161
「あ、そっか。
そうだったね」
「『あ…そっか』って!
もしかして忘れてたの?」
「忘れてはいないよ」
「なら、いいけどさ……」
「うん……」
「最近、なんか様子が変だよ?
何かあったの?」
「なんでもないよ……」
「そう?
何でも言ってよね!」
「うん。
ありがとう」
「とりあえず……
ご飯食べようか」
瞳が小さく笑う。
ごめんね、瞳。
ごめんな、瞳。
こればかりは……
こればかりは、瞳にも言えないんだ。