第17話:ガルドの苦悩(後編)
進化の方も十分に恐ろしい内容だが、それよりも
世には【強奪】というスキルを
せいぜい違う点と言えば、【
ローズにシズナが【隠蔽】を獲得するように言わねば‥‥‥。この
私はそのようなことを考えながら『とある人物』を呼んだ。
とある者を呼んで暫く経った頃、ドアがノックされた。私は一言「入れ」と言った。その人物はドアを開け入って来た。
その者は入って来て早々、こう言った。
「何の用ですか、旦那」
その者は大抵の貴族に使ったら、『侮辱罪』で処刑されても文句は言えない言葉遣いで聞いてきた。しかも、此奴は私が侮辱罪で処刑しないことを知っていてその言葉遣いで話すからタチが悪い‥‥‥その程度では怒るほど私は短気ではない。
「シズナを鍛えて欲しい」
「へ?なんでですか?旦那が鍛えたらいいじゃないですか」
私が用件を言うと、その者は『私が鍛えたら良い』などと言った。
「知っての通り、私は領地のことや執務で忙しい。それで無くとも、私より
「でも、俺が得意なのって不意打ちですよ」
「だが、剣もある程度はできるだろう」
「まっ、それもそうだな。わかったよ、引き受ける」
「私が何と言おうと引き受けるつもりだっただろう‥‥‥」
「まあ、そうだけどな。ここんところ、何も無くて退屈してたんだ。別にいいだろう?」
「好きにしろ」
その者は「へいへい」と言って部屋を出て行った。
「ここ数年は領地にも何も問題がなくて安心していた矢先にこのような問題が来るとは‥‥‥」
私は頭を抱えながら溜め息をついた。