214章 眠り続けるコハル
コハルが目を覚ましたときには、夜の11時を回っていた。
「1~2時間といったのに、4時間以上も眠ってしまいました」
昼の時間と合わせると、9時間前後となる。睡眠時間を前にして、1日の必要な睡眠量を確保したことになる。
「コハルさん、眠気はどう?」
「しっかりと眠ったおかげで、瞼が少しだけ軽くなりました」
こんなに眠ってしまったら、夜の睡眠をとれるのかな。夜に眠れなかった場合、翌日も瞼の重い生活を送ることになりそうだ。
コハルは10時間近く、何も食べていないことになる。食べられないにしても、水分は補給したほうがいい。
「コハルさん、水を持ってくるね」
「すみません」
コハルに水を渡すと、勢いよく飲んでいた。
「アカネさん、もう一杯お願いします」
「わかった」
アカネは水道水を入れたあと、コハルにコップを渡した。
「コハルさん、どうぞ」
「ありがとうございます」
二杯目の水を飲んでいる女性に対して、
「ご飯は食べられそうかな?」
と質問する。
「きょうはいいです」
コハルそういったあと、大きな欠伸をする。爆睡したにもかかわらず、睡眠は十分ではないようだ。
「アカネさん、睡眠を取ります」
コハルはすぐに、眠りについてしまった。彼女の様子を見ていると、過労死寸前だったときと重なっている。命を失う寸前は、意識を失うほどの、強烈な睡魔に襲われていた。