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ギデオン邸・

「近年の金の暴落、銀の暴騰、これらは仕組まれたもの
だったのです。」マイヤーは言った。

「これが続けば、イングランドの穀物や1次生産物が
天井知らず、このままでは中世のように兵糧が
底をつきます。
そう、中世以来、地方領主=トーリーは小麦の代償として
銀を受け取り、ヴァチカンは金を支配した。
しかし、銀の産地がイスパニア領土の中南米
であったのに対し、金はヴェラクルスやケープ
イングランド領であった。ゆえに不完全な支配だった。
 しかし、ヴァチカンは方法を考えた、いや作っていた。
黒人の埋葬と称し、金を秘密裏に持ち込んだのです。
棺の特権を利用し、黒人奴隷を虐殺し!
「このままいけば、地方領主を勢いづかせるだけでなく、
ハイパーインフレを起こし、債務増加、イングランドの
国家財政は破綻します。
おそらく、宝石時計事件の懐中時計が、新大陸に
渡り、金と交換され、国内に流入している。」
ハイヤーは長々としゃべる。

「何者かが、最近になって、コーヒーハウスで
銀に対する大掛かりな投機を行っている。
宝石は固有の紋様から出所がすぐにばれる。
しかし、金銀はそうではない。
持ち込むことさえできれば、対抗することは可能でしょう
目的は同じでしょうし。」

「しかし、どうやって?」ギデオンが問う。

「持込には、銀製の棺桶を作り、堂々と持ち込みましょう
彼らの棺の特権、それは内側に対するもの。
そのシステムを逆に利用されるとは思わないでしょう。
「中身は、アフリカの黒人がベストでしょう。
数が集まりやすく、教会が埋葬することは決してない。
「同時期にイングランド銀行の金塊を消滅させる。
奪うことや運ぶことは不可能でも消すことは可能。
玉水を使ってね。」

「どうやって、その条件を飲ませる。?」

「アフリカから伝染病が来ている、そういう流言を
流せばいいでしょう。、殺菌のために薬品を
入れさせてくれ、もちろん中身を汚さずにね。


「お待ちしておりました。国王陛下。」シオンはそういうとゲットーに
国王ジョージ3世を迎え入れた。

ん、何だ、このにおいは。国王は異様なにおいに戸惑った。

おいそこのもの、これは何だ。
国王は不快さを隠そうともせず問いかけた。

「教会が、黒人奴隷は教会で処分できないのでお前たちが処分しろ
と言われましたが、火葬にしなければならず、困っています。
そのうち伝染病も蔓延し死人も出る始末。」
もっとも、この死体は暴動を起こしユダヤ人を殺したのもたちの
死体だが。
「やはりお前たちが原因か、下流では伝染病で大量に人が死んでいるんだ。」

「せめて、すべての死体を消毒殺菌させてください。」
ラッセル公家が責任を持つそうです。」

「もちろんキリスト教徒には手を出しません、黒人奴隷のものだけです。
それともあなたたちがやりますか?」

国王は唖然としながら、怒鳴りつけた。
「すぐに実行せよ。私がすべての責任を負う。」

かくしてすべての黒人奴隷の死体はユダヤ人が管理することとなり、
いつの間にか、ヴァチカンの金は消えていた。
これ以降、黒人奴隷の待遇、浮浪者の待遇は改善され、
都市資本家に対抗するヴァチカンの社会主義はあまり意味を持たなくなった。
一定期間のみではあったが。

「ハイヤーさん、何故パトリシアに真実を伝えたのですか。」

「彼女は知っている。ヴァチカンの搾取を、農民の苦しみを、
「今は誠意を見せるとき、偽りの善は良策ではありません。」




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