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限りある

その頃真由美は走って雪が待つ桁箱へと急いだ。

雪がバックの中を見ては、どうしようと言う顔をしていた。

真由美が行くと雪は明らかに困った顔をしていた。

真由美は言う。

「雪、いったいどうしたの」

雪は泣きそうな顔をしながら言った。

「真由美、どうしよう、バックに入れておいた、お財布がないの・・・・・・」

真由美は「えっ」と言った。

真由美は言う。

「とりあえず、バックを全部みてみようよ」と言う。

だが、無情にもバックにはなかった。

二人が困っていると、吉田満が屋上で煙草を吸い終わってきた。

彼は困っていそうな二人を見てつい、言ってしまった。

「どうしたの」

それを聞いた真由美が怖い顔をした。

なぜなら吉田満はこの学校では、学校に来ないやつとか、成績がオール1、と言うことはみん

なが知っていたからだ。

真由美は警戒するが雪は違った。

「あ、あのね、お財布がなくなってしまって・・・・・・」

思わず真由美は目にしわを寄せて言う。

「雪」

そんな態度を見せても満は何も思わなかった。

ただ、声をかけたのが女の子だということで、緊張が走った。

満は言う。

「あ、あのさ、もしかして、落とした財布ってこれかい」とポケットから雪のお財布を出す。

真由美は怒鳴っていった。

「ちょと、何であんたがこれを持っているのよ」

真由美の怒号のような声に、緊張はさらに高まった、満だったが、彼はこのお財布を廊下で

拾ったのだった。そして、これから先生に拾いましたと職員室を訪ねる気だった。

満は言う。

「い、いゃ、これはさっき、そこの廊下で拾ってさ、これから職員室に届けようと思っていた

んだ」

「ええっ」と雪と真由美は言った。


真由美は言う。

「あんた、それ本当」

満は言う。

「誰が落としたか知らなかったけどさ、これ、アンタのか、よかったね、見つかってさ、は

い」といって、雪に差し出した。満の目は優しい目をしていた。

それを見た真由美は、後悔したのと驚いた。

噂では、とんでもない奴、で、満はとおっていたからだ。

真由美は素直に満に謝った。

「こ、ごめんなさい、早とちりしちゃった。」

満は言う。

「いいよ、俺はおかしい奴でとおっているからさ」

と悲しい表情をして笑った。

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