気絶
カオルとトシキは、仲良く食べながら話していた。
そんな幸せのなか、最悪の事態が生じた。
カオルの心のなかにテレパシーを送ってくる何者化の力が働いた。
声は言う。
(やぁ、こんにちは、魔界女王よ、今日は彼氏とたのしいデートかね)
その声を聞いたカオルは心臓が止まるかと思った。
カオルは急変して、顔が蒼白になっていった。
心臓はバクバクいい、恐怖が支配した。
すぐにカオルの異変にきずいたトシキは、驚きながらカオルに言う。
(おい、カオル、どうした、おまえ顔が蒼白だぞ)
カオルは額に汗をかき、下を向いて無言で固まった。
全身の震えが止まらなかった。
声は言う。
(おゃおゃ、これは失礼した。
驚いたかね)
と笑いながら言う。
カオルは心のなかで、声に言った。
(なに、誰なの、貴方、)
声
(これは失礼、私の名前はサンジエルマン男爵と言う、君を殺すためにある組織から派遣された者の一人だ、以後、よろしく)
と丁重に言う。
カオルは心のなかで叫びなから言った。
(なんなの、あんた、何で私を殺すのさ、なんで)
声
(それは君の本当の正体が間違いなく魔界女王だからさ、過去より遡る我々の最大の敵だからね、まあいい、今回は挨拶をしに来ただけだ、だが、今後は気をつけたまえ、我々は必ず君を殺す
ではまた、サイチエン)
声は消えていった。
カオルはその恐怖に耐えられず、ついにその場で気絶してしまった。
それを見たトシキは急いで、店のおばさんに救急車を頼むと言った。
おばさんも驚いて、急いで近くの総合病院に救急車の手配をした。
15分もすると救急車が到着して、隊員が駆けつけた。
隊員は急いでカオルを運ぶと、トシキとともに、総合病院に救急車を走らせた。
そんななか、となりの席でゆっくりと食べていた老紳士はニヤリと笑いながら食べ終わり席を立って、会計を済ませた。
老紳士は言う。
(フム、塞翁が馬だな)
老紳士はポケットからタバコを取り出すと一本吸って、そのまま、江ノ島のどこかへと去っていった。