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助けた少女が王女様だった

「……て言う事があったのよ」
 私は王都で起こった誘拐未遂騒動の事を家族に話した。
 此処で私の家族に関して話しておこう。
 私の家族は父の『ヘルン・ファダイン』、母の『ノイル・ファダイン』、そして兄の『ライク・ファダイン』、そして私の4人家族だ。
 前も言ったけど我が家は先祖代々の貧乏貴族で領地も狭いし土地としても最悪な環境、細々と生活している。
 だからそんな父の元に母が嫁いできたのが不思議でならなかった。
 母の実家は伯爵家で我が男爵家とは雲泥の差、しかも恋愛結婚らしい。
 我が父はどうやって母を落としたのだろうか、我が家の七不思議の1つである。
「俺も似たような事があったよ。それが母さんとの出会いなんだけどな」
「えぇ~、親父が誘拐犯を撃退した事あるの?」
「あの頃のお父さんは勇敢だったのよ。まぁ、今もそうだけど」
「まぁミリアがした事は良い事だ。きっとそのお嬢様やそのご家族も喜んでいるだろう」
「お礼はもらわなかったの?」
「だって、お城からの参加料だけで十分でしょ? まぁ、一応名前は名乗って置いたけど……、そういえば向こうの名前は聞いてなかったわ」

 その1週間後、我が家の前に立派な馬車が止まっていた。
「先日は助けて頂いてありがとうございました。私『メディーナ・トワソム』、この『トワソム王国』の第1王女です」
 えぇ、例の少女がお礼に言いに来てくれたんだけど……。
 うん、言葉を失った。
 まさか、王女様だなんて思わなかった。
 しかも……。
「ノイルっ! 久しぶりね♪」
「『ミーヤ』王妃様! 久しぶり!」
 なんで母は王妃様と親しく話しているの?
「そう言えば、学院の同級生だ、て言ってたな」
 お父さん、本当になんでお母さんを落とせたの? 

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