119 仲良しになりました
サーヤはぽんぽんが減っちゃったせいで、銀色スライムさんを怖がらせちゃいました。ということで、
「ぎんいりょしゃん、おいちくにゃありぇ、ごめしゃい」ぺこり。きゅるるる~
銀色スライムさんに、おいしくなぁれして、ごめんなさいしたサーヤです。
ぽんぽんの虫さんもごめんなさいです。きゅるる~
『サーヤが悪かったな。朝から色々あったみたいでな?それで腹減ってるところに、サーヤが言う「ご飯」だけど、自分の魔力をお前さんに渡したもんだから、更に腹減っちまって無意識に「美味しそう」から「おいしくなぁれ」になったみたいなんだよな』
おいちゃんがサーヤの代わりに詳しく説明してくれます。ありがたやー。
それを、ぷるるって銀色スライムさんが体を揺らして聞いてくれてます。
ぷるるるっ…やっぱり水まんじゅう…じゅるり。
『サーヤ…謝ってる最中に…』
「ごめしゃい…」
おいちゃんに何やってるんだって目で見られちゃいました。だって…くすん。きゅるるるる
続けてバートさんがダメ押しとばかりに
『サーヤはあなたを見つけ、あなたを助け出し、更には疲れているにも関わらず自らの身を削ってまであなたに力を与え目覚めさせたのです。現に今だってお腹が減って可愛いお腹の虫を鳴らしているのにあなたへの謝罪を優先しているのです。むしろサーヤの方が謝罪をされ、礼を言われる側なはずなのです。にも関わらず、サーヤはあなたに謝ったのです。ですから、もちろん許してくださいますよね?』にこり
「『……』」
なんでしょう?これは説明でしょうか?おいちゃんもお口あんぐりです。
なんか怖いです。きゅるぅ…
ぶるるる…
銀色スライムさんも、さっきとは震え方が違う気がします。
こそこそ
〖すごいわ、さすがね。あれはバートにしか出来ないわ〗
『すごいわねぇ~えげつなさがぁ』
『あれは説得か?脅しの間違いではないのか?』
『さすが主神様についていらっしゃる方ですね』
〖『『『絶対敵にしたらダメなやつね(だな)』』』〗
『何か?』
〖『『『すみません』』』〗
大人たち、バートさんには勝てないんだからやめればいいのに…
おいちゃんと、バートさんが説明してくれたら、銀色スライムさんがおずおずと金色スライムさんに付き添われてやって来ました。
銀色スライムさんが、ごめんなさいって頭を下げてくれました。
『さーにゃみょ ごめしゃい。なかよち、ちちぇくりぇりゅ?』
ちょっと心配で泣きそうになっちゃったけど、銀色スライムさんはこくこくと頷いてくれました。
「あいがちょ~」にぱあっ
良かったです!仲良しなってくれました!嬉しくてぴょんぴょんしたら、サンダルがぴゅいきゅいって鳴きました。
あれ~?銀色スライムさんなんかてれてれしてます。なぜか金色スライムさんもくねくね?なんで??
フゥとクゥ、ちびっ子同盟がこそこそしてます。みんなはスライムさんがどうしちゃったのか分かったのかな?
『またサーヤの可愛らしさに陥落したわね』
『至近距離の「にぱあっ」だったしな』
ぴゅい『なかまが』
きゅい『ふえたね~』
『うふふ。仕方ないよね~』
『サーヤ』
『いい子だもん』
『『『ね~』』』
くねくねしてた金色スライムさんが、ハッとしたように銀色スライムさんの頭をパシッと叩きました。
そしたら二匹で仲良くぴょんぴょんしてサーヤの両肩に乗って来ました。ぷにぷにです。両側からスリスリしてくれます。
「ふあ~ぁ、ぷにぷに~ぷりゅぷりゅ~きもちい~」
水まんじゅうと、ゼリーに挟まれてる感じです。最高です!じゅるり…。きゅるる~
『わははは!よかったなサーヤ!仲良くなれて』
「あい!」きゅる!
おいちゃんが頭なでなでしてくれます。
『でも、これでまた名前を付ける相手が増えましたね』
「ふえ?」きゅる~?
なんですって?バートさんが怖いことを言った気がします。気のせいだよね?
『頑張ってくださいね?名付け』にっこり
バートさんがにっこりして言います。
「ふあっ」きゅるっ
気、気のせいじゃなかった…しかも
『あらぁ~名付けの順番なら私たちの方が先よぉ~?ねぇ~?』
楽しそうに精霊樹の精様まで!
精霊樹の精様の言葉にクモさんたちと、はちさんたちがウンウンと頷いてます。
「ふわわわわわわ」
なんか、更に怖いこと言われた?
『まあ、頑張れ!俺のも頼むな!わははは』
「ふみゃ?」きゅくる?
ひどいです。おいちゃんが頭をぽんぽんしながらトドメを刺してきました。
「ふ、ふぎゃ~あぁぁぁっ」
きゅるるるるるる
だれかたすけて~えぇっ
『あ~あ、サーヤ泣いてるよ~』
ぴゅい『おなかのむしさんも』
きゅい『ないてるよ~』
『まあ、仕方ないわよね。仲間が増えるってことは』
『名付けも増えるってことだもんな』
『なんかちょっと』
『かわいそうだけど~』
『『『がんばれ~サーヤ』』』
フゥとクゥ、ちびっこ同盟は応援します。というか、応援しか出来ない。
「ふぎゃああああ」
きゅるるるるる~
『わはははは!』
『フフフ…』
そして、ひっそりとこちらでも…
『忘れられてるようだけどものぉ。とてもじゃないがのぉ、言えないのぉ』
『そうじゃの…ワシらもいるとはの、とてもじゃないが言えんの』
『ねえ、亀じぃ、じぃじ~』
『忘れられてるのは私たちもだけど~』
『あそこで小さくなって』
『お耳としっぽ震えてる子たちいるよ』
『『『『『『かわいそう~』』』』』』
『……』カタカタカタカタ
『……』ふるふるふるふる
『本当だのぉ』
『かわいそうにの』
『『『『うん』』』』
『『『『『『仲良くなれそう~』』』』』』
静かに見守りながら頷く妖精さんたち
サーヤ、まだまだだよ。がんばれ~。
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