夜と楔 (外部サイトで読む)
偉大なる魔法使い、レイヴン・グリューネバルトは暗闇の中で目覚めた。朧げな記憶を探りながら、彼は自身が囚われの身であることに気づく。自分の身にいったい何が起こったのかを思い出そうとするものの、記憶は肝心なところで途切れていた。どうしたものか、と考えあぐねていると、暗闇の外で気配がした。息を殺して、その気配の正体を探っていると、突如として光が闇を切り裂いた。――――扉が開かれたのである。そこに立つのは一人の少女。名をカルナ・グリフィス。プロキオン王国直属の組織〝聖き盾〟の一員であった。我が物顔で部屋に入ってきた彼女は、レイヴンを指差して、こう宣言した。
「――――貴様を私の下僕とする」
復讐の焔を胸に、レイヴンは下僕としての道を選ぶのであった。
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