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6話 婚前旅行

「おはよう。」
「おはようございます。旅行って、新幹線の席で食べるお弁当も楽しみの一つですよね。イクラしゃけ弁当を買ってきたので食べちゃいますね。河北さんは、朝ご飯はどうするんですか。」
 東京駅で待ち合わせると見つかるかもしれないということで、新幹線には、河北さんは東京駅から乗り、私は大宮から乗ることにしたので、大宮から一緒になった2人。
「僕はカツサンド買ってきたから食べようかな。どうぞ、食べて。ところで、これから、郡山で降りて、すぐに乗り換えて磐梯熱海駅で降り、予約しているタクシーで登山口に向かうことになっている。念のために言っておくね。」
「わかりました。楽しいなー。」

 スポーティーな服も可愛いじゃないか。胸も、こういう服の方が目立って目のやり場に困ってしまう。別々の駅で乗って待ち合わせって、いかにも夫婦じゃないし、不倫と思われているかな。まあ、周りからどう思われても、これから会うこともない人達だろうから問題はないが。

「河北さんって、本当にお肉お好きですよね。お魚も食べないとダメですよ。」
「お魚も食べてるよ。お寿司とか好きだし。」
「どんなネタが好きなんですか?」
「はまちとか、サーモンとか、マグロのトロとかかな。マグロ自体はそんなに美味しいとは思わないけど。」
「私も、マグロの件は一票入れようかな。しめ鯖とか、甘エビとか、鰻とかはどうですか?」
「それらも美味しそうだね。」
「では、次はお寿司屋ですね。楽しみー。お酒とか何が好きなんですか?」
「さっきから質問攻めだね。お酒か。強いお酒とか好きで、スピリッツ系、ウォッカとか、焼酎とか、あとウィスキーとか好きかな。」
「ワインとか、日本酒はお嫌いなんですか?」
「ワインも、日本酒もだい好き。結局、アルコールが入っていれば、なんでも大好きなんだ。」
「そうなんですか。では、お寿司屋さんで、ワイングラスで日本酒を飲み、その後、ショットバーでウィスキーをという感じですね。予約しておきます。楽しみー。」
「あれ、いつの間にか、次の予約が入っちゃったね。」
「そうそう、放っておきませんから。そういえば、河北さんは、品川にお住まいでしたよね。お寿司って言うと、築地あたりのお店でいいですか?」
「任せるよ。」
「はい、任されました。楽❤️し❤️み。」
「そんな可愛いポーズもできるんだ。」
「あれ、私のこと、これまでどう思ってきたんですか?」

 今日も、強引すぎたかな。まあ、拒否られているわけでないし、これが普通と思わせれば、こちらのペースで持っていける。まずは、好きなものの話しをして、それを一緒にと言えば、断れないはず。次は、海外旅行かな。どこに行きたいとか聞こう。とは言っても、重たい女とか思われないよう、1つのイベントの後に1つ提案という感じかな。でも、海外旅行も楽しみだなー。河北さんは仕事で海外とかしょっちゅう行っているから、どこがいいかな。でも仕事ということはレジャーの観光地とか行っていないということかも。だと、モルディブとか、いやいや山が好きなんだから、登れるところとか、でも、そんな本格的なところに私はついてけるのかな? オーロラを見るとか幻想的かも。

「なんか楽しそうだね。何考えていたの?」
「いやいや。あはは。あれ、宇都宮駅だって。宇都宮って、こんな所にあったんだ。知らなかった。」
「そうなんだ。東京にずっといると、栃木とか来ること少ないもんね。」

 2人はタクシーに乗り換え、順調に登山口まで来て、山歩きを始めた。 

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