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「何も変わることのない世界。
ずっとずっとずっと。
えいえんでいることが出来る世界」
「えいえんなんてあるの?」
「えいえんはあるよ」
愛が、悪戯っぽく笑う。
「ねぇ、ふたりでピクニックに行こうよ」
「ピクニック?」
「うん。
私、お兄ちゃんにお花の冠を作ってあげるね」
「瞳……
君は……?」
瞳、どうして君は子どもなの?
瞳には、色々聞きたいことがある。
「私は、お留守番してるね」
「え?」
「二人の邪魔しちゃ悪いもん」
瞳は、ニッコリと笑うと小走りで、部屋の奥へと消えて行った。
「さぁ、お兄ちゃん行こうよ」
愛は、僕の手を嬉しそうに引っ張った。
もしかして、これは、夢なのかな?
「夢じゃないよ。
えいえんのせかいだよ」
心わかるの?
「お兄ちゃんの考えていることなら、なんでもわかるよ」
「えいえんのせかいってなに?」
「えいえんのせかいは、えいえんのせかいだよ。
私とお兄ちゃんが、ずっと一緒にいることが出来る世界」
「僕と愛が?」
「そう、私とお兄ちゃんが……」