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俺は、慌ててパジャマを脱ぎ棄てた。
「行くの?」
「うん……」
僕は、すぐに着替えるとご飯も食べずに家を出た。
「凄い雨だ……」
外に出ると激しい雨が吹荒れていた。
風も強い。
最初は、傘を差して走ったけれど。
邪魔に感じたので、傘を閉じて全速力で走った。
そして向かった、いつもの十字路に。
しかし、そこには誰もいなかった。
「よし、まだ来てないな」
腕時計の針を見ると、まだ10時前だった。
「遅刻しないですんで良かった……」
僕は、傘を再び差しなおすとその場に座りこんだ。
「水谷さん、早く来ないかな……」