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第18話:シャルの苦悩

ーーシャル視点

私の名前はシャル・フォン・ラートリアです。今日(私達)の息子であるシズナの誕生日パーティーを開いたわ。

久し振りにワインを沢山飲めて楽しかったわ‥‥‥流石にもう暫くは飲みたくないけど。
兎も角、楽しかったのよ‥‥‥()()を見るまでは‥‥‥。

アレというのはシズナのステータスのことよ。それを見た私は酔いが吹っ飛ぶほどに驚いたわ。なんせ、()()スキルの文字があったもの。

私は学園時代に固有(ユニーク)スキル持ちと闘ったことがあるわ。でも、あまり闘ったことはないわ。固有(ユニーク)スキル持ちは数が少ないもの。
その中でも()()と呼ぶに相応しいスキルを持っていた者のスキルの効果は『魔法を打ち消す』といった効果よ。

これがひどいのよ。私の魔法は消えるのに相手の魔法ばっかり発動するのだもの。ま、最後は魔力切れになったところを私の魔法で倒したのだけど。

今の例のように固有(ユニーク)スキル持ちは異質なの。定石通りの戦い方が効かない上にスキルの効果も把握しづらい。

シズナのあのスキル‥‥‥【(ローブ)能力(スキル)進化(・エボリューション)】だったかしら、効果がスキルを奪うスキル【強奪】と似ているわね。固有(ユニーク)スキル持ちと知られなくても、忌み嫌われている【強奪】と似た効果があるなんて知られたら狙われるかもしれないわ。
どちらにしてもアレは人に知られてはいけない類いのものね。仮に知られたとしても自衛が出来るくらいの実力は付けてもらわないと‥‥‥。

本当は愛情をいっぱい注いで、甘やかして育てたかったわ‥‥‥暴君にはならないようにある程度の躾はするけど。

固有(ユニーク)スキルにばっかり注目していたけど‥‥‥魔法系のスキルも持っていたわ‥‥‥見知らぬ魔法使いより、私が鍛える方がいいんじゃないかしら?
親子だから()()も近いと思うわ。波長‥‥‥波長が合うのは大事よね、うん!!

ああ、嫌なことを思い出したわ‥‥‥幼少期に魔力を感じさせるために魔力を流されたけど‥‥‥エルフとドワーフの仲以上に波長が合わなくて吐きながら気絶したことがあったわ‥‥‥。流石に2度と体験はしたくないわ。

エルフとドワーフは互いに嫌いあってるのよ。エルフが森や木を大事にして狩猟するのに対して、ドワーフは()()()()()()()鍛冶場を作り鍛治をするからエルフは木を切り倒して森を破壊するドワーフを、ドワーフは鍛冶場を作るために邪魔な木を切り倒させないエルフを嫌っているわ。
『エルフとドワーフの仲』という言葉は仲が悪い人がよく使うわね。

ーーシズナ、これから沢山大変なことーー訓練と訓練と訓練ーーがあるだろうけれど‥‥‥それと同じーーそれ以上に楽しいことがあるわ。

ーーだから、めげずに頑張りなさい!!

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