15 とある町のとある出来ごと③
「引いたのか……?」
座来栖が銃をショルダーに直す。
「でも警戒は解くなよ」
清空がそういって息を吐く。
「はい、清空さんありがとうございます。
助かりました」
座来栖がお礼を言った。
「いや、アイツは私が止める」
「知り合いなんですか?」
「白銀とは知り合いじゃよ」
清空がうなずく。
「そうですか」
座来栖はそれ以上深くは聞かなかった。
それが大人のルールだと思っている。
「にしても一瞬でしたね」
亜金が息を吐くようにそういった。
「強敵と戦うときは短期決戦じゃ。
長引くと不利になる」
清空がそういうと小さく笑う。
「まぁ、お前らの連携はなかなかよかったぞ!」
清空が白い歯を見せて笑う。
「ふぅ。では俺は仕事があるので失礼します」
座来栖がそう言い残すとその場を離れた。
「……忙しいやつじゃな」
清空はそううなずくと空を見上げた。
シエラたちも空を見上げる。
「いい天気ですね」
亜金は、そういってメガネを外し布で汚れを拭った。
「防塵メガネにしたらどうだ?」
玉藻が亜金にそういうと亜金は小さく苦笑いを浮かべた。
「んーお金ないからしばらくは無理だけど。
考えとくよ」
「戦闘中はメガネを拭けないぞ」
シエラがそういうと地響きが響く。
「焔さまが来たぞ!」
「焔……遅い」
シエラが突然現れた少年にそういった。
少年の名前は|馬神《まがみ》 |焔《ほむら》。
燃えるような情熱を持つ少年だ。