらない事実だけど。
娘たちが幸せならそれでいいのだ。
理香も娘みたいなものだけどね。