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いつもの通学路。
水谷さんにどんな顔をして会えばいいのかわからない。
ずっと、ずっと考えていた。
瞳は、それを察してか深く話しかけてはこない。
僕が、悩んでいるとき僕から声をかけるまで瞳は話しかけてはこない。
たぶん、この世界で一番、僕を理解してくれているのは瞳だと思う。
そう、瞳なんだ。
「お兄ちゃーーーーーん」
すると澪の、声が耳の中に入ってきた。
「澪?」
「発見」
そう言って、抱きついてきた。
その時、初めて気づいた。
澪……、結構胸が大きい。
「お兄ちゃん顔真っ赤だよ?
大丈夫?」
「澪ちゃん、おはよ」
瞳が小さく挨拶した。
「お姉ちゃんもおはよう」