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「あはは。
ってか、電話をくれるなんて……
もしかして、僕の声が聞きたくなったとか?」
僕が、そういうと奈々は、照れながら言葉をつなげた。
「あ、明日の予定って空いていますか?」
「うん、奈々のために僕は年中フリースケジュールだよ」
「よかった
明日、よろしければデートしませんか?」
僕の渾身のセリフはスルーされ、奈々は普通に返事を返した。
「う、うん。
そうだね、どこか行きたいところある?」
「この街のこと、色々教えて下さい」
「わかった!
じゃ、明日の朝の10時にあの場所で待ってるね」
「わかりました」
明日は、デート。
明日は、デート。
考えるだけで、ワクワクした。
僕は、電話を切ると階段を降りリビングに向かった。
瞳は、ひとり先に朝食を食べていた。
僕も、用意された自分の分の朝食を食べた。
「電話かな?誰から?」
「奈々。
ってか、よく電話が来たってわかったね」
「真白の声、大きいもん」