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「つきました」
案内されたのは、少し豪華なマンションだった。
「大きなマンションだね」
「はい」
「お母さんだっけ?
何している人?」
「インテリアデザインの仕事をしているみたいです……」
「みたいって?」
「滅多に帰って来ないので……」
「そっか。
僕のところと同じだね」
「そうなんですか?」
「うん、僕のところの親って言うか義理なんだけど……
今は、海外に出張に行ってるんだ」
「そうなんですか?」
「うん」
「一緒ですね」
「うん。
一緒だね」