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118 あ、あれ?雲行きが?…そして、サーヤのぽんぽんも?

なでなでしながら魔力を送っていたら、銀色スライムさんの触り心地がぷるるんに変わりました。
すると、金色スライムさんが急に、【離れるわよっ力を止めてっ!】て、言った気がしました。だから、慌ててみんなに伝えようとしたら

「みんにゃっ はにゃりぇっ」ぶるんっ
え?
「ちぇ~~っ?? 」じょばばばばっ
まだ言いきれてないよ~っ

『なっ!?』
『えぇっサーヤ~!?』
ぴゅきゅ~『『なになに~!?』』

ギン様や、ハクと双子も驚いてる中、金色スライムさんがサーヤをくっつけたまま岸に向かって爆走?です!

「ふみゃ~あぁぁぁぁっ」
じょばばばばばばっ

『いかん!ハク!離れるぞ!』ざばざばっ
ギン様が金色スライムさんを追いかけます。
『わ、わかったよ~!』ざぱざぱっ
ぴゅきゅ~『『わ~っ』』
ハクも双子をくっつけて慌てて岸へ!

じょばばばっと爆走の金色スライムさん、今度はぴょーんとひとっ飛び!おいちゃんの胸にダイブ!!そのままサーヤはすぽっとおいちゃんに抱っこされました。
金色スライムさんはおいちゃんの肩にすとん!です。
ハクたちも無事に岸に上がりました。

『よぉ お帰り』にかっ
「ちゃ、ちゃじゃいみゃ??」
何が起きたのかな?はてなマークがたくさんです。
『わはははっ何があったって顔だな~』
「うにゅ~?」
なにがあったんだろ~?

〖サーヤ、大丈夫?驚いちゃったわね〗
ジーニ様も苦笑いしながらサーヤの濡れて張り付いた前髪を直してくれます。
「にぇ~??」
未だによく分かりません。
〖ふふ。とにかく無事で良かったわ。とりあえず乾かしとくわね〗パチンっ
『おう。ありがとな』
「じーにしゃま、あいがちょ」
サーヤと金色スライムさんだけじゃなくて、サーヤを抱っこして濡れちゃったおいちゃんも一緒に乾かしてくれました。
〖どういたしまして〗にこっ
『サーヤはさっきみたいに冷えないように上着も着とこうな』
「あい」
そう言っておいちゃんがポンチョみたいな上着をかけてくれました。
『わははは 赤ずきんみたいだなぁ~』
なんとポンチョも真っ赤でした。
「ふお~ぉ」
あれ?そういえばおいちゃんはどこからこれを?あれぇ?

〖さて、どうやらお目覚めみたいだけど、なんだか様子がおかしいわね~?〗
ジーニ様が銀色スライムさんを目を細めて見ています。
銀色スライムさん、なんか温泉飲んで大きくなってる?
『サーヤがだいぶ美味しそう~ってやってたからな』
おいちゃん。失礼ですよ。

ぴゅい『たべられちゃう』
きゅい『おもっちゃった?』
モモもスイもひどい……

『え~でもぉ、じっさいご飯食べてたのはスライムさんの方なのにね~?』
ハクの言う通りだよね。

『そうよねぇ。温泉でふやかそうって言ったのもサーヤだしねぇ?』
精霊樹の精様もっと言って。
『あっ、温泉って言ったのはハクだったわねぇ。サーヤは熱湯だったわねぇ』
精霊樹の精様、そういう余計なことは言わなくていいんだよ?

『見た目が美味しそうってだけで、実際食べるわけないしな』
アルコン様当たり前です。ぶー。

〖まあ、可愛いサーヤに力もらっておいて攻撃なんかしようとしてるなら〗
ジーニ様?あ、あれ?雲行きが…?ずもももも

〖『『もう一度寝てもらうしかない(な)わよね~』』〗
ゴロゴロ……か、雷?あれ?暗い?
あ、あれ?前にもこんなことあったような?

あっ銀色スライムさんが震えながら小さくなったような?

その時、シュパッ!とキレのいい音がしたと思ったら、金色スライムさんが空中でキュルキュルルルルと高速回転!からの!シュバッと飛び蹴りが見事に炸裂!!貯めたお水を吐き出しながら銀色スライムさんがお空に飛んでいきました。
「ふあ~?」
たーまや~?
『お~すげぇな~』
どこまで行くのかな~?

〖『『ちっ』』〗
「ふえ?」
皆さん、奥さんの一撃で済んだんですから…ね?

ただいまの状況をご説明致しますと、

温泉とサーヤ効果でお目覚めになった銀色スライムさん。サーヤの水まんじゅう美味しくなぁれ攻撃でご乱心になりかけ、奥様である金色スライムさんの飛び蹴りで場外退場…そして今、

みんなの前で土下座をする銀色スライムさん。その横にはペシペシ銀色スライムさんを叩いている金色スライムさん。これがおよそ百年ぶりに再開したエンシェントスライムご夫妻の姿…

奥さんの怒りの飛び蹴りを受け正気に戻った銀色スライムさんは、百年放置した怒る奥さん金色スライムさんにだけではなく、サーヤを攻撃しようとした罪により絶対に怒らせてはならない面々に睨まれていた。

ぷるぷると震え縮こまる銀色スライムさん。それを見ていたサーヤが一言……

「ぷりゅぷりゅ~、みじゅまんじゅうみちゃい、おいちしょう」じゅるり…。

びくうっぶるぶる…

『サーヤ…美味しそうって』
『今はやめてあげなさい…』
フゥとクゥが呆れたように言います。可哀想な銀色スライムさん…

そんなサーヤに
『サーヤ、お前腹減ったんじゃないか?』
おいちゃんがふと気づいて言います。
「うにゅ?ぽんぽん?」
そういえば…
「きゅるるるるぅ~」

「……」
『……』
し~ん…

サーヤは自分のお腹に手を当てて、自分のお腹を見てからおいちゃんを見上げます。そして

「ぽんぽん、しゅいちゃっちぇ」
ぽんぽんが言ってます。

『そのようですね』うんうん
バートさん?感心したように言わないでください。
『ぷっ。さすがサーヤの腹の虫だ!本人より優秀だ!わははは!』
「ぶー」きゅるるるるる~
『わはははははは』

うりゅ~ぅ。おいちゃん笑いすぎ!お腹の虫さんはサーヤがきらいなんだ。

『大丈夫ですよ。主思いな優秀なお腹の虫さんですよ』
バートさんはおいちゃんより優しいです。

おいちゃんたちとの話を聞いてたみんなが言い出しました。

まずはフゥとクゥが
『あ~そうだよな』
『朝ごはん食べて』
と思い出しながら言うと、ちびっこ同盟が続けて

『魔力操作の練習して~』
ぴゅい『おちゃして』
きゅい『いし、さがしにいって』

『それから』
『帰ってきたら』

『『『このさわぎ~』』』

最後に呆れたようにバートさんとおいちゃんが続けます。
『なるほど、そのままお茶もそこそこに…』
『温泉に来ちまったわけだ』
『しかも、魔力与えてますしね』
『さらに温泉につかりながらかぁ。そりゃ~』
『お腹だって』
『空くわな~』
『そうですね』
二人で顔を見合わせてます。
「きゅるるるるぅ~」
もう、お話はお腹の虫さんに任せます。ぐすん。するとおいちゃんが、

『なあサーヤ、俺からも説明してやるから銀色スライムに謝れるか?』
「う?」
謝る?バートさんも説明してくれます。
『サーヤ、あなたはおそらく知らぬ間に疲れが溜まってお腹も空いていたのでしょう。そんな時に見た目、美味しそうな者がいたために』
『美味しそう~ってなっちまったんだな。銀色スライムにしてみたら寝て起きたら食べられちまう!って思ったわけだ』
「ふあっ」
それはイヤです!
『銀色スライムからして見れば、きっと恐怖からくる防衛本能だったんでしょうね』

ガーン
「さーにゃ、ぎんいろしゃん、こわがりゃしぇちゃ…」
反省です。

『そうですね。ですから訳を話して謝って誤解をときましょう』
『そしたらきっと仲良くなれるからな』

「あい!」
ちゃんと仲良くしたいから、謝ります!
バートさんとおいちゃんが、いい子だなって頭なでなでしてくれます。えへへ~。

『そしたら謝って昼メシ食って、お前は昼寝だ!』
「あ~い」きゅるるるるぅ~
…やっぱり先にごはんください

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