197
「え?そんなに大きいかな?
僕の声って……」
「うん。
大きいよってか奈々ちゃんと番号交換したんだね」
「ああ、フリフリでちょちょいっとね」
「そっかぁー
もしかしたら、奈々ちゃんが妹になるかも知れないのかな?」
そう言った瞳の目が少しさみしそうだった。
でも、僕は鈍感な男。
気づかないふりをした。
「妹って……?」
「結婚したら、そうなるんでしょ?」
「僕らまだ、高校生じゃん」
「女の子は16歳で結婚できるもーん!
それに、真白も来年になれば18歳!
不思議な話ではないよ」
「そんな甲斐性、まだ僕にはないよ」
「頑張れ!真白!」
「他人ごとだと思って…」
「だって、他人ごとだもん」
瞳の目が活き活きしている。
僕は、その目に少し安心する。