14 とある町のとある出来ごと②
「答えろ。
お前は誰だ?」
「|白銀《しろがね》と申します。
でも、覚えなくてもいいですよ?
貴方はここで死にますから」
白銀の目が赤く光る。
「その赤い目。
アトラク=ナクアのつもりか?」
座来栖が白銀を睨む。
「さぁ?どうでしょうね。
もう死ぬのだから気にしないでいきましょう」
白銀の腕が赤く光る。
「……死ぬのはお主じゃ」
ブレザーの制服を着た女子が現れそういった。
女子の名前は|詩空《しそら》 |清空《きよら》。
ファルシオン・科学部隊長を務めている別名金色の魔道士。
名前の通り金色の瞳を持つ。
「おや?ファルシオンの科学部隊長の清空さんじゃありませんか」
「気持ち悪い話し方をするな」
「貴方は私を嫌いますね」
「当たり前だ」
清空の目が冷たく響く。
白銀は大きく後退した。
それと同時に白銀の足元が爆発する。
「あれー?外れた!」
そこにたっていたのは白髪の少女。
キョロキョロと周りを見渡す。
少女の名前はシエラ・シエル。
シエラは、清空の弟子である。
「さようなら。シエラさん」
白銀がシエラの顔に向けてナイフを投げる。
それを黒髪に体中にシミだらけの少年が弾き飛ばす。
「大丈夫?シエラ姉さん」
少年がそういうと白銀がいう。
「|亜金《あきん》さんじゃないですか。
相変わらず醜いですね」
白銀が嬉しそうに笑う。
そして体を大きくそらす。
「亜金は、醜くない!」
頭に獣のような耳にお尻に3つのしっぽを持った眼鏡の少女が刀で白銀に斬りかかる。
しかし、白銀はその刀を何度も避ける。
「ははははは!いいですね。
この連携!」
白銀が笑う。
そして胸元に小さな穴が開く。
「当たった!」
亜金が小さく笑う。
「当てたんだ。
この距離で外したら生涯笑いものだ」
座来栖が冷静に言葉を放つ。
「……流石にこの人数ではやりにくいですね」
白銀がそういって宙を浮く。
「逃げる気か?」
清空が挑発する。
「ふふふふふふふふ」
白銀は不気味に笑うと姿を消した。