238
「おはようじゃないです……」
「僕、どのくらい寝てた?」
「一年くらい眠ってました。
真白君が昏睡状態になって、病院に運ばれてすぐ入院して。
みんな、心配したんですよ!」
「そっか……
睡眠不足がたたったかな……」
「寝すぎです…」
「ねぇ、奈々」
「なんでしょうか?」
「退院したらさ……
一緒に行って欲しい場所があるんだ」
「どこですか?」
「少し拗ねん坊な、僕の大切な妹の墓参り」
「え…?」
「初めてのデートが、墓参りでごめんね。
でも、紹介したいんだ」
「この人が、俺の大切な人だって」
「良いですよ……
どこにだってついて行きます」
「ありがとう」
お礼を言っているのになぜか涙が出た。
奈々も涙をいっぱい流していた。
泣いて泣いて泣きまくった。