第1話:対面
俺は目覚めた。起きたばかりの俺は見知らぬ部屋にいたことに戸惑った。が、すぐに『転生』したことを思い出した。
俺は周囲を確認しようとして立ち上がろうとしたが、立ち上がれないばかりか体を動かすことすら出来ない。身体能力は赤ちゃん並みってことか‥‥‥。
目だけは動かせたから、視界に映るモノだけを見ていった。
まずは『シャンデリア』
俺が石について考察していると、ドアが開く音がした。残念ながら、こちら側からはドアが見えないため本当かどうかは分からないが。
案の定、誰かが入って来た。その
蒼髪に青色の瞳の人だ。流石にあの女神ーー様をつけたほうがいいかな?ーーには劣るが前世だとモデルにもなれるというほどの美貌だ。何故か俺はこの人を『メイド』だと思った。俺は前世でメイドを見たことがないはずだ。正確には
そのメイドさんは俺を見て何かを言った。
「○☆△」
っっっ!?‥‥‥何なんだ、これは!?凄く耳障りな声だ。いや、声自体は綺麗だったから言葉の方に問題があるのか‥‥‥?単語の意味すらわからない。いや、単語の意味がわからないのは当然か‥‥‥日本語や英語じゃないし‥‥‥。それ抜きにしても
そのメイドさんがドアを開けて出て行った。ドアが開く音で判断しているから実際のところ、本当に出ていったのかわからない。
ふう‥‥‥うるさいのがいなくなったな。と思ったのも、つかの間、またドアが開いた。
俺はまたあのメイドが来たのかと思って少し身構えた。だが、体が動かないから身構えることが出来ない。しかし、予想に反して今度は別の人が入って来た。
その人を見た瞬間、俺はこの人が自分の母親というのを本能で理解した。赤髪に緑色の瞳‥‥‥如何にも、ファンタジーらしい髪色と瞳の色だ。そして、この人もあの『異質』な言葉で喋り出した。
その時、丁度いいタイミングで睡魔が俺を襲った。俺はこの『地獄』から逃れることが出来るなら、と睡魔に抗わず、むしろ睡魔に身を委ねた。
それに今は授業中でもないから寝ても大丈夫だろう。むしろ、赤ちゃんの本分は『食べる』『遊ぶ』『寝る』の3つだ。だから、寝て‥‥‥も、いい、よね‥‥‥。