旨意錯綜.2
(やっぱ、
《
そのままなら人体に害はないので飲もうと思えば飲めるが、一般で売られる飲料水の平均の三〇倍は値がはる。
ゆえに、
エタノールの
使いきってしまえば、それを
これが正当な課題で許可がおりていて、家にいるのであれば法具店に駆けこめばいいのだが、ここではそうもいかない。
(これって持ちあわせで、どうにかできる法印なのか?
どっちをとっても、全貌は見えないし光系の法具はない……。両方不可で、感覚で読み
なんか、むかつく。
🌐🌐🌐
——翌朝…(滞在三日目)…
セレグレーシュは、日が昇る前から《法印》が組まれている大地に、きらきらきらめく水を
金系統・銀系統の独自性の強い
銀色のミキシングボールをふところに。
石碑のあたりから木々が根をはりだす手前まで、ぐるぐると。
その都度、素材を追加したり、
蜃気楼を思わせる幻影が、
こちらの空間からは平面に圧縮されて、二次元的にしか感じとれなかった法具の影だ。
同心円の陣形で配置されている球や四面体、六面体などの幾何学結晶。香油でリボンや糸やクロスのように
なにか
透明で色のない法具が多く使われているが、ところどころに赤や黄金色の、それぞれ意匠を異にする流麗な
そこそこ見えてきたものの、その幻影は、上と下から潰したようなゆがみをおびていて、膝下ほどの高さしかない。
しかも、つねに上下八方へ、のったりふわんふわんと……。ところによっては、そこかとない振動をおびながらゆらめいている。
(やっぱり浮かびが浅い。なんか見えてないところ、かなりあるし。これにひっかからない法具も
気になる部分を見いだしては、吸いよせられるように、あっちへこっちへと足を迷わせる。
法印の輪郭の縁が近くなったところで、手にしていた
注意深く
おうおうに手間をかけて築かれたもののようだが、それはこれという規則性もなくちらばっている。
きっちり組み込まれていたが、どう
日が高くなっても彼は、薄れはじめた幻影の中をうろついていた。
セレグレーシュが手にしているボードに留められた紙面には、法印の形状や層、部分に注目し、分析理解しようとする記述が
観察しながら写しとった構成の簡略図だ。
物体と物体の角度、使われている材料の相性・関わり方などから、わりだした計算式や数字、関係図。
部分的に抜き出し、表記してみた構図。
自分流で表現してみた予測に不明箇所。
疑問、〝
いくらか距離をおいた木陰では、金髪の女性が、けむるような藍の目に
作業に熱中する彼を目で追いかけながら、気まぐれに嫌いだといっていたナッツ類を口に運ぶ。
そうして時間を気にして高くなる太陽を見あげた彼女――女