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玄関まで、一緒に手を繋いで歩きサヨナラのキスをして僕は家に帰った。
家を出る前に、携帯のアドレスと電話番号を交換した。
同じシフトバンクだった、これでいつでも電話し放題だ。
瞳のヤツ、うるさいだろうな……
胸に手をやると、まだほんの少しだけ奈々の温もりが残っていた。
これってしあわせって言うんだろうな。
僕は、そう思いながら自分の家の中に戻った。
「ただいまー」
「おかえりなさいって!
遅いじゃないの!
こんな時間まで何をやっていたの?」
案の定、瞳はご立腹のようだ。
「うん、ごめんね」
「晩御飯冷めちゃったじゃない!」
「あ、ごめん。
食べてきた……」
瞳は、怒りを通り越して呆れたような顔で聞いてきた。
「で、奈々ちゃんとは会えた?」
「うん!会えたよ!」
ってか、菜々と大人の階段を登りかけたけどね。
「そう
良かったわね……」