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第8話 あ~れ~

本日2話目です。よろしくお願いします。
☆。.:*・゜☆。.:*・゜

それからは凄まじかった⋯

『あらあらまあまあ?いえ、あの、お嬢様たち?私、お風呂ならひとりで⋯』

『ダメでございます』
『貴方様は先程まで長く眠ってらしたのですよ』
(わたくし)たちの仕事を取らないでくださいませ』

『あ~れ~』

と、まるで取り合って貰えず、あれよあれよと服を瀕向かれ、映画に出てきそうな大きな神殿風のお風呂に入れられ、髪から体から洗われ磨かれ、オイルマッサージまで⋯

『せっかくのご飯が冷めちゃうし⋯』
『大丈夫ですわ!』
『ここは魔法の世界ですわよ!』
『何の問題もございませんわ!』
『そ、そうですか⋯で、でも、こんなおばあちゃんにこんな手厚くして頂かなくても⋯』

きょとん⋯

『え?』
な、何?なんで固まって?

ハッ!
『そんなことありませんわ』
『女はいくつになろうが女!』
『しっかり磨かせていただきますわ!』

『そ、それはそうだけど』
女はいくつになっても女!これは私の座右の銘でもあるけれど!
人にされるのは別よ~日本人にはハードルが~!


コソコソ
『まだご自分の変化をご存知なかったのね』
『鏡を見る間もなかったのね』
『これは、磨きに磨きをかけて存分に驚いていただきましょう』
『『ええ!』』


な、何かしら?天女さんたち、更にやる気がみなぎってるような?

『お召し物は、こちらがいいかしら?』
『そうね。こちらのドレスにしましょう!』
『さあ、出来ましたわ!』

『あ、ありがとうございます』
な、何だか疲れたわ。精神的にゴリゴリと⋯

『では参りましょう』
『天界樹様もお待ちですよ』
『主神様もお呼びいたします』
そう言って、天女さんのひとりは天界樹様に何らや耳打ちをし、ひとりは主神様を呼びに行き、もうひとりは私を席に案内してくれてから、頭を下げて出て⋯行くかと思いきや、主神様に何かを囁かれて壁際に控えた。な、何かしら?お顔が笑いをこらえているような?

〖やあ、さっぱりしたかい?〗
『え、ええ、お陰様で⋯』
それどころではなかったけど⋯
『妾も使っておる香油じゃ。良い香りであろ?』くすくす
『は、はい』
色んなところを触られて恥ずかしかったけど!

〖さあさあ、天界樹ちゃんの美味しい桃を食べたから、体調は大丈夫だろうけどね?料理長がせっかく用意してくれたからね、食べて食べて♪大丈夫そうなら夕飯はもっと精のつくものにしてくれるってさ♪〗
『料理長の料理は美味しいぞよ。あんなイカつい姿からなぜこの様な料理ができるのか、妾には未だに謎じゃ』
〖確かに~。ほら、食べて。あなたは五年も眠ってたんだから〗

『ごっ!?』
長いこと眠っていたって、いくらなんでもそんなに!?

『主神様、まずは食事が先え』
〖そうだね〗

『え、ええ』
あまりの衝撃に味なんか分からないと思ったのにスープに始まりデザートのゼリーまで美味しくいただきました。
私、案外神経、図太かったのね⋯

☆。.:*・゜☆。.:*・゜

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