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6話

先生「さて、今日の授業はここまでです。次はお昼休みですので、次の授業にも遅れないでくださいね!サヤ君、いいですね?」

サヤ「は~い♪」

先生「やれやれ、ホントに分かってるんですか…」

サヤの適当な返事に先生は呆れた様子だった。

先生が教室を出て行ったと同時に、周りの皆が俺の席を囲み始めた。

生徒1「ねぇねぇ!君、アルビオンから来たって本当なの?」

ディアン「え?う、うん。そうだけど?」

生徒1「あそこって純白女帝とその弟子、七賢人しか住んでないんでしょ?ディアン君も七賢人の一人なの?」

ディアン「えっ…うーん…。そ、そうだよ!(やべぇ分かんねぇ。七賢人ってなんだ?ロストさんと俺以外の連中のことか…?)」

他の生徒が更に俺に質問した。

生徒2「あぁ!だからサーヤと一緒だったのか?」

ディアン「え?サーヤ?」

生徒2「え?コイツだよ。アルビオンから来たんだろ?」

その生徒は、隣に居るサヤを指さした。サヤは眠たそうに大きなあくびをしていた。

ディアン「え?サヤさんもアルビオン出身なの?」

俺は眠たそうなサヤに質問した。

サヤ「そーだよん」

ディアン「え?じゃあその、七賢人の一人?あの城にいるの?」

俺の質問に他の生徒が驚いた表情をする。

生徒2「なんだよ!一緒にいる事も知らなかったのか?」

ゲッ、しまった。

ディアン「えっ?あー、うん。俺新人だから~…。ハハハハ…」

俺が苦笑いをしていると、一人の少女が俺に近付いて来た。この子、確かさっきの授業でよく手を上げていた、フレイヤとか言う子だ。長く青い髪の毛と、精悍な顔立ちの美少女だが、なんかちょっと高慢そうだ。

フレイヤ「随分とまぁ怪しいわね。閉鎖された国である、アルビオン出身と言うのもなんだか臭うし、何しろサーヤと一緒だなんて…」

少女の言葉に、サヤはまた不気味な笑みを浮かべた。

フレイヤ「あの城には色んな噂があるのよね~。アルビオンの民をオーブイーターに喰わせたのは、他ならぬ女帝と七賢人達だとか~」

ディアン「え?それホントなの?」

フレイヤ「フン!そう言って誤魔化してるだけなんじゃないの?」

ディアン「お、俺は新人だから…」

フレイヤ「新人?じゃあどう言う経緯で弟子になったのよ?どうして弟子入りしたのか教えなさいよ?」

ディアン「そ、それは───」

ヤバい。これ言っちゃって言いやつなのか…。

サヤ「クックック…」

俺の困った様子を見て、からかうようにサヤが笑った。

て言うかコイツ、同じ城の人間なのに、なんでずっと黙ってたんだよ。俺の事をからかう為か?

サヤ「それはね、ディアンがあのカリブンクルスの転生体だからです♪」

ディアン「えっ?」

俺は思考が停止した。

クラス一同「へ?」

他の生徒達も目を丸くした。

フレイヤ「は?」

フレイヤも驚いた様子だった。


こ、サヤ(こいつ)、言いやがったぁぁぁぁ!!

ディアン「なっ!なんで言うんだよ!?」

俺はサヤに詰め寄った。

サヤ「え~?言っちゃダメなヤツでしたかこれ~♪」

ディアン「ワザとだろ?ワザと俺を困らせてるんだろ?」

フレイヤ「それ、本当なの?」

フレイヤが険しい表情で俺に聞いた。

ディアン「え?」

フレイヤ「本当なのって聞いてんの!!」

ディアン「それは、えっと~……」

サヤ「ホントです♪」

俺の代わりにサヤが答えた。

ディアン「だからなんでお前が言うんだよ!」

サヤ「だって~♪」

サヤは全く反省していない。

フレイヤ「なら見せて?」

フレイヤが言った。

ディアン「え?何を?」

フレイヤ「とぼけんな!分かってるんでしょ!」

ディアン「わ、分かったよ……」

俺は渋々と前に手を差し出した。すると、手の中にあのランスが現れた。

クラス一同「「「おぉーーーー!!!」」」

クラスの皆が更に驚いた。

生徒1「すっげぇ、本物じゃん!」

生徒2「やべぇマジで!?」

生徒3「伝説の勇者とか、かっけぇ~」

クラスの皆は興奮した様子で、俺のランスを見ていた。

一人の少女を除いて───、

フレイヤ「貴方!!自分の前世が勇者だからって思い上がってるんじゃないでしょうね!!」

フレイヤは顔を真っ赤にして激昴し始めた。

ディアン「え…、えぇ~!?そんなことないって!」

サヤ「そう言えば昨日、俺が世界を救うって言ってました~♪」

サヤが余計な一言を言った。

ディアン「なっ!?んなこと一言も言ってねぇよ!」

フレイヤ「な、なんですってぇ!!?」

サヤの一言で、フレイヤは余計にヒートアップした。

フレイヤ「貴方、この後中庭に来なさい!!勇者という物のあるべき姿を、この私フレイヤ・エルポートが教えてあげるわ!!」

うわー…。面倒くさいことになってきた…。

サヤ「フフフ…。頑張って下さい♪」

サヤは無邪気な笑みを浮かべて言った。
マジで全部お前のせいだからな。

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