深淵の黒鶴 わたしたちはふたつでひとつのツバサなのだから (外部サイトで読む)
加茂野茉凜(かもの まりん)は、背の高さにコンプレックスを抱える十六歳。とある理由から一人で旅をしていた。そして、旅先で立ち寄った公園で美しい少年と出会う。しかし、その少年は獰猛な獣のように彼女に鋭い視線を向け、冷たく彼女の夢を否定する。憤慨した茉凜はその場を去るが、少年の寂しげで儚げな雰囲気が気にかかり、翌日再びその場所に足を運ぶ。
二人の出会いは、深淵の血族と呼ばれる異能暗殺結社によって引き起こされる運命の序章であった。茉凜は、少年との関係を通じて、彼女自身の運命と向き合うことになる。
少年の名は柚羽弓鶴(ゆずは ゆづる)。深淵の四色の流儀から外れた番外の色を持ち、敵対する術者の集積した力をすべて奪い、相手の持つ流儀さえ取り込んでしまう、底なしの器と怖れられ、厄災の象徴とも希望の象徴ともされる存在。その異能の名は、彼の名を元に「深淵の黒鶴」と呼ばれる。
黒髪のグロンダイルの前日譚。加茂野茉凜視点の物語。
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