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西の都が牛鬼の手に堕ちた。その報せを受けた帝によって、六条大吾は西へ征く。しかしその道中、妖の群れに襲われ、引き連れてきた兵を尽く失ってしまう。這う這うの体で逃げ延びた彼の前に、白銀の髪を持つ美しい女狐が現れる。数々の妖術に苦しめられながらも、大吾は女狐を追い詰めるが、向けられた刃を握って彼女は言った。
「疾く殺せ――」
刃を握る手は、本当に自らの死を望むのか。それとも――。
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偉大なる魔法使い、レイヴン・グリューネバルトは暗闇の中で目覚めた。朧げな記憶を探りながら、彼は自身が囚われの身であることに気づく。自分の身にいったい何が起こったのかを思い出そうとするものの、記憶は肝心なところで途切れていた。どうしたものか、と考えあぐねていると、暗闇の外で気配がした。息を殺して、その気配の正体を探っていると、突如として光が闇を切り裂いた。――――扉が開かれたのである。そこに立つのは一人の少女。名をカルナ・グリフィス。プロキオン王国直属の組織〝聖き盾〟の一員であった。我が物顔で部屋に入ってきた彼女は、レイヴンを指差して、こう宣言した。
「――――貴様を私の下僕とする」
復讐の焔を胸に、レイヴンは下僕としての道を選ぶのであった。0クル
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