プロローグ
「うっわぁ、また寝落ちしちゃったわ」
最近どうも眠くて困るんだよねと、目を開いた私は、
「げっ!?」
と、何かを踏みつぶしたような声を発して辺りを見回した。
まず、ゲームをしながら寝落ちしたはずなのに、ちゃんとベッドで寝ている。家族がいれば、運んでくれるっていうこともあるけど、私は学校を出てから会社に近いこのアパートで一人暮らしだ。
……いや、それどころか今いるのはそのアパートではない見知らぬ場所。ただ、見慣れた場所ではある。
知らないのに見慣れているなんておかしいかもしれない。だが、そうなのだ。ここは、さっき私が寝落ちするまでやっていた音ゲー、「コントラの名手」の背景に、やたら豪華なくせに張りぼてっぽいのも含めて(そりゃそうよ、二次元だからね)そっくりだったからだ。