あやかし金魚屋の魂事件録~宮村夏生の夢現~ (外部サイトで読む)
空飛ぶ金魚に囲まれた俺に女は言った。
――殺すかい?それとも殺すかい?
宮村夏生は妹の沙耶が十六歳になった日に心中した。
しかし夏生は奇しくも一人だけ生き残ってしまう。
そして呆然自失としていたある日、夏生の目の前に空飛ぶ金魚が現れる。
金魚を追って行くと、その先にいたのは死んだはずの沙耶だった。
けれど沙耶は夏生から逃げるように走り去る。
そして今度は沙耶を追って行くと、辿り着いたの一軒の喫茶店だった。
そこにいたのは一人の女だった。
「ようこそ金魚屋へ。君が来るのを待っていたよ」
金魚とは未練を持って死んだ死者の魂だと女は語った。
そんな金魚を弔う《金魚屋》が導く先に待つ夏生の選択。
そしてその選択がもう一人の兄の選択を導いていく。
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